経営者はマキャベリの『君主論』を念頭に入れよ | 経営者お役立ち情報 『晴れblo☆』

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ハレブロは、公認会計士の川崎がお送りするブログです。基本的に経営者・管理者にとって役立つであろう情報を選択して提供してまいりますが、たまにはプライベートなどを踏まえ、ウケも狙っていきたいです。

マキャベリが書いた『君主論』の一節には、「側近にどのような人を選ぶかは、君主としての能力を計る格好の材料になる」というくだりがあります。


有能かつ誠実な側近を選んだ君主は賢明な人と言えますが、その反対のケースとなると、君主は力量を疑われるということです。


その理由をマキャベリはこう書いています。


「なぜなら、側近の選択という最も初歩的なことにおいて、誤りを犯したことになるからである」


企業オーナーにも同じ理屈が当てはまるでしょうか。

つまり、側近や後継者選びに失敗したオーナーはリーダーとしての能力を疑われるということです。


私見ですが、これはそのまま企業にもあてはまり、良い会社には内部、外部に優秀な側近(ブレイン)が存在し、オーナーに適時に助言・勧告をしています。


なので、まずは基本中の基本。優秀な人間を側近として登用して下さい。


たまに、側近がやたらとアグレッシブで会社の金を使い新規事業をどんどん行って、会社が傾くなんてケースが見られます。オーナーは新規事業は側近任せで毎月赤字。気付いたら資金が回らず倒産の選択をするしかなかった。。。そんなことが僕の周りだけでも数ケースあります。


あくまで側近は側近としてのポジションがありますので、それを超えてこようとする人間には注意が必要かもしれません。


ただ、問題は優秀な側近の登用ということのみならず、オーナーが素直さと謙虚さをもってそれら助言聞きいれるか、という点にもあります。


もちろん、企業経営にはオーナーが側近の意見も無視して突っ走らなければならない場面があります。これが当たるとイノベーションが起こり、企業がグッと成長します。


しかし、大方のケースではオーナーの独断で企業が傾きます。そうなると、世間の批評は「オーナーが独裁者だから会社がダメになった」とか一斉にオーナーバッシングになります。


優秀な側近がいるかいないかが問題でなく、側近の言うことを聞くか聞かないかも、重要ポイント。


周りの言うことを振り切り、独断で突っ走った結果として成功するケースはほとんどないので、とことん側近の方と話し合って、説得的にモノゴトを進めていくことをお勧めします。


また、優秀な側近がみーんなYesマンになることがあると思います。そうなったらある意味危険信号。オーナーにビビっているのです。


つまり、オーナー自身が知らずのうちに圧力で側近にYesというように仕立ててしまった可能性もあります。


オーナーが謙虚に、常に側近の言うことは批判的内容でも受け入れるように心持を保っておきましょう。優秀な側近を抱えることはもちろんのこと、それらの側近がきちんと意見を言える環境を持ち、それを聞く体制が重要だと言えます。


意外とオーナーの皆さん、できてませんからねぇ。


「俺の周りはYesマンはいらない!」


なんて言っていても、


「俺が言ってることだけやればいいんだ!文句いうやつはいらない!」


とか、都合の悪い時には独裁節が話のところどころに出ていたり。。。



まぁ、実際はとっても孤独な戦いを強いられているのでしょうから、そういうのもたまには仕方ないですけどね。


ただ、長い目で見てオーナーにとって良いことは、企業の成長と経営の安定なはずですので、側近の協力は欠かせません。良い人間関係を構築し、優秀な側近が離れないように謙虚に取り組んでいただければと思います。


ではまた!