コツコツコツ。
聞き慣れた足音。
なじんだテンポ。
振り返らなくても理解できる。

ああ、キミが来たんだ。
上と下と、その間にとどまって。
ゆっくりと、ゆっくりと落ちていく。
目を閉じて、あけてみると上にあったものが下になっている。

おこっていたと思って、黙ってた。
違った?
目を閉じて、あけてみて変わってると期待した。

なにも、変わらなかった。
こぼれ落ちた。
ちょっと引っかかっただけなのに。
それでもかんたんに。

もう取り返しがつかないんだ。
水がもとに戻らないように。