目を向けるべきはそっちではない、「ザ・ハリケーン」(1999年、アメリカ) | Nighthawks

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本や映画の感想を書く。忘れてしまうから。

デンゼル・ワシントン主演で描く、実在した黒人ボクサーの人間ドラマ。
黒人であることと、その強さゆえに、不当に刑務所に入れられた男が、釈放を勝ち取るまで。

最初ボクサー映画だと思っていたが、ちがった。
カナダにいる黒人少年と文通を始めたところから始まる、友情ドラマだ。

長く不当な刑を受けてきた黒人ボクサーの心情が、丁寧に描かれているのは良い。
が、なんかちょっと違和感。

最後に釈放を勝ち取っても、ハッピーではないはずだが、ハッピーな感じで描いてしまっている。
「ヤッター」みたいな。でも、そんな心境だったのだろうか。どうなんだろう。

自叙伝が原作だそうなのでしょうがないけど、もっと白人社会に対する批判があってもよかったと思う。
最悪な事態を免れた黒人よりも、不当な扱いをした白人にもっと目を向けるべきだ。
暗部から目をそらし、映画の主題を、短絡的な歓びにすりかえてしまっているのではないか・・・。

と、思った。そのため、キレのない映画になっている。
ま、へんな作品よりは楽しめるけど。

ザ・ハリケーン
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