いままでのがん医療は、病気を治すことを第一に考えた治療・研究に全力を注いできた歴史です。
がんによって悩みや不安をもつ患者の視点に立った研究は、ほとんどされてきませんでした。
静岡県立静岡がんセンターが行った実態調査によると、がん体験者の悩みや負担は、大きく4つの柱に分類できると言います。
①診療上の悩み(入退転院、診断・治療、緩和ケア、告知、医療者との関係など)
②身体の苦痛(症状、副作用、後遺症など)
③心の苦悩(不安などの心の問題)
④暮らしの負担(就労、経済的負担、家族・周囲との関係など)
――の4つです。
この4つの柱について、同センターがこの10年間の患者の意識の変化を調査したところ、「診療の悩み」「身体の苦痛」「暮らしの負担」とともに、薬物療法に伴う悩みや負担の増加が顕著に表れています。
昨日の午前中、都内で行われたフォーラムで発表されたものです。
この中で、がん体験者が悩みや負担をやわらげるために必要と思う情報や支援についての調査結果を公表しています。
がん体験者が求める情報や支援の第1位は、ダントツで「体験談、同病者との交流」です。
次いで、「診療に関する情報収集と情報提供の方法」「経済的負担(医療費、生活費)」と続いています。
がんの診断を受けた多くの人が、一つでも多くの具体例や声などの情報を求めています。
同じ体験を持つ人との交流を求める意見が多く寄せられています。
ビーハピィ・ジャパンが開催する市民公開講座やピアサポーターの養成を進めていることに意を強くしています。
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