Alanis Morisetteの名曲「Ironic」を

お届けします。

 

この曲の中では、様々な"皮肉(Ironic)"な状況が出てきます。

 

「期待していた結果とは違った結果になること」という、

言葉の意味からすればその通りなのですが、

この歌の主人公は、それが皮肉な事であると

ずっと自分に言い聞かせているように聞こえます。

 

 

 

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An old man turned ninety-eight

He won the lottery, and died the next day

It's a black fly in your Chardonnay

It's a death row pardon two minutes too late

 

「98歳を迎えたおじいちゃん

宝くじに当たって、次の日に亡くなった」

「シャルドネの高級ワインに、ハエが入った」

「死刑囚が恩赦になった、2分遅かったけど」

 

 

 

And isn't it ironic?

Don't you think?

 

これって皮肉かな?

そう思わない?

 

 

 

It's like rain on your wedding day

It's a free ride when you've already paid

It's the good advice that you just didn't take

And who would've thought? It figures

 

あなたの結婚式当日に雨が降って

お金を払った後に、タダで乗せてもらえて

いいアドバイスなのに、聞かなかった

そんな事があって「信じられない」って?

それは当然の結果よ

 

 

 

Mr. Play-It-Safe was afraid to fly

He packed his suitcase and kissed his kids goodbye

He waited his whole damn life to take that flight

And as the plane crashed down

He thought, "Well, isn't this nice?"

 

石橋を叩いて渡るような人が飛行機を怖がってた

スーツケースに荷物を詰めて、子供たちにさよならのキスをした

このフライトの為に人生を送ってきたってくらい初めての飛行機で

墜落したの

彼は思ったわ「わあ、最高だね?」って

 

 

 

And isn't it ironic?

Don't you think?

 

これって皮肉かな?

そう思わない?

 

 

 

It's like rain on your wedding day

It's a free ride when you've already paid

It's the good advice that you just didn't take

And who would've thought? It figures

 

あなたの結婚式当日に雨が降って

お金を払った後に、タダで乗せてもらえて

いいアドバイスなのに、聞かなかった

そんな事があって「信じられない」って?

分かってたわ

 

 

 

Well, life has a funny way()of sneaking up on you

When you think everything's okay and everything's going right

And life has a funny way of helping you out

When you think everything's gone wrong

And everything blows up in your face

 

そうね

何もかも上手くいって

正しい方向に進んでると思ってる時には

人生は面白い方法で忍び寄ってくる

そして、何もかも上手く行かなくて

間違った方向に進んでると思った時には

人生は面白い方法で助けてくれる

 

()funny way

面白い方法とありますが、どう面白いのか、結果どうなったのかは全く触れられていません。上手く行ってると思っている時には、結果上手く行く場合もあれば、思いもよらない事が起きて失敗する場合もあります。逆もまたしかりです。どちらに転んだとしても、自分でどうにもならない事によって結果が変わってしまう状況を面白い方法と表現しているのです。

 

 

 

It's a traffic jam when you're already late

A no-smoking sign on your cigarette break

It's like ten thousand spoons when all you need is a knife

It's meeting the man of my dreams

And then meeting his beautiful wife

 

もう遅刻してる時に引っかかる渋滞

タバコ休憩のときに点灯する禁煙サイン

ナイフを使いたいのに、1万本のスプーンがある時

夢にまで見た理想の男性に出会って

それからその人の美人の奥さんに出会った時

 

 

 

And isn't it ironic?

Don't you think?

A little too ironic

And yeah, I really do think

 

これって皮肉かな?

そう思わない?

皮肉すぎるわ

そう、本当に思うの

 

 

 

It's like rain on your wedding day

It's a free ride when you've already paid

It's the good advice that you just didn't take

And who would've thought? It figures

 

あなたの結婚式当日に雨が降って

お金を払った後に、タダで乗せてもらえて

いいアドバイスなのに、聞かなかった

そんな事があって「信じられない」って?

それが普通なのよ

 

 

 

And yeah, life has a funny way of sneaking up on you

And life has a funny, funny way of helping you out

Helping you out

 

そうね

人生は面白い方法で忍び寄ってくるし、

人生は面白い方法で助けてくれる

 

 

 

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(考察)

歌の中に出てくる"Ironic(皮肉)な状況"は、

確かに皮肉ではありますが、

「そりゃ人生そんな事もあるよね」という印象を受けます。

 

中には、「良いアドバイスなのに聞かなかった」だの、

「1万本のスプーンを買ってフォークを探している」だの、

自分のせいじゃない?っていう状況もあります。

 

Alanis自身も「めっちゃ皮肉じゃね?」と笑いながら

言っていますが、

否定も肯定もしていません。

 

また、別のテレビ番組で、

"it's singing Ironic

but there are no ironies"

("Ironic(皮肉)"を歌ってるけど、皮肉はない)

と、替え歌を歌っていることから、

これらの状況を、本当に皮肉だとは思ってないと考えられます。

他人の皮肉なんて、別に痛くも痒くもないですからね。

 

 

ですが、この歌の最後の方で

"It's meeting the man of my dreams

And then meeting his beautiful wife

夢にまで見た理想の男性に出会って

それからその人の美人の奥さんに出会った時"

と歌った時に、初めてPV上のAlanisの顔が曇ります。

 

そして初めて、

"I really do think(本当にそう思う)"と強く肯定します。

 

これは想像ですが、

この状況だけは、他ならぬ自分自身が経験した事なのでしょう。

 

いろんな"Ironic(皮肉)"な状況を想像して並べてみたものの、

自分の身に起こった皮肉な事が紛れることはなかった。

 

それこそがまさに"Ironic(皮肉)"なのだと、

歌っているような気がします。