僕らは、待っていたんだ、と気づいた。



photo:01



こんなスリリングなゲーム展開を。

3点取られたならば、4点取ればいいのさ、という明るさを(笑)

そんなオバカな無邪気さを




そしてその先に・・・はっきりとした根拠はわからないけれど

なんとなく感じる可能性を




それでこそ「前へ」


おれたちはフロンターレなんだ、と




今夜、4-3で逃げ切った試合の後、思った。




サポーターは、それぞれに思った。

一面は、ほっとしていた。


これでもう、振り向くことはない、と。




前監督、相馬直樹の下では、きっと、

今も「降格争い」といったしごく現実的なことに悩まされていたはずだから




結果論かもしないけれど

相馬直樹の目指したフットボールがそうさせた、と今は思う。




彼だけが悪いわけではない。

確かに結果としては解任だけど




彼が目指したものは、選手にはフィットしなかった。

これが結論なのだ。




そして敗戦を続けていくうちに、そういった方向性だけでなく

もっと細かな、次々と違う理由が顕在化していったのだ




こうなるともはや彼の元では戦えなくっていた。

みんなつらかった。


相馬直樹自身は当然として

クラブスタッフ、サポータ。


みんな。




そして迎えた風間新監督。


もちろん期待はしていた。


だけど、信じきるには、この5年間、川崎フロンターレはあまりにも

ぼくらサポータを裏切りすぎていたのも事実だ。




リーグ2位

ナビスコカップ準優勝




特にこのナビスコカップは決勝戦は国立競技場で行われ、

その日、行われるサッカーの試合はこの試合だけ、という

名誉な舞台である。




僕らサポータもいま思えばスタンドで舞い上がった。

初回も。

そして2回目も。




際立って輝く舞台だったからこそ

負けた僕らの受けたダメージは今も残る




そんな僕らをもう一度信じさせることが

あのチームにできるんだろうか


「強豪」と言われて久しいけれど、実は何も手にしていないのだ


それが川崎フロンターレだった。




そうした閉塞感の中で

昨年はリーグ8連敗を喫するなど、一時はJ2降格圏にまで落ち込む始末。




そして気づいた。

ほんとうに




俺たちはただ、タイトルが取れればよかったんだろうか


いや




その過程の中で




あの楽しさ

あの前に向かう気持ち

一体感




弱いものが強いものに立ち向かう豪気


強豪と称される中で、失ったもの




見えなくなっていた。




そうして迎えたこの日、ホームスタジアム等々力にジュビロ磐田を迎えて行われたJリーグ第9節。


川崎フロンターレにとっては相馬直樹を解任して新たに風間八宏を迎え臨む2戦目であった。




そして、ついに僕らは、また見つけたんだ。




J1にあがってきた頃の気持ちを


ただ前へ、強いものに立ち向かっていた日々を




相馬直樹が目指した、小難しい約束事がたくさんあるサッカーではなく

個々の能力を解き放つ、奔放なサッカーを




例えば、風間監督の緒戦。サンフレッチェ戦。


確かに1-4と惨敗した。


だけどフロンターレがもぎ取った1点は、相馬監督時代にずっと控えで不遇を囲った

生え抜きで元キャプテン、伊藤宏樹がゴール前まで走りこんでぶち込んだのだ。




もちろん想像でしかないが、あの相馬体制では、きっと伊藤宏樹はそこまで走りこむことを許されていなかったに違いない。


相馬さんには約束事が多すぎた。

それが選手を迷わせたのだ。




風間さんの初戦。このとき、予感したんだ。

今日のこの結果を。




4得点。


こんなの久し振りじゃない(笑)




1点目は、若い大島が決めた。なんと!Jリーグ初ゴール!彼はMFであり、ゴール前に走りこむ人ではなかったはずだ。


2点目は、矢島のPK。登里が粘って獲得したものだ。(注:最後にエリア内でファールを得たのは楠神)。もともとFWに近いオリンピック代表でもある彼が、サイドバックに先発起用されるなんて、相馬体制ではあり得なかった




3点目は、これもすばらしい。左サイドバックの田中裕介。あれ?なんで右から。(笑)


相手ゴールキーパーとDFのもたついたバックパスをカッさらってぶち込んだ。

相馬体制なら、彼はこの位置に絶対に居なかったはずだ。


最後はまた、矢島。




美しすぎるゴール。僕にはそれを記す技術がないから、淡々と書く。

ビハインドのジュビロは前がかりになっていた。

その上で、俺たちのケンゴ。


若い楠神と美しすぎるパス交換を経てハーフラインにまで抜け出すと

まさに日本代表。あのスルーパス。しかもグラウンダー。


抜け出した矢島の1秒の速さ。DFを置き去りにし、このパスを受けると

ドリブル。


キーパーと一対一、冷静にキーパーをかわすようにゴール隅に流し込んだ。


この4つのゴールのどれも、相馬体制では生み出せなかったもので

もとはといえば、このハチャメチャなゴール量産は、フロンターレそのものなのだ。






あえて書かないが3失点も(笑)


ザルのような守備に、今シーズン初出場の「元キャプテン」井川がいる(笑)


笑、なのだ。本来は。


昨年はA級戦犯のようにいわれて今シーズンのベンチ入りすら1回ぐらい。


この日もハンドを取られてPKを食らう。(ちなみにこの失態はGK西部が奇跡的にクリアして救われた。ちなみにフロンターレ歴代キーパーがPkを止めたのは、あの川島永嗣ですらたった1回で、そのほかには実に記憶にない)


一対一には無類の強さをみせるものの、サッと抜かれる。そのとき手を出す(笑)

この日も一枚イエローカードを貰ってしまった。


どうしようもないのだ。


だけど、今夜はそれも笑えるのだ。




それでこそフロンターレだ、と。




実は井川は見ていて楽しい。

ほんとに、俺たちの「バカ息子」に思える。


かと思うと、今日も一回、惜しい場面があった。

コーナーキック、ゴール前、角度さえ正しければゴールできた場面があった。


この日、井川が90分フルに出場したことも、

風間新監督になって変わったことのひとつだろう。




90分フル出場といえば、あの「稲本」だ。

今日の彼は存在感バツグンだった。




彼がワンボランチとしてどれだけの危機の芽を摘んだだろう。

前半の無失点は彼の働きが大きかった。






こうしてみると、

あのとき・・・つまり4、5年前のサッカーに回帰しつつある中で

選手一人一人のポテンシャルは、当時とは比べものにならないほど

高まっている。




さ、そんな選手たちと、テレビ解説で有名な風間八宏の組み合わせ


ワクワクするなぁ。




こうした気持ちに、またもなれてるだけ、僕ら川崎フロンターレサポータは

幸せなんだな、と思う。




さ、いくよ、ここから、またひとつづつ


FOOTBALL TOGETHER


心ひとつに