• 名前       ヒトカゲ(C){炎}
  • 収録パック    サン&ムーンシリーズ 拡張パック「タッグボルト」 
  • 購入価格     80円
  • イラストレーター にしだあつこ


今回はにしだあつこ氏の描かれたヒトカゲのポケモンカードを鑑賞します。
にしだあつこ氏はピカチュウをデザインしたことで有名で、ポケモン人気を支えた超有能イラストレーターさんです。

イラストの世界観

まず、ヒトカゲとはどんなポケモンか、ポケモン図鑑の説明をまとめると以下になります

 

  • 尻尾の先端が燃えている


ヒトカゲは最も有名なポケモンの1つであり、説明するまでもないかもしれません。

このイラストでは、夕陽に照らされて、希望に満ちた顔でそれを見上げているヒトカゲが描かれています。
火のポケモンに相応しい可愛らしいイラストと言えます。

イラストの構図

夕陽を見上げるヒトカゲという構図ですが、現実ではありえないおかしな点があります。
夕陽と見上げているヒトカゲの正面顔が両方とも描かれています。
これではヒトカゲは夕陽に背を向けて上を向いているだけになります
ですが、私達はこれを、「ヒトカゲが夕陽を見上げている」と解釈して見ることができます。

このイラストは、2つの視点、夕陽を見る視点とヒトカゲの正面顔を見る視点の両方を、同時に1つの画面の中に納めているわけです。
このように複数の視点からの構図を1枚の絵の中に入れる手法をキュビズムと言います

大地が斜めになっているのは、不安定感や躍動感を狙ったものではなく、狭い画面に夕陽を納めるためにそうしたのでしょう。
斜めの視点を平然と水平な画面の中に張り付ける、視点の自由度の高さがまさにキュビズムだと思いました

そういえば、以前にキュビズムの手法が、マンガやアニメにも活用されているというツイッターの呟きがバズっていたことがあります

 

 

https://livedoor.blogimg.jp/copipe_hozondojo/imgs/f/9/f9485b10.jpg


ポケモンカードのイラストにも、このようにキュビズムが応用されているのは面白いものです

イラストの配色

ヒトカゲの肌の色と背景の夕陽が同系色になっています。
多くのポケモンカードでは、ポケモンを引き立たせる為に、背景は反対色を使うことが多いですが、ここではヒトカゲが夕陽を受けている雰囲気を出す為に同系色でまとめているのでしょう
(ヒトカゲの肌色が茜色なので、他に配色のしようがなかったという理由もあるとは思いますが)