2022年9月3日(土)
 今年も3分の2が終わってしまった。
 
 今日は亡き愛犬の月命日。
 下の動画は、背中でもかゆいのか、ベッドや床の上にゴロっと仰向けになって、手足をしきりにバタバタ動かす様を写したものである(3つ目の動画は2つ目の続き)。
 頻繁とまでは言えないものの、たまに目にすることのあった行動なのだが、どうしてこんな動作を取るのか、その本当の理由は本人に訊いてみないことには分からない。しかし両手足を上下に動かす仕草が何ともおかしく、毎度動画に収めたいと思いながら滅多に好機が訪れず(撮る準備が出来た時には大抵終わってしまっていたのだ)、以下のものはその撮影に成功した数少ない(私にとって)貴重な動画である。
 
 
 

 

 
 毎回同じことを書いているが、今も亡き愛犬がどこかで(出来れば私のすぐそばで)、時々こんな動作をしてくれていたらと心からこいねがうのみである。RIP.
 
 
 今回は訃報を(全部で10件、敬称略)。
 

 

 まずはフランスの漫画家ジャン・ジャック・サンペ(Jean-Jacques Sempé、8月11日死去、享年満89歳。下の写真)。

 

 

 わんぱく少年ニコラが縦横無尽に活躍する絵本(? 実際には文章にたまにイラストがついている位である)で、日本でも翻訳の出ている「プチ・ニコラ」(Le Petit Nicolas、上の画像。翻訳版は下の画像←インターネットから拝借した)のイラストを担当した他(原作は故ルネ・ゴシニ=René Goscinny)、数多くの絵本に加え、書籍の装幀や雑誌のイラスト等も手掛け、中でもアメリカの雑誌「ニュー・ヨーカー」の表紙を長らく担当していたことでよく知られている。

 

 

 親しみやすいシンプルな絵柄とコミカルな内容、比較的易しいフランス語もあって(ただし実際には初心者にとっては決して理解しやすい訳でもない)、フランス語を勉強し始めたばかりの頃にFolio文庫版を手に入れたことがあるが、フランスの日常生活を知らないと理解出来ない部分も少なくなく、果たして最後まで読み通せたかどうか心もとない(後に古書で下の画像にある文春文庫版「わんぱくニコラ」全2巻も手に入れたが、これまたちゃんと読んだかどうか定かではない)。

 

 

 サンペのイラストを紹介しているウェブサイトはたくさんあるが、たまたま最初に見つけた以下のアドレス2つを掲げておく。

(1)https://m.cafe.daum.net/subdued20club/ReHf/2742225?listURI=%2Fsubdued20club%2FReHf

(2)https://www.lambiek.net/artists/s/sempe_jj.htm

 

 英紙ガーディアンの追悼関連記事は以下の通り。

☆Jean-Jacques Sempé obituary

https://www.theguardian.com/artanddesign/2022/aug/18/jean-jacques-sempe-obituary

☆Le Petit Nicolas illustrator Jean-Jacques Sempé dies aged 89 

https://www.theguardian.com/books/2022/aug/11/le-petit-nicolas-illustrator-jean-jacques-sempe-dies-aged-89

 

 

 

 続いて声優の小林清志(7月30日死去、享年満89歳。上の写真左=1枚目)。

 言わずと知れたアニメ「ルパン三世」の次元大介役で知られ、他にも「妖怪人間ベム」のベム役や、洋画の吹き替えやテレビ番組のナレーションなどでも活躍した。特に次元役は、昨年勇退するまで50年超の長きにわたって担当し続け、まさにこの人こそが次元大介の声そのものだったと言えるだろう。

 

 

 3人目は英国出身でオーストラリア育ちの歌手オリビア・ニュートン・ジョン(Olivia Newton-John。8月8日死去、享年満73歳。上の写真)。

 正直、全く詳しい訳ではないものの、子供の頃にジョン・トラボルタと共演したミュージカル映画「グリース」が公開されたり(1978年。ただし映画は未見)、その後も映画「ザナドゥ」(1980年。ELOのジェフ・リンによる主題歌は→https://www.youtube.com/watch?v=cLi8fTlDEag)や「フィジカル」などの曲がテレビなどでよく流れていたものである(当時流行りのエアロビクスを取り入れたMVは特に記憶に鮮やかである→https://www.youtube.com/watch?v=vWz9VN40nCA)。

 今回初めて知ったのだが、ボブ・ディランの曲でジョージ・ハリスンがアルバム「All Things Must Pass」でカヴァーした「If Not for You」がこの人の出世作だったそうで(https://www.youtube.com/watch?v=-5Nd5gT2oLE)、私の偏愛するザ・ビートルズ(のメンバー)とも他生ならぬ多少の縁があった訳である。

 

 英紙ガーディアンの追悼関連記事は以下の通り(英国出身ということもあってか、さすがに数が多い→私もほとんど読めていない)。

☆Dame Olivia Newton-John obituary

https://www.theguardian.com/film/2022/aug/08/olivia-newton-john-obituary

☆Olivia Newton-John, star of Grease, dies aged 73

https://www.theguardian.com/film/2022/aug/08/olivia-newton-john-star-of-grease-dies-aged-73

☆Olivia Newton-John: a life and career in pictures

https://www.theguardian.com/film/gallery/2022/aug/08/olivia-newton-john-a-life-and-career-in-pictures

☆Olivia Newton-John was that rare thing: a wonderfully unselfconscious star

https://www.theguardian.com/film/2022/aug/08/olivia-newton-john-grease-xanadu-cult-classics-cherished-by-fans

☆Olivia Newton-John was a trailblazer in the art of pop reinvention

https://www.theguardian.com/film/2022/aug/09/olivia-newton-john-was-a-trailblazer-in-the-art-of-pop-reinvention

☆Olivia Newton-John’s 10 best songs – sorted!

https://www.theguardian.com/music/2022/aug/15/olivia-newton-johns-10-best-songs-sorted

 

 

 続いて4人目は精神科医の中井久夫(8月8日死去、享年満88歳。上の写真)。

 実のところ、精神科医としての活動や著書には余り関心を抱いたことがなく、もっぱらこの人の訳した現代ギリシャ詩人のカヴァフィスやリッツォスの詩集やアンソロジー「現代ギリシャ詩選」、フランスの詩人ポール・ヴァレリーの「若きパルク/魅惑」などに親しんだものである。

 

 

 

 

 

 おかげで現代ギリシャ詩人に興味を抱き、ノーベル文学賞を受賞したセフェリスの詩集や他のギリシャ詩人にも手を伸ばすことが出来たのだが、この人の訳業なくして現代ギリシャ詩を知ることはおそらくなかっただろう(現代ギリシャ語そのものは、池澤夏樹が字幕翻訳を手掛けたテオ・アンゲロプロスの映画作品によって知る機会があったのだが)。

 

 

 5人目は英国の俳優バーナード・クリビンス(Bernard Cribbins、7月27日死去、享年満93歳。上の写真)。

 本国英国では、俳優としてのみならず歌手やナレーターとして高い人気を誇っていた人だが、おそらく日本ではほとんど知られていないだろう(従って主要メディアではこの人の訃報を全く見かけなかった)。

 かく言う私も、アルフレッド・ヒッチコック晩年の傑作「フレンジー」(1972年)におけるパブの主人役(上の写真)でしか知らないのだが、ジョン・フィンチ演ずる主人公に絶えず厳しい目を光らせ、結果的にヒロイン(?)役のアンナ・マッセイを死に至らしめてしまうことになる憎まれ役を巧みに演じていて非常に印象深い。

 60年近く続いている英国の人気SFドラマ「ドクター・フー」にも出演しており(テレビ及び映画)、英国におけるこの人の人気のほどが伺える。

 歌手としての代表曲には「The Hole in the Ground」や「Right Said Fred」などがあり、以下で聴くことが出来る。

 The Hole in the Ground

 https://www.youtube.com/watch?v=8YCCauW8m0o

 Right Said Fred

 https://www.youtube.com/watch?v=BZ6HeF55ooQ

 さらに以下のYouTube公式サイトで他の曲も視聴可能である。
 https://www.youtube.com/channel/UC-j_FKMH0j5RL70itclqGsw/playlists

 

 英紙ガーディアンの追悼関連記事は以下の通り。

☆Bernard Cribbins obituary

 https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2022/jul/28/bernard-cribbins-obituary

☆Bernard Cribbins, star of Doctor Who and Jackanory, dies aged 93

 https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2022/jul/28/bernard-cribbins-star-of-doctor-who-and-jackanory-dies-aged-93

☆Bernard Cribbins: a warm, kindly titan of children’s entertainment

 https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2022/jul/28/bernard-cribbins-a-warm-kindly-titan-of-childrens-entertainment

☆Bernard Cribbins: a life in pictures

 https://www.theguardian.com/tv-and-radio/gallery/2022/jul/28/bernard-cribbins-a-life-in-pictures

 

 

 続いて6人目はドイツ出身の映画監督ウォルフガング・ペーターゼン(Wolfgang Petersen。8月12日死去、享年満81歳。上の写真)。

 代表作に「U・ボート」(原題: Das Boot、1981年)やミヒャエル・エンデ原作の「ネバーエンディング・ストーリー」(原題: Die unendliche Geschichte、1984年)、ハリウッド進出後の作品として、クリント・イーストウッド主演の「ザ・シークレット・サービス」(原題: In the Line of Fire、1993年)を皮切りに、コロナ禍で再注目を浴びたダスティン・ホフマン主演の「アウトブレイク」(1995年)、ハリソン・フォード演ずる米国大統領が縦横無尽の活躍をするアクション映画「エアフォース・ワン」(1997年)、ジョージ・クルーニー主演のパニック映画「パーフェクト ストーム」(2000年)、トロイア戦争を描いたブラッド・ピット主演の「トロイ」(2004年)、1972年の「ポセイドン・アドベンチャー」をリメイクした「ポセイドン」(2006年)などの大作・話題作がある。

 

 

 もっともハリウッドのブロックバスター映画をほとんど見ない私は出世作の「U・ボート」しか見たことがなく、しかもこの映画の記憶は今では全く残っていない。追悼の意味を込めて、近いうちに手持ちのDVDで見直してみたいと思っている。

 

 英紙ガーディアンの追悼関連記事は以下の通り。

☆Wolfgang Petersen obituary

https://www.theguardian.com/film/2022/aug/19/wolfgang-petersen-obituary

☆Wolfgang Petersen, director of Das Boot and Air Force One, dies aged 81

https://www.theguardian.com/film/2022/aug/16/wolfgang-petersen-dies-director-das-boot-air-force-one

 

 

 7人目はファッションデザイナーの森英恵(8月11日死去、享年満96歳。上の写真)。

 着るものに全く無頓着な私にはほとんど無縁な人と言って良いのだが、女優の岡田茉莉子による追悼記事(★)に、小津安二郎監督の「秋日和」(1960年)のエンディングでひとり娘(司葉子)が嫁いで行った日の晩、娘の友人役を演ずる岡田茉莉子が母親(原節子)を訪ねていく場面で着ていた衣装が、森英恵がデザインしたものであったことを知った(下の写真左=1枚目。右=2枚目は娘の結婚式で)。

《会員登録しないと読めないのだが→「森英恵さんを悼む 世界に羽ばたくお姉さん」https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63744430V20C22A8BC8000/

 

 

 

 上記の記事で岡田茉莉子が「エメラルドグリーンのワンピースに同色の髪飾りの姿があまりにすてきで『岡田さんだけ特別に作ったんじゃないか』という批評家もいた」と述べているように、確かに他の出演者の衣装には見られない派手やかさなのだが、この作品をこれまで何度も見て来ながら、そのことに全く気づかなかったほど、私にはファッションに対するセンスが致命的に欠けているようである。

 

 英紙ガーディアンの追悼関連記事は以下の通り。

☆Hanae Mori obituary

https://www.theguardian.com/fashion/2022/aug/23/hanae-mori-obituary

☆Hanae Mori, renowned Japanese fashion designer, dies at 96

https://www.theguardian.com/world/2022/aug/18/hanae-mori-renowned-japanese-fashion-designer-dies-at-96

 

 

 8人目もファッションデザイナーの三宅一生(8月5日死去、享年満84歳。上の写真)。

 やはりファッション音痴の私には全く無縁な人で、森英恵のように映画を巡るエピソードもないため、私にはこれ以上書くことがないというのが正直なところである。

 

 英紙ガーディアンの追悼関連記事は以下の通り。
☆Issey Miyake obituary

https://www.theguardian.com/fashion/2022/aug/11/issey-miyake-obituary

☆Issey Miyake, famed Japanese fashion designer, dies aged 84

https://www.theguardian.com/fashion/2022/aug/09/issey-miyake-famed-japanese-fashion-designer-dies-aged-84

☆Issey Miyake: 45 years at the forefront of fashion

https://www.theguardian.com/fashion/2016/apr/10/issey-miyake-45-years-at-the-forefront-of-fashion

 

 

 9人目は旧ソ連最後の指導者ミハイル・ゴルバチョフ(Михаил Горбачёв=Mikhail Gorbachev、8月30日死去、享年満91歳。上の写真)。

 「ペレストロイカ(建て直し)」や「グラスノスチ(情報公開)」政策を推進し、結果的にソ連の崩壊を招いて冷戦終結の立役者となり、1990年にはノーベル平和賞を受賞した。

 海外での高い評価とは裏腹に、旧ソ連崩壊の元兇であり、その後もロシアの政策(とりわけ現プーチン体制)を批判し続けたこともあり、本国ロシアでは否定的な見方の方が多いとのことである。

 

 英紙ガーディアンの追悼記事は以下の通り。

☆Mikhail Gorbachev obituary

 https://www.theguardian.com/world/2022/aug/30/mikhail-gorbachev-obituary

 


 最後(10人目)は俳優の古谷一行(8月23日死去、享年満78歳。上の写真)。

 テレビドラマ「横溝正史シリーズ」によって広く世に知られるようになり、その後も「金曜日の妻たちへ」や渡辺淳一原作の「失楽園」などの不倫ドラマや、松本清張原作の推理ドラマ等でも人気を博したものの、やはり代表作は金田一耕助役だと言って間違いないだろう(「オレゴンから愛」というドラマ・シリーズを代表作として挙げる人もいるが、あいにく私は見ていない)。

 最初の「横溝正史シリーズI」(1977年)と「横溝正史シリーズII」(1978年)は、両親が毎週見ていた「テレビ三面記事 ウィークエンダー」との熾烈なチャンネル争いの末、主だったものは初放映時に見たはずで、今では全作DVDも持っている(ただし1983年から2005年まで続いた「名探偵・金田一耕助シリーズ」は反対にほとんど見ていない)。

 

 

 

 もっとも私にとって金田一耕助の理想像は市川崑監督による映画版の石坂浩二で、古谷一行版はあくまで2番手、3番手でしかないというのが正直な感想である。ドラマ自体も俳優の配役や演出、物語の展開等に違和感を覚えることが多く、DVDで視聴しようとしても大抵途中で投げ出してしまうことがほとんどである。

 追悼の意味からも近いうちに「横溝正史シリーズ」を何作か見てみたいと思っているのだが、果たして最後まで見通すことが出来るかどうか・・・・・・いずれにしても1ファンとしては、金田一耕助の「ひとり」がこの世を去ったことは誠に残念でならない。

 

 上記の10名の死を悼み、心より冥福を祈りたい。