それからしばらくして、お父さんに花火が出来上がったという
連絡が入った。ある晴れた晩、お父さんに連れられて花火が
良く見える、サクラで有名な大きな公園にやってきた。
 
空にはたくさんの星がキラキラ輝いていた。そのどれかの星に
ジャッキーがいるような気がして一つ一つの星をずっと見ていた。
 
お父さんに連絡が入って、これから打ち上げるというので
お父さんに言われた山の方角に目を移した。一分も経たないうちに
ドーン、ヒュルヒュルと花火が打ち上げられた。パッと開いた大きな
花火の真ん中にジャッキーが微笑んでいた。その顔はいつも僕と
遊んでいた時の楽しいそうな顔だった。その周りに赤やオレンジや
緑や青のハートがたくさん散らばっていた。
 
ほんの一瞬だったけど僕にとっては生きていた頃のジャッキーを
目に焼き付けるとてもとても大切な一瞬だった。花火が消える時、
僕の目には涙がいっぱいで周りの景色は何も見えなくなっていた。
僕は心の中で「ジャッキー、ありがとう、さようなら」と
何度も繰り返していた。
 
公園からの帰り、池の側を通ったお父さんが急に叫んだ。
「ヨーイチ、あれ、見てごらん」。池の上には散ったサクラの
花びらがいっぱいで、その真ん中に「アリガト」と花びらの
文字が浮かんでいた。きっと偶然だったんだろうけど、僕には
天国のジャッキーが死ぬ前に僕に言えなかった言葉を送って
来たんだと思って、またポロポロしちゃった。