「ラスト サムライ」The last Samurai (2003年)から
映画の終わりごろ、オールグレン大尉(トム・クルーズ)が明治天皇(中村七之助)に謁見し、明治政府軍との戦いで戦死した反乱士族の領袖・勝元(渡辺謙)の遺刀と遺言を伝えます。
天皇は “Tell me how he died.” (勝元の死に様を教えてくれ)と言います。大尉は“ I will tell you how he lived.” (勝元の生き様をお話しします)と答えます。


ストーリーを少し紹介します。南北戦争の英雄、オールグレン大尉(トム・クルーズ)は、戦いの中で多くの先住民(ネイティブアメリカン)を殺害したことに対する良心の呵責から酒びたりの生活、そこに舞い込んだ明治政府軍の指南役の話に乗って日本にやってきます。
訓練未熟の政府軍は弓と刀で武装した反乱士族との戦いで負け、オールグレンは負傷し、反乱士族の捕虜となります。捕虜の身ながら士族の村で傷の治療を受けた大尉は反乱軍の領袖・勝元盛次(渡辺謙)や侍大将(真田広之)らの生活と精神に次第に心を惹かれれようになります。
途中は省略しますが、大尉は一旦は政府軍に戻りますが、その後反乱軍の仲間に入ります。反乱軍は回転式機関銃(ガトリング銃)を装備した政府軍に、弓と刀だけで最後の決戦を挑みます。
ただ一人生き残った大尉は、若き明治天皇に謁見し、勝元の遺刀と最後の言葉を伝えます。以前に勝元の進言を心ならずも受け入れなかった明治天皇は、奸臣を退け自らのとるべき道に気が付きます。

“Tell me how he died.”は直訳すれば「彼はどんな風に死んだのか」「死んだときの様子を教えてくれ」でしょう。
“I will tell you how he lived.” 彼がどのように生きてきたかをお話しします」と言う意味です。
映画では、それぞれ「死に様」「生き様」と訳しています。ラストサムライにぴったりの訳です。ラストサムライとは侍としての名誉と誇りを守ろうとした勝元のことでした。
不思議なことに勝元(渡辺謙)も明治天皇(中村七之助)も英語を話します。でも違和感はなかったですよ。亡き勝元の生き様を通じて大尉と明治天皇の心がつながった瞬間でした。