自分自身を大きく見せる方法は人それぞれ。

ブランド品を全身に身につける、髪型を派手に、

悪ぶってみたり、コスプレしてみたり。


毎日の仕事で利用する某駅。

決して治安が良いとは言えない、繁華街も栄えており外国人も多く住んでいる地域。


ヤンチャな若者や風変わりなご老人なんかも多く、トラブルも絶えないがだいぶ見慣れた風景でもある。


ある日の朝の出社時のこと、いつものように改札を出て出口に向かっていたとき。

私の前を少年が歩いていた、見た目はそこそこ派手でヤンチャそうな雰囲気が出ていた。


少しガニ股で歩き、肩を揺らしながら歩いていた。

朝から元気だなーと思いながらもその男の子と方向が同じのためしばらく後ろを着いて行った。

そんなとき、ふと少年の手元に視線を向けた。


手に持っていたのはパン。多分あんぱん。

それもパン屋で購入したときにしか見ない個包装のビニール袋に入ったタイプのパンを持っていた。


決して珍しいことじゃあないが、それを持っている人との違和感。


偏見だが、

「こんな人パン屋いくんだ。」

「あんぱん食べるんだ。」

「てか、スッと歩けよ。夜ならまだしも朝だぜ。」


そんななかで、やっぱり気になる違和感。

なんでスッと歩かないのか?君が主役になれるのは日が落ちてからじゃあないのか?

手に持つ袋の中ではあんぱんが揺れまくっているし。


そうか、もしかして手に持っているあんぱんが恥ずかしくなったのか。

こんな俺があんぱんなんか持ち歩いてるのはダサいから視線を散らすためにガニ股肩揺らし歩きしているのか。


それなら残念だったな、少年よ。

私がしっかりlookingしているぞ。


そんな少年の影響か、お昼はコンビニであんぱんを買ってしまった。