その男性は私用でバスに乗り出掛けた
最寄の停留所を降りると一人のおばあさんに目がいった
キョロキョロ ウロウロ
おばあさんを尻目に通り過ぎた
が
戻った
何かお困りですか?
するとおばあさん
知人の御見舞に病院へ行きたいけど道がわからなくて困ってるらしい
そこから15分程の所にあるようだ
その男性は
僕が一緒に行きますよ
と
おばあさん
ありがたいと喜んで病院迄の道を二人でおしゃべりしながら歩いた
病院へ送り届け
おばあさんに沢山のお礼を言われ
それではと後にする
暫く歩いて その男性はフと思った
あれ?
俺が此処まで連れてきてあげたって事は帰りは一人だよな
道覚えてないよな わからないんじゃないか
そう思った男性は来た道を引き返した
大きな病院の入り口付近の椅子に座った
30〜40分程過ぎただろうか
おばあさんが向こうから歩いてくる
男性は駆け寄り
道覚えてないだろうと思って待ってました
僕がバス停迄送ります
おばあさん それはそれはビックリ
またまた二人で歩き出す
するとおばあさん
お腹空いたわね と
見知らぬおばあさんと2人
近くのうどん屋さんに入ったそうな
2人でおうどんを美味しく頂いたそうな
お店を出て
おばあさんをバス停迄送り届け任務完了
自分の用事をしに又 歩き出す
これは
お兄ちゃん(長男)の幼馴染のお話である
お兄曰く
この話聞いてさ
俺 できね〜わ って思ったさ
送る迄はそりゃできるよ
でもその後 待ってようと思うか?
そこ迄考えるか?
お腹空いたって言われて見知らぬ人と店入って食事する勇気あるか?
凄くね?やっぱ◯◯(幼馴染)は違うわ
昔から◯◯(幼馴染)は本当スゲー良い奴 こんな良い奴 稀だよなと思ってたけど
あいつはやっぱ別モンだわ
聖人だと思ったね
と
私も話を聞いて
◯◯は昔から優しい子だよね
そのまま育ってくれたのが嬉しいわ
流石◯◯だね
とお兄ちゃんと盛り上がりました
近年
優しさとは?
思いやりとは?
世間の冷酷さを嘆く事が多かったけど
それでも
まだまだ捨てたもんじゃないやん
そう思わせてくれる
心がホッコリする
素敵な幼馴染のお話しでした