スピッツ『未来未来』。17枚目のアルバム、昨年発表された『ひみつスタジオ』収録曲です。スピッツは韻を踏んだ曲が多いとロック大陸漫遊記でマサムネさんが言ってましたが、この『未来未来』も韻の要素が強い曲です。
安全に気配って 慎重にふるまって♪
からはじまる『未来未来』。ちょっとデンジャラスな匂いもいたします。他に類する歌詞で
殺されないでね ちゃんと隠れてよ♪
『死にもの狂いのカゲロウを見ていた』花鳥風月+収録。
今は撃たないで♪
『夜を駆ける』三日月ロック収録。
等があります。
君が危険ということなのか、マサムネさんもなのか。ロク漫で電車に乗る時にはホームの白線よりずっと奥の方に立って待ってるとマサムネさんは言ってました。ひみつスタジオ発表の時のインタビューにもこれを世に出すまで死ねねえなと思ったとも言ってた気がします。ただの比喩なのかもしれませんが。
また同じくひみつスタジオ収録の『めぐりめぐって』では
世界中のみんなをがっかりさせるためにずっとがんばってきた♪
とも歌ってます。
そーんなに有名人orデンジャラスな君なんでしょうか。歌い出しにもってくる歌詞にしては、デンジャラスかつ強烈な印象をもっているような気がいたします。
『未来未来』。韻を踏む歌詞で構成されてるので、マサムネ節も強く出ていて更に意味合いの理解が難しくなってる印象です。
新しい名前をすぐください♪
ここの部分はSNSのアカウントを君がたくさん作ってるということでしょうか。そう考えてみると時代に即した歌詞なのかも。
広がるよ 未来未来
意志で切り開いてみたい 時代時代
溶けた愛が流れ始めて 未来未来
誰も受け止められない 君以外
こじ開けて 未来未来
今だけで余裕などない 嫌い嫌い
お願いだからそばにいて 未来未来
誰も想像できない 君以外
未来は泣いてんのか 未来は笑ってんのか
影響与えようよ 殻の外で
時代というワードのためか奥行き、広がりがここで出てます。
誰も想像できない 君以外♪
そこまで思い詰めるほどの強い想いなのでしょうね。
こじ開けて 未来未来♪
動かなかった現実。そこを変えていきたいという意志を感じます。それとも何か変化の兆しが見えるということなのか。どちらにしても転換期であることには間違いないと思います。
割と『ひみつスタジオ』というアルバムは多幸感を感じさせるのですが、この『未来未来』はその中でもマイナスワード多め。さらに言えばそこから読み取れるのは現状を変えていきたい、更には時代を切り開いていきたいというマサムネさんの意志を感じます。
君への想いがその一旦を担っているような気もいたします。
それを象徴するように
影響与えようよ 殻の外で♪
でラストを締めています。
マサムネさんの中では、君、がそれだけ大きな存在と言うことなのでしょうね。
君を買っている印象が強いこの『未来未来』。マイナスワードを散りばめつつも、未来への希望を歌ってるのだと思います。ただ過去スピッツの何も持たない弱さしかない君、からは大きく外れた印象を持ちます。
時代が変わってきたのか、君が変わってきたのか。
歌うテーマは変わらないと過去インタビューで言ってたマサムネさん。果たしてここまで変化してきた君はマサムネさんの思いを現実化できるのでしょうか。ただひとつ言えるのはマサムネさんの女性の見方は確実に変わってきていると思います。
未来は泣いてんのか 未来は笑ってんのか
影響与えようよ 殻の外で
未来未来。
未来は僕らの手の中、となるのか否か。