2024年5月23日(木)
今日で最終回を迎えるのだが、昨年来たまに見ているNHK「夜ドラ」枠で、現在「VRおじさんの初恋」というドラマが放送されている。
VR(Virtual Reality)空間に若い女性のアヴァターで参加している2人の中高年オヤジ(「おじさん」という言い方よりもこちらの方がしっくり来る)が運命的に(?)出会い、やがてVR空間を飛び出して現実世界でも交流するようになる。
2人はそれぞれ家族関係や人間関係において葛藤や閉塞感を抱えているのだが、VR空間での距離が縮まっていくにつれて互いの人生にも徐々に大きな変化が生じていく・・・・・・。
正直、いい歳をした中高年オヤジたちが美少女(?)キャラに仮託して現実逃避している姿は見苦しいと言うしかなく、またドラマの内容に比べて全32回もの長尺が必要だとも思えず、途中で何度となく挫折しかけたものである。とりわけVR空間中心の前半部は物語がなかなか進展しないまま中高年オヤジたちの痛々しい様が描かれているだけで退屈で仕方なかったのだが、フェーズが現実世界に移行してからようやく少しずつ面白くなって来た。
もっとも予定調和的で安直な感動モノに着地しつつある終盤は実にありきたりで、結局のところこのドラマに対する個人的評価は決して高くないまま終わりそうなのだが、それでも連続ドラマ嫌いの私がともかく最終回まで見続けようと思った要因のひとつは、C&Kという男性ヴォーカル・ユニットによる主題歌と挿入歌が悪くなかったことである(ちなみに現在放送中の「朝ドラ」の方は、ポリコレ色が余りに強いこともあって早々に脱落してしまった。どうして今の人たちがドラマや映画、小説などのフィクションにかくも「正しさ」や「あるべき世界」を求めるのか、私には到底理解出来ないでいる。そんなものは現実世界や理想世界とは必ずしも交差しないフィクションの中ではなく、論文やエッセイ、報道などで主張したり訴えたりすれば良いのではないかと思ってしまうのだが・・・・・・)。
とりわけ私が気に入っているのは挿入歌「旅人」の方で、初めのうちはこれが主題歌の「ハートビート」と同じ歌い手による曲とは思えなかったのだが(というのも主旋律を歌っているのがテレビで見る限り女性の歌い手のようにしか思えなかったからで、これら2曲は曲調も非常に異なっている)、ドラマの終わりにこの曲が流れてくると思わずシンミリさせられたものである(下のYouTube参照。写真に写っているのは中高年オヤジの一人を演じている俳優の野間口徹)。
下が主題歌「ハートビート」。作風は「旅人」とまったく異なるが、こちらもなかなかの佳曲である。
もっともこのC&Kというユニットの曲はYouTubeで他にも色々聴いてはみたのだが、下の「みかんハート」という曲がまあまあ悪くないと思えた位で、残念ながら今後も彼らの曲を聴き続けるかどうかは極めて微妙である。
この間、前に当ブログで記事を書いたことのあるビリー・アイリッシュの約3年ぶりとなる新アルバム「Hit Me Hard and Soft」を聴く機会があったのだが、これについてはいずれまた機会を改めて。