最近はカメラの調子が悪いとか、修理に出した・返ってきたといった内容ばかりの記事でしたので、久しぶりにカメラの紹介をまたボチボチと書いてみようかと思います。
今回のネタはこちら。
【マルカフレックス】です。
実はコレ、私の所有物ではなく、行きつけのカメラ屋の店主のものです。
何故店主のカメラが私の手元にあるかというと、キッカケは先月の17日。
調子が悪くなったリコーフレックスダイヤを行きつけのカメラ屋に修理に出し、店内でしばらく店主と世間話をしていた際、話題が先月催された造幣局の花見イベントの話になって色々と話しているうちに、トラブルがなかったらリコーフレックスダイヤを花見イベントでテスト撮影に使うつもりだったコトを話すと、店主が「んじゃ、カメラを預かってる間、代わりにコレを持って行って使っていいよ」というコトで、カメラの陳列棚とは別に飾ってあったこのカメラを手渡されました。
何でもこのカメラ、実はその日に入荷したばかりで、まだ値札がついていないものの、れっきとした「売り物」らしい…σ(^^;)
もちろん最初は売り物を借りるワケにもいかないし、仮に借りたとしてもし万が一、売り物のカメラを傷付けたり壊したりなんかしたらそれこそ申し訳ないと思い、一度はお断りはしたんですが、「古いカメラだから誰が普通に使っていても壊れる時は壊れるし、キズが付いたり塗装が剥げるコトもある。それを承知の上で貸すんだから気にせず使ってよ」とのお言葉をいただき、「では、お言葉に甘えて…」というコトでダイヤの修理が終わるまで借りるコトに。
いや、あそこの店主は気前がいいというか、太っ腹というか…口約束で借りておきながらアレですが、破損されたり、持ち逃げされるといった心配とかはなかったのだろうか…あの店主…(汗)
まぁ、どちらにせよ、せっかく店主のご厚意で貸していただいたワケですか、実際に手に取った感触や雑感なんかを画像と交えて書いてみるコトにします。(※なお、記事にするにあたり、冒頭の画像も含め、全ての画像は持ち主である店主の許可を得た上で撮影しています)
借り物で売り物だからテスト撮影に持ち出すのは気が引けましたが、記事を書くためにちょっとだけ触る程度なら問題ないだろうし、万が一ダメにしたら弁償する覚悟で借りたつもりですから、傷物にした男らしく責任を取るというコトで…(苦笑)
なお、このカメラの詳しい機種名(型)やスペックですが、あいにく自分はこのカメラは全く知らないので、これから書く内容は全てカメラ屋の店主から聞きかじった知識故に、記述に間違いがあるかもしれませんのでご注意を(苦笑)
一応、スペックは載せておきます。
【マルカフレックス】
発売:1952年(昭和27年)
製造:武蔵製作所
販売:三和商会
テイクレンズ:Horinor 75mm F3.5
ビューレンズ:Horinor 75mm F3.5
シャッター:TSK(B.1~1/200)
焦点調節:前板繰出式
フィルム送り:ノブ、赤窓式
セルフタイマー: あり
二重撮影防止装置: なし
重量:約970g
店主の話によれば、リコーやヤシカ、ミノルタといった比較的名の知れた大きなメーカーに比べるとマルカフレックスはちょっとマイナーなメーカーの製品らしく、いわゆる“四畳半メーカー”と呼ばれる前時代的な家内制手工業に近いところがローライコードを真似て作ったのがこのマルカフレックスらしい。
ただ、四畳半メーカーの製品としては品質はまぁまぁなのか、このカメラについて悪い評判は聞かない。
元々二眼レフは構造が単純で、それこそ暗室の箱にレンズとシャッターを取り付けただけの比較的簡素な作りで、カメラの本体の製造にはさほど複雑な技術は要求されないため、大手メーカーの型落ちした(又は無名なメーカー製)のレンズやシャッターを仕入れられれば小さな町工場でも十分製造出来るコトから、安い割にはトラブルや故障にも強い。
そしてこの時代のカメラはまだまだ職人さんが一台一台、丁寧に組み立てられて調整されたモノが多く、そういった意味では中国製なんかよりもずっといい仕事していたのもさすが日本製のカメラといったところです。
実際に手に取ってイジった感触ですが、これがなかなかいい感じ。
手持ちのダイヤはシャッターのレリーズはレバー式ですが、このマルカフレックスのレリーズはボタン式で、しかも不用意にシャッターを押さないための回転式のシャッターロック(レリーズケーブルのネジ穴付き)を備えており、ピントフードは本体側のレバーを押し下げるとバネの力でワンタッチで展開するなど、なかなか機能的で好感が持てる作り。
ピント合わせはノブによる前板繰出式、巻き上げは赤窓を覗いてフィルムの裏紙に印刷された数字(枚数)を読み取って巻き上げるノブ式と、この時代の二眼レフとしてはごく平均的な手堅い作りのため、一般的な二眼レフを扱ったコトがある方なら特に迷うコトなく難なく扱えます。
ただ、惜しむらくはファインダーの暗さ。
ダイヤと違い、ピントグラスにはフレネルレンズやコンデンサーレンズも入っていないタダの「擦りガラス」のため、ピント合わせが少々やりづらい…σ(^^;)
一応、ファインダーには水平垂直を合わせるための十字線は入っていますが、光量の低い日陰や室内ではピント合わせはちょっと厳しい。
もちろん、この頃の二眼レフのファインダーの暗さは高級機を除けばどれも皆似たり寄ったりなようで、日中の屋外で明るい時間帯であれば極端に見えづらいというコトもなく、この時代なりのカメラだと割り切ってしまえば、コレでも十分使えそう。
あとは、シンクロソケットが旧式のコダック式で、アクセサリーシューが付いていないなど、ダイヤよりも使い辛い部分もありますが、これも日中の屋外専用として使う限りはこれらはあまり出番がないので、特に問題はないと思います。
実に60年も前のカメラでダイヤよりも使いにくい部分もいくつかありますが、ダイヤにはない使い勝手の良さや個性があり、このマルカフレックスもなかなかいいカメラだと思いました。
普段、なかなかリコー以外の他の二眼レフをじっくり手に取って触り、比較する機会がない自分としてはとてもいい勉強になりました。
店主のオッチャンには本当に感謝します。
※なお、店主から借りたマルカフレックスのその後ですが、後学のために記録用としてデジカメで隈なく写真に収めてカメラの細かい寸法を採寸し終えた後、ダイヤが修理から返ってくるまでカメラケースで大事に保管し、先週の日曜日にダイヤを受け取りに行った際に無事店主に返しました。














