夏が過ぎ気温が下がればデング熱の流行は終息すると言われているが、
東京では未だに殺虫剤や防虫剤がよく売れている。
問題の公園も閉鎖はされたが、入口に「閉鎖」の案内が出ているだけ。
大きな蚊帳(かや)で公園をすっぽりかぶせてしまえば問題はないが
小さな蚊はいくらでも公園外に出られる。殺虫剤を散布しているようだが
どこまで効果があるものか疑問だ。
蚊は「ブンブン」鳴くから「蚊」と呼ばれたようだ。確かに寝ていて耳の近くで
ブンブン鳴かれたら、最近は以前よりも気になってきている。
子供の頃、兄貴に呼ばれたので行ってみた。「ほら見てみろ」とそっと
腕を出すと、兄貴の腕に血をかなり吸って真っ赤になった蚊が止まって
いた。「それっ」と掛け声もろとも腕に力を入れて筋肉を収縮させた。
蚊は針が抜けなくなってもがいていた。兄貴は潰さないようにそっと蚊を掴み
腕から抜いた。それからがすごかった。その蚊の羽をそっともぎ、足をハサミで
全て切り取った。すなわち蚊は血を吸って丸々太った胴体と針のある頭部だけと
なった。
兄貴はその蚊を潰さず、そっと窓辺に置いて、ニコニコ笑いながら部屋から
出て行った。蚊の生殺しを初めて見た瞬間だった。