去年の今頃購入して半年以上放置の後、ちびちび読み始めて今日やっと読了〜


A Manual for Cleaning Women: Selected Stories

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(邦訳) 掃除婦のための手引き書 ――ルシア・ベルリン作品集 (講談社文庫)




表紙の美女は著者ご本人。この本映画化したら本人が主役できるんじゃない?ってぐらい魅力的。


内容は、著者自身の自伝的フィクション?短編集。かなり波瀾万丈な人生を送っていらっしゃる。父親は鉱山技師。米国や南米の鉱山地を転々としていた。米国では貧しい暮らしも経験したが南米では裕福になり、現地のお嬢様学校に通いパーティざんまいの生活を送りながらも、粗野な鉱山労働者階級と入り混じったような青春時代だったようだ。この頃のエピソードが作品にたくさん盛り込まれていて、読んでる限り、かなり強烈で早熟な10代を送ってたと思われる。また、母親はアルコール依存症で、自死したのではないかと言われてるらしい。

結婚は3回したが1968年に3回目の離婚をしてから2004年に68歳で亡くなるまでは独身だった。その間に貧困生活も経験し、看護師、掃除婦、学校の教師などさまざまな職についたが、晩年はその文学的才能を評価され大学の准教授にまでなった。


そんな著者の人生経験を濃ゆ〜〜く反映させた短編の数々。日本でぬるーいオバハン生活送ってる私から見たらとにかく生きてる世界が違いすぎる。でも、自分の身に起こる全ての事を、過去の後悔も過ちも、出会いも別れも、全て受け入れて、その日その日を体当たりで生き抜いていく、そんな力強さをビシビシ感じた。間違いだらけの人生、なのになぜかかっこいいんです。


自伝なのかフィクションなのかよくわからないんだけどちょっと盛ってる自伝みたいなものなのかな。


Alice Munro 好きならハマると思う。