今日は銭湯の帰りに実家に立ち寄りました。
じい様に頼まれた草刈りを済ませた旨を伝えるためと、川で取ってきた山葵の葉を渡すためです。
んで、帰り際にじい様からあるものを渡されました。

実はこれ、亡くなった父親の肩掛け鞄で、じい様の話によれば父親がまだ比較的元気だった頃に通販か何かで購入し、父親が最後に入院する数ヶ月前に届いたものの、結局一度も使われるコトなく仕舞い込まれていたモノだそうです。
何でも、予定していた日帰りの温泉巡りに使うサブバッグとして使うつもりだったらしく、よく見ると、値札やタグも付いたままの本当に未使用状態で、紙袋に入れて大事に保管してあったコトから、この鞄を使う日を楽しみにしていたんじゃないかと思います。
じい様は「このまま未使用で処分するのも忍びなぁけぇ、オマエが代わりに使ってやりんさい。温泉巡りが好きだったオトウ(父親)が癌の治療と入院で外に出たくても出られんかった分、オマエが代わりにコレを一人旅の友に連れていってやれ。」――そう言って私にコレを手渡してくれました。
持ち主に一度も使われるコトなく、持ち主を失った鞄…。
この鞄を見ていると不憫というか、憐れというか、何ともやるせない気持ちになってきます…。
あれだけ父親を毛嫌いしていたはずなのに、いなくなってせいせいしているはずなのに、口や心とは裏腹に涙が出てくる。
何故だか分かりませんが、父親にはもうちっと長く生きて欲しかったなぁと、今頃になって思う。
ここまでこないと自分の気持ち(本心)に気付かないとは…。
いや、気付かなかったんじゃない。
気付いていたけど、意地になって見て見ぬフリをして、自分の気持ちから目を逸らしていた――…というのが正しい。
長いコト張り合ってきたからケンカの内容なんて当の昔に忘れたし、本当のところ、過去に勘当されたコトへの恨みつらみ云々なんて、今更どうでもよかった。
結局、父親とはロクに話もしないまま、仲直りもしないまま、最後の最後まで仲違いのまま別れてしまいました。
………何というか、もう言葉が出ないです。