昨日は、二ヶ月半ぶりに山へ登ったが、筋肉痛にもならず、さして疲労も残らなかった。

夏に登りまくった筋力貯金（？）が、まだ有効なのだろうか。

けれどもやっぱりスピードは大幅に落ちていたと感じる。

しかし毎日のヨガ（みたいなストレッチ）よりも、たった一日の登山の威力はすごい。

柔軟性が上がり、寝付きが良く、目覚めがスッキリとしている。

あれは、天然のアスレチックジムだ。

というか、そもそもアスレチックジムが、文明化した（特に都市部の）生活を営むことにより退化した人間の肉体機能を取り戻すためのものであるのだから、その呼び方自体、おかしいのだが。

雪が積もった山の怖さは、クマに出会う心配が少なくなった代わりに突然吹雪いて前が見えなくなるとか、寒さのあまり疲れても休み続けることができないとか、登山道がなくなるから迷いやすくなるということだ。

山に登り始める前は、いつもみーちゃんとため息をついて、こんなふうに言い合う。

やっぱり私、登山好きじゃないわ。

すんごい疲れるし、歩き過ぎたら足痛くなるし、転んで顔にキズつくるし、熊怖いし、なんで、また登るんだろ。

前半は文句をぶつぶつ言いながら登る。しかし、中腹を過ぎると、もうそんな愚痴さえ思いつかなくなるほどただ前に進むだけにしか意識が行かなくなる。

これはもはや、宗教だと思う。

戻る選択肢など、よほどのことがない限り（天候の悪化、自分や同行者の怪我や回復不可能寸前の疲労による棄権など）、考えつかない。

もう始めたからには、頂上に行かなくてはならない。と思う。

もはや、自分に対する脅迫である。

呼吸を意識し、なるべく膝や腿負担がかからない登り方を模索する。

それ以外のことが考えられなくなる状態は、脳を肉体を安全に運び、この命を生かすことだけに集中させる。

そのときの臨場感の高さと言ったら！

登山は麻薬である。

一回ハマると、やめられない。

しかも登れるようになると、もっと難易度の高い山へ行きたくなる。

なので遭難した人の体験談を読んだり、動画を見て、おまえは根っからのビビりなんだから、エベレストとか劔岳とか行きたくなりませんように。と、自分に言い聞かせる。

山は怖い。怖いことが、ワクワクさせる。

しかしそこにワクワクする自分が本当は一番、怖い。

⤴︎ビビり代表、ぴー様𓅫⸒⸒

山は好きではない