私の最も好きな曲の一つで、おそらく私の知る中で最も壮大な失恋ソングです。

 

この曲を聴くにあたりみなさんに守ってもらいたいことが2つ。

 

1つ目は、この曲の舞台「ニューヨーク」に思いを馳せること。

 

 
もう1つは、曲の途中で出てくる"fall into the sky(空に落ちる)"という表現。
 
どうして"fly into the sky(空を飛ぶ)"じゃないのかを想像しながら聴いてみてください。
 
答えは曲のあとで。
 
 
 
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[Intro]

 

[Verse 1]

Makin' my way downtown
Walkin' fast, faces pass
And I'm homebound

 

ダウンタウンの帰り道

道ゆく顔が通り過ぎ

私は家路を急ぐ

 

 

 

Starin' blankly ahead

Just makin' my way

Makin' a way through the crowd

 

ぼーっと前を見ながら

ただ家路を急ぐ

人混みをかき分けながら

 

 

 

[Pre-Chorus 1]

And I need you
And I miss you
And now I wonder

 

あなたが必要なの

恋しいの

そして私はふと思う

 

 

 

 

[Chorus]

If I could fall into the sky
Do you think time would pass me by?

'Cause you know I'd walk a thousand miles
If I could just see you
Tonight

 

もし空へと落ちたなら

時間は過ぎていくのかな?

あなたに今夜会えるのなら

1,000マイルの道のりだって歩いて行くわ

 

 

 

[Verse 2]

It's always times like these when I think of you

And I wonder if you ever think of me

'Cause everything's so wrong, and I don't belong

Livin' in your precious memory

 

いつもそう、こんな感じで

「私のこと、考えてるのかなぁ」ってあなたのことを考えてる

全てが間違っているのよ

あなたの大切な記憶の中だけに留まっていたくないから

 

 

 

[Pre-Chorus 2]

'Cause I'll need you

And I'll miss you

And now I wonder

 

あなたがいないとダメだから

あなたが恋しくなるから

そして私はふと思う

 

 

 

[Chorus]

If I could fall into the sky

Do you think time would pass me by?

Oh, 'cause you know I'd walk a thousand miles

If I could just see you

Tonight

 

もし空へと落ちたなら

時間は過ぎていくのかな?

あなたに今夜会えるのなら

1,000マイルの道のりだって歩いて行くわ

 

 

 

[Bridge]

I, I don't wanna let you know

I, I drown in your memory

I, I don't wanna let this go

I, I don't

 

あなたに知って欲しくないの

あなたとの記憶にすがってるなんて

離したくないの

いやよ

 

 

 

 

[Verse 1 (Reprise)]

Makin' my way downtown

Walkin' fast, faces pass

And I'm homebound

 

 

ダウンタウンの帰り道

道ゆく顔が通り過ぎ

私は家路を急ぐ

 

 

 

 

Starin' blankly ahead

Just makin' my way

Makin' a way through the crowd

 

 

ぼーっと前を見ながら

ただ家路を急ぐ

人混みをかき分けながら

 

 

 

[Pre-Chorus 3]

And I still need you

I still miss you

And now I wonder

 

あなたがまだ必要なの

あなたがまだ恋しいの

そして私はふと思う

 

 

 

[Chorus]

If I could fall into the sky

Do you think time would pass us by?

'Cause you know I'd walk a thousand miles

If I could just see you

 

もし大空へと落ちたなら

時間は私達を置いて行ってくれるのかな?

あなたに会えるのなら

1,000マイルの道のりだって歩いて行くわ

 

 

 

If I could fall into the sky

Do you think time would pass me by?

'Cause you know I'd walk a thousand miles

If I could just see you

If I could just hold you

Tonight

 

もし空へと落ちたなら

時間は過ぎていくのかな?

1,000マイルの道のりだって歩いて行くわ

あなたに会えるのなら

あなたを抱きしめられるのなら

今夜

 

 

 

 

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(考察)”fall into the sky(空に落ちる)”について

 

この曲のテーマは、「現実とファンタジーとの交錯」そして「自分の全てをかけて大切な人に会いに行く」です。

 

しかしながら、”fall into the sky(空に落ちる)”という単語、そのまま訳してもどうもしっくりきません。単にスーパーマンのように空へ勢いよく飛び立ち、1,000マイル移動するのであれば、”fly into the sky”でいいからです。

 

 

空に落ちる”という言葉を選んだVanessaの意図とは何か

 

 

 

緑川ゆき原作「夏目友人帳」という漫画の中で、"空に落ちる"という表現があります。

 

 

(あやかし)が見える少年と、妖の名前が綴られた「友人帳」をめぐる物語なのですが、人に取り憑いていた妖がすーっと空へ消えて行く様子を「空に落ちるように」と表現しています。

 

 

 

また、イギリスのライフスタイル雑誌「Express」の中で、アステラス製薬のロバート・ランザ博士はインタビューの中で、「死後の世界は時間の概念が無くなり、過去・現在・未来を自由に行き来出来るようになる」と答えています。

 

 

Vanessa自身も、この歌を「失恋ソング」としていますが、亡くなったおじいちゃんの事を思いながら詩を書いたと言っています。

 

つまり、歌の主人公は自ら霊体となる事で、物理的にも時間的にも自由になり、1,000マイル離れた人の所へ行けるんだと歌っているわけです。

 

また、この"fall into the sky"という現実にはありえない単語を使う事で、場面が現実からファンタジーへ切り替わる役目も果たしています。

 

簡単な言葉を使っているようで、そこには実は深い意味がある。名曲ならではの言葉遊びでした。