2023年8月3日(木)

 そうこうするうち、8月になってしまった。

 

 このところ日本では歴史的な猛暑が続いているようだが、ここソウルもしばらく前に梅雨が明けてから連日30度を超える暑い日々である。

 ただし日本ほど湿度が高くないこともあり、エアコンをつけず扇風機でもなんとかしのげるレヴェルである(それでも気づかない間に熱中症になるおそれがあるため、8月に入ってから何度かエアコンをつけてみた)。

 

 毎月のことながら、今日は下の写真&動画に写っている亡き愛犬の月命日である。

 この動画の間じゅう聴こえているセミのうるさい鳴き声からも分かる通り、これは10年程前の真夏に近所の通りで撮ったもので、暑さが収まった夕方に散歩に出るようにしてはいたものの、愛犬が口を開けて暑そうにハアハア息をしながら走っている様子が見て取れる(そうして体内の熱を少しでも外部に排出しようとしていたのだろう)。

 


 当時我が家にはエアコンを設置しておらず(エアコン自体はあったのだが、引っ越して来た時に設置し忘れてしまったのである)、韓国の夏は日本のように蒸し暑く耐え難いような猛暑ではなかったとは言え、人間のように全身からの発汗で体温調節が出来ない愛犬にとってさぞ厳しい季節だったに違いないのだが(無知&不勉強で私はそのことをかなり後になるまで知らなかった)、真夏でも本格的な暑さは長くても1週間もすれば過ぎ去ってしまうこともあって(←ただしこれはもはや過去の話で、最近では日本などと同様、猛暑日がどんどん増えて来ている)、ついついエアコンの設置を先延ばしにしていたのである。

 

 

 それは今から考えれば動物虐待と言われても仕方ない許しがたい行為で、愛犬が死ぬ前年の夏に、それまで経験したことのないような猛暑が訪れたため、ただでさえ年老いて体力がなくなっていた愛犬にはさすがに危険な状況だと悟り、ようやくエアコンを設置したのだった(家にあったエアコンが果たして正常に動くかどうか心配だったので、エアコンも新たに買い直した)。

 そうしてその年の猛暑はなんとか凌ぐことが出来たものの、しかし翌年の6月に愛犬はこの世を去ってしまい、結局ひと夏しかエアコンの恩恵に浴することは出来なかった。後から思い返して愛犬に対して実に申し訳なかったと感ずる愚行や過ちは数知れないのだが、死ぬ前年までエアコンを設置しなかったことはそのうちのひとつである。

 だから必ずいつかどこかで愛犬と再会し、平身低頭でも土下座でもなんでもして、おのれの過誤の数々に対する赦しを得たいと常々思い続けているところである。RIP.

 

 

 

 さて、上に掲げた写真は、英国のテレビ・ドラマ「Law & Order: UK」の画像である。

 このブログを初めて間もない頃(2010年)、このドラマの元になっている米国ドラマ「Law & Order」について言及しつつ、この英国版スピンオフについても簡単に触れたことがある(https://ameblo.jp/behaveyourself/entry-12502037948.html 記事の最後に、今回DVDでようやく視聴したことを追記してある)。もっとも当時は英語字幕のないままドラマを何度か瞥見しただけで、私にはその内容や出来についてどうこう言えるような資格がなかった。

 

 その後、シーズン1と2の英国版DVDを購入してはみたものの、やはり英語字幕はついておらず(最近はどうか分からないが、当時の英国版DVDの映画やドラマには字幕なしのものが多かった)、英語に限らず外国語の聞き取りが大の苦手である私は、まともに中身を見ることもないまま、つい最近までDVDを放置して来た。

 しかし今ではインターネットで世界各国の映画やドラマの字幕ファイルが簡単に入手出来るようになり、先日ふと思い立って手持ちのDVDに対応する英語字幕を探し出し、初放送時から15年近くたってようやく視聴してみた次第である(しかし米国オリジナル版もそうだったが、専門用語や俗語が多いこともあって、英語字幕付きで見ても理解しがたい場面が少なくなかった)。

 

 

 そもそもこの「Law & Order: UK」は、米国のオリジナル版「Law & Order」(上の写真)で描かれたエピソードを、舞台をロンドンに移してドラマ化したもので、2009年から2014年の間に全8シーズン=全53話を放送して既に終了してしまっている(他にも「Law & Order」からは「性犯罪特捜班(原題:Law & Order: Special Victims Unit)」や「犯罪心理捜査班(原題:Law & Order: Criminal Intent)」など様々なスピンオフ作品が生まれており、英国版以外にもLAやパリ、モスクワなどを舞台にした地方版や海外版が幾つか作られている)。

 以下のウィキペディアにはこの英国版「Law & Order」の各挿話に対応する米国オリジナル版の題名とリンクが詳細に記載されている(https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Law_%26_Order:_UK_episodes)。

 

 

 上記の通り今回私が見たのは全8シーズンのうち最初の2シーズンのみで、この記事の最後に各エピソードに対する私の評点を参考までに記しておくものの、その点数からも分かるだろうように、全20シーズン(★)のDVDすべてを入手して見るほど夢中になった米国オリジナル版に覚えたような圧倒的な面白さを感ずることは出来なかった。

《★ 2010年に全20シーズンをもって終了したはずの米国オリジナル版がいつの間にか再開していたことを、今回初めて知った。現時点でシーズン21とシーズン22が放送済みのようである。下の画像》

 

 

 とは言え、舞台となっているロンドンを始めとした英国の街並みを見ることが出来る上(ただし街の描写はかなり控え目で、個人的に懐かしさを覚えるような場面は決して多くなかった)、上のブログでも触れているように、裁判官や検察官/弁護士たちがヘンテコなカツラを被って執り行われる英国の裁判の様子を知ることも出来(下の画像)、英国に興味のある人間にはそれなりに楽しめる内容になっている。

 

 


 また、「Order」=刑事役を演じている俳優ブラッドリー・ウォルシュ(Bradley Walsh、上の写真左)やジェイミー・バンバー(Jamie Bamber、上の写真右)、彼らの上司役のハリエット・ウォルター(Harriet Walter、下の写真左=1枚目)、「Law」=検察官を演じているベン・ダニエルズ(Ben Daniels、下の写真右=2枚目の右)やフリーマ・アジェマン(Freema Agyeman、下の写真右=2枚目の左)、その上司役のビル・パターソン(Bill Paterson、下の写真3枚目)らの英国人俳優たちも米国のオリジナル版に劣らず個性的で悪くない(特にジェレミー・アイアンズを髣髴とさせるベン・ダニエルズがなかなか渋い)。

 

 

 

 

 今回はとりあえず手持ちの2シーズンを「消化」しただけだが、今後もDVDやインターネットを利用して残りの6シーズンも視聴してみたいと思っている。

 同様に上に記した米国版オリジナルシリーズの最新シリーズ(シーズン21と22)もやはり見てみたいものである(ただし現時点ではDVDなどは未発売)。

 

 最後に各挿話に対する私の評点(5点満点)と映画サイトImdbの点数(10点満点)を記しておく。

 

☆Series 1 (2009年)

 1 "Care" (3.0点、Imdb 7.4)

 2 "Unloved" (3.0点 Imdb 7.5)

 3 "Vice" (2.5点 Imdb 7.7)

 4 "Unsafe" (3.0点 Imdb 7.9)

 5 "Buried" (3.0点 Imdb 7.9)

 6 "Paradise" (3.5 点 Imdb 7.4) かつて私が仮住まいしていたロンドンのマーブル・アーチやエッジウェアロード周辺が登場

 7 "Alesha" (3.5 点 Imdb 7.8)

 

☆Season 2(2010年)
 1 "Samaritan" (3.5点 Imdb 7.5)

 2 "Hidden" (3.0点 Imdb 7.9)
 3 "Community Service" (2.5点 Imdb 7.4)

 4 "Sacrifice" (2.5点 Imdb 7.8) 私がロンドン到着後しばらく滞在していたスローン・スクウェア近くのロイヤル・アヴェニューが出て来る。ここにはかつて映画監督ジョゼフ・ロージーが住んでいた家があり、Blue Plaqueが設置されている(http://openplaques.org/plaques/1297) 。

 5 "Love and Loss" (2.0点 Imdb 7.6)

 6 "Honour Bound" (3.5点 Imdb 8.0) このエピソードの最後には、おそらく香港映画「インファナル・アフェア」(2002年)からアイディアを借りただろう、ビルの屋上での警官と犯人とのやり取りが描かれている。