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多重人格者が出来るまで

解離性同一性障害の記録を残すブログです。

【自称:多重人格者】


それがあまりにも腹立たしくて、我慢ならなくて…つい怒りのリプをしてしまった。

その人は真面目な人らしく、このblogを読んでくれて反省してくれたけども。

…正直、大人気なかったと思ってる。スマン。
だけど、解ってくれてありがとう。




【自称:多重人格者】


世の中には映画・ドラマ・アニメ・小説・漫画などの媒介を通して容易にDIDを知ることが出来る。

そしてそれらのDID患者は特殊能力を持っていたり、容姿端麗だったり、頭脳明晰だったり、カリスマ性があったりして周囲から羨望の眼差しで見られている【人気者】だったりする。

だからこそ自称多重人格者が出てくるのだろうが…本当に目障り。


そもそも人や状況によって自然と己の性格が代わることはペルソナというんだ。

瞬時に自分の役割を判断して無意識に適した人格を演じているだけだ。

それは人間の生まれ持った能力のひとつ。

解らなかったらググれks。



故にペルソナ=DIDではなく、
ペルソナ≠DIDなのだ。


大体、本物のDID患者は周囲の人間に知れ渡る程、他人格を晒したりはしない。
そんな身を滅ぼすような愚行はしない。


どうせ自称の輩は常に記憶も行動もしっかりしてるんでしょ?

※だだし精神科に通院して常備薬ある人は例外。


アタシらは己の意志なんて働かないし、記憶なんて当然のようにない。

それがどういう事か解る?


大切な人が昔話をしてくれても一緒に居たのが他人格なら、話を聞いても写真を見ても全く思い出せないんだ。

一緒に過ごした大切な思い出が他人のもんなんだよ。


高校ん時に出来た仲間も友達も気付けば誰もいなくて独り。

夢も人も時間も綺麗に消えてしまった。

どんなに願っても戻らないんだよ。

冗談でも“その悲惨な過去を含めて憧れる”なんて言うな。

DIDになりたい奴らなんて全員傲慢だ。


だったら代わってくれよ?

お願いだから“普通の生活”くれよ。













アタシは一生の思い出になる筈の卒業式でさえ、記憶にない。

いつ卒業したのか、どんな最後だったのか知らぬままに気付けば分厚い二重扉で管理されてる閉鎖病棟にいてさ。

空を見たくても窓には鉄格子が付けられてて篭の中のモルモットみたいで。

もうどうでも良かった。

先の事なんて判らないし、自分が行動せずとも“いつか死ぬだろう”って。

…だけど、そんなアタシにも似たような仲間が出来て閉鎖病棟生活も案外楽しかったんだ。

煙草吸わないのに皆と居たくて喫煙室に入り浸って色んな事話した。

“散歩”と称して扉を突破した後に皆と合流してから病院抜け出して、よくファミレス行ったりした。

病院食だけじゃ足りないから、いつも病院食の後にカップ麺を食べるアタシをいつも皆は笑ってた。

毎週面会に来てくれるアタシの彼との事をよく冷やかされたっけ。

…だけどね?

皆アタシだけを残して逝っちゃったんだよ。

仲間も彼も。

病死だったり自殺だったり色々だけど…消えてしまった。


最初は受け入れられなくて、寂しくて悲しくて何度も後を追おうとした。

でもいつも助かってしまって、悔しかった。



――自称の奴らに問う。
それでもDIDになりたいって言えるのか…?


















私が死に切れずに目を覚ます度に彼が泣きながら私の手を握り締めて『お前は生きなきゃ駄目だ。生きて幸せにならなきゃ駄目だ。』って言ってくれた事を思い出した。

皆が言ってくれた『お前だけは、ずっと変わらないで欲しい。』という言葉を思い出した。


――だからアタシは生きるよ。

もう自ら死のうなんて考えない。

生きて幸せになる。

皆が望んだものを代わりに叶えてみせる。





そしていつの日かそっちに逝ったら…そんなアタシを褒めてくれよな。
私には色んな人格があって、それぞれが上位人格だと思ってる。

でももっと上位人格がいるのもわかっていて。

馬鹿じゃないの。

記憶が戻らない事も何もかも諦めてまた逃げちゃえばいいのにね。
もう薬漬けにされたくない。

だから精神科になんて行かない。

もう閉鎖病棟に閉じ込められなくない。

だから精神科になんて行かない。


もう仲間が次々に自殺していくのなんて堪えられない。

だから精神科になんて行かない。



私を含む精神異常者は国が監視した方が良いと思うよ。


何かを起こす前に。
前回は震災直後に予約を入れていたので延期してもらった。

なので明日は一ヶ月振り位かな。

そして前回先生に言われた「時間がないから皆(人格同士)で話し合っておくように。」は実行できてない。

誰も何も反応しない。
うんともすんとも言わない。


だって何だか、考えることが怖くてたまらないもの。

何が怖いのか判らないけれど見えない恐怖におののいてしまう。


行きたくない行きたくない、でも行かなきゃ駄目。


苦しい、怖い、判らない。

でも堪えなきゃいけない。未来のために。


ある日のカウンセリングで先生と話してると、小さな男の子が泣いているのが判ったんだよ。



その子を見つけた瞬間、胸が張り裂けそうに苦しかったんだ。悲しかったんだ。


涙が溢れて止まらなくなった。



『君はダレ?』



うずくまって泣いてるだけじゃ何も判らないよ。教えて?共有させて?



・・・私が君を守るから。