ちなみにオイラはこのモーリスというブランドは時計屋の店主に教えてもらうまで全く知らなかった(※)ブランド。
※いつもお世話になっているブロガーさんの記事を介して“モリス”の名は知っていましたが、モリスはブランド名ではなく時計の設計者の名から取った“形式名”であると誤認していて【モリス】=【モーリス】とは知らなかった)。
このモーリスの手巻きを初めてじい様に見せてもらった際、風防のスリ傷や汚れは目に付いたものの、その適度に焼けた、まぁまぁ状態のいいアイボリーっぽい文字盤に金色のインデックスと針、ケース直径が約34mm(竜頭は含まず)、厚さ約6mm(風防ガラスは含めず)の小振りで薄いケース、“MOERIS”の文字と“M”を象ったロゴがすごくオシャレだと感じた。
風防ガラスの厚みがあるため、ケースを含めた厚さは約10mmくらいですが、ケースが平べったいすり鉢状(※ボキャ貧で例えが思いつかない…汗)で、少し盛り上がったハメ込み式の裏蓋が腕に身に付けた時に手首のくぼみにええがいにフィットするために、実際の厚みよりも薄く見えるデザインの“妙”が素晴らしいです。
文字盤には対磁を示す“ANTIMAGNETIC(※)”の文字があり、裏蓋には謎の型番らしきものがあるが、シリアルナンバーらしきものがないため、これだけではいつ頃の年代のどういった機種なのか判然としませんが、店主の話では戦後(1950年代半ばあたり)の製品らしいが、ハッキリしない。

ただ、間違いなくこの時計は防水どころか防汗・防塵の類は付いていない【完全“非”防水時計】であるコトは間違いないでしょう。
※…対磁となっているが、所謂現代の機械式時計が大体満たしている対磁1種(4,800A/m、60ガウス、電話機のスピーカーから発する磁気を密着状態で耐えられるレベル)の性能は満たしていないと思われるので、例えばテレビやパソコンは言わずもがな、割とうっかりやってしまう携帯電話やゲルマニウムのブレスレットなど、磁気を帯びた持ちもには気を付けなければならない。
なにぶん、ネットで調べてもこの個体のモーリスに結び付く有力な情報がほとんどヒットせず、そもそも文字盤やケース、機械がオリジナルの組み合わせなのかも確証が持てず、何とも言えない謎多き(?)ブランドですが、とりあえずモーリスというブランドについて時計屋のじいさんから聞いた話、自分が調べて分かっている範囲内で書いてみると…
・モーリスは1950年代半ばくらいまでセイコーやシチズンに時計部品を供給していた時期がある。
・それ以前の戦前からセイコーがモーリスの正規輸入代理店(もしくはそれに準じた形態で販売元)となってモーリスの懐中時計屋や腕時計を扱っていた。
・同時にセイコーが懐中時計や腕時計を設計するにあたりお手本としたスイス時計の一つがモーリスで、戦前~戦後しばらくまで日本の時計メーカーの技術発展に大きく貢献していた。
・時期は特定出来なかったものの1970年前後(?)にモーリスが消えた理由はのちにチソット(チソ)に吸収合併されたコトでブランドが消滅した(かの“クォーツ・ショック”が原因?)。
──…と、いうところまでは調べがついてます。
まぁ、詳しい歴史的背景やブランドの由縁はともかくとしても、かつてはスイス時計の中堅ブランド(?)として日本でも戦前~戦後しばらくまでは人気のあったブランドだったコト、【MOERIS】というブランドが確かにこの世に存在していたコトは間違いない。
人々に忘れ去られ、時代の流れの狭間で取り残されながらも長い年月を生き残り、こうして巡り巡って自分の手元に渡ってきたコトにある種の浪漫みたいものを感じられ、感慨深いものがあります。
今となっては知名度やブランド力、ステータスなんかとは限りなく無縁な存在でしょうが、逆にそういった“シガラミ”が無い分、現行の高級ブランド時計の定番──例えばロ○ッ○スやオ○ガ、タ○ホ○ヤーなどと比べられたり、バカにされるなんていうコトもないでしょう(※そもそもアンティーク品と現行品は比べる土俵が違うのだから当然と言えば当然だが…)。
すでに現存しないブランドだから、他人とブランドが被るなんていうコトもほぼないから、人と持ち物が被るのが嫌いなひねくれ者のオイラにはピッタリだ(苦笑)