瑞鶴院釋旭光大師名無之権兵衛です。
突然ですが、皆さんは海外で手に入れたモノ、もしくは海外のお土産としてもらったモノってあります?
私はいくつかあります

高校生くらいまではよくじっちゃんに引っ付いて海外に行ったときにお土産はよく買いましたし、最近でも海外の親戚からよくお土産をいただきます。
その中で今回は珍しく私の小学校時代の同級生の兄から貰った大切な“ストール”を紹介します。
実はこのストール、いろいろなエピソードがありまして、様々な経緯を経て持ち主を変え、さらに遠い異国の地から海を渡って今は私の手に渡りました。
私の同級生(N君)の兄(Hさん)は陸上自衛隊中部方面隊海田駐屯地第13旅団隷下の第46普通科連隊所属の自衛官で、2005年第5次イラク復興業務支援群の一員としてイラク南部のサマーワに派遣され、3ヶ月ほどサマーワの人道復興支援の任務についていました。
N君の話によればそのときHさんがイラク派遣でサマーワに駐留した際に現地で催された自衛隊と有志連合の軍隊との交流を兼ねた親睦会でひとりの若いオーストラリア軍兵士と知り合ったそうで、ちょうどお互いそう歳の変わらない年齢だったコトから仲良くなったそうです。
その際にその若い兵士から頂いたモノがこのストールらしく、スートルは全部で3枚貰い、そのうち1枚は砂嵐の激しいイラクでHさんが砂塵除けに首に巻いて使ってたらしく、残りの2枚はN君と私がHさんから貰いました。

蛇足ですがこのストールは、別名『アフガンストール』または『シェマグ』と呼ばれるそうで、大きさは縦横100cmくらいの木綿(?)の布で出来ており、日本でも一部輸入されて、雑貨屋などで取り扱っているそうです。
元々はアフリカ北部の遊牧民が寒暖の激しい砂漠地帯で日除けや砂塵除け、防寒のために首や頭、肩に巻いて使っていたモノが発祥らしく、同じ乾燥した砂漠地帯の中東地域でもいつしか使われるようになったそうです。
もらった当初は特にこれといって思い入れがあったわけでもなく、しばらくの間タンスの中に仕舞い込んでました。
しかしこのストールをくれたHさんはイラクから帰還して3年後に交通事故で亡くなってしまったので、今となってお土産であると同時にHさんの唯一の形見となってしまいました…

せっかく私のためにイラクで手に入れてくれたお土産をこのままタンスの肥やしにしておくにはあまりにも忍びないし、どうせこのまま形見としてタンスの中に仕舞っておくくらいならイラクの大地で受けたであろう風をもう一度この日本で外の風に触れさせてやり、ダメになるまで大事に使ってやる方がこのストールも幸せだろうと思い、最近になってマフラー代わりに首に巻いて使うようになりました。

イラク派遣に伴う地元海田町の一部の住民による派遣反対の抗議や批難を受けながらもイラクでの厳しい環境の中で復興作業を着実にこなし、国際貢献という大切な任務を見事に完遂したHさんの御冥福を切に願わずにはいられません…
