デジタルモンスターネクサス Episode 1 -デジタルモンスターが欲しい!-
Pray for "N" 計画 第一弾
OP
この作品は非営利のフィクションであり、実在の団体、組織、人物とは関係ありません。また、なんらかの理由で要請された場合は速やかに削除いたします。
なにをしてもうまくいかない小学二年生、「柏木タツト」には今、
その名は「デジタルモンスター」
手の平におさまるくらい小型な機械の液晶に、
は、他の「デジタルモンスター」の「
タツトは勉強はそれなりだが、
カー
レビに映るヒーローを眺めることくら
そんなタツトだが、この「デジタルモンスター」
じているのかもしれない。
その「デジタルモンスター」はおよそ2000円。しかし、
「デジタルモンスター」は人気商品のため品薄で、
そこでタツトはお小遣を渡してくれる母に交渉することにした。
「ママ…来月のお小遣を2000にしてくれない?
「なにか欲しいものでもあるの~?」
「うん…『デジタルモンスター』っていうゲームが欲しいんだ…」
「いいよ、条件つきでね。」
「!!」
「次の漢字テスト、合格点まで採れたら、
タツトにとって、この条件は嬉しいとも辛いともとれる、いや、
タツトの小学校ではテストの合格点というものが毎回、
される。
ミスが多く、
る。
しかし、ここでこの条件を否定すれば、
「わかった…次の漢字テストで合格点を採るよ!」
「うん、期待しているからね。」
タツトは自分の部屋に戻ると、早速漢字の勉強を始めた。
次の日、1時間目の授業、
「95点………!?」
この小学校における合格点は担任が感覚で、
ツトにとっての合格点はいつもと意味が違った。
「95点はちょっと高いかもしれないが、
書けるのが当たり前になる。
担任はそういって授業を開始した。
タツトは授業に全く集中できなかった。
「デジタルモンスター」を手に入れるためには95点が必要…
だ。
ケアレスミスしがちなタツトにとっては、
タツトの気持ちは沈んだ。帰り道、
で、
が強い性格もあってかクラスでは人気者である。
「元気ないな~?今日一日ずっと落ち込んでるよな?」
「落ち込んでなんか…いないよ…。」
「漢字テストの合格点だろ?
「……………うん。」
「合格点なんか気にすることないって!
ましょう』になるわけでもないし。
「…………………うん。」
「ああもうなんだよぉ!こっちだって沈んで来るぜ!
「僕今…すごく欲しいものがあるんだ………」
「え?なになに!なにが欲しいの!?」
「『デジタルモンスター』。」
「あああれか!たしかに、流行ってるよな~。
意もそっちのけで。」
「………そんなに楽しいんだ…………『デジタルモンスター』。」
「でもさ、授業中にやっちゃダメだと思わない?
「『デジタルモンスター』って生きてるの!?
「ゲームの中のモンスターの話だよ。あれモンスター、『
てんの!?」
「うん………でも話を聞いてますます欲しくなったよ………『
「……で、
「今度の漢字テストで、合格点をとったら『デジタルモンスター』
「なんだよ!
「僕、なんか『デジタルモンスター』は本当に欲しいんだ…………
「…………だったら落ち込んでる場合じゃないだろ!」
「!?」
「漢字の勉強をしろよ!全部覚えればいい話なんだからさ!
るときは、
「………………努力………………………うん!そうだね!
「おう!じゃ、明日な!頑張れよ!」
「うん、ありがとう!じゃあね!」
二人は別れ道で別々になった。タツトが歩いてると、
「なにか落ち込んだり、悩み事があったりしたら、
「…うん!!」
「じゃ、今度こそ、じゃあな!」
「ばいばい!」
ミチルは走り去っていった。
それからタツトは漢字の勉強を全力でし続けた。
は漢字の勉強をしていた。
その甲斐あってか、教科書の演習問題はほとんど正解し、
あった。ケアレスミスだ。
1ページに1回はケアレスミスをしてしまう。
本番のテストでは少しのミスが命取りになる。
ただ、タツトは思った。ケアレスミスは本番に気をつけること。
タツトはそれからもやはり漢字の勉強をし続けた。算数の宿題も、
そして迎えたテスト本番。
タツトは、たぎっていた。
テストは、簡単だった。
するとやはり、ケアレスミスをしているところを発見した。「犬」
感と共にテスト終了を迎えた。
「タツト、どうだった?」
ミチルが聞いてくる。おそらくは、
「できた!多分、満点だ!」
「やったな!これでデジモンが手に入るじゃん!」
「うん!勉強し続けた甲斐があったよ!」
タツトの言葉に、女子の間宮レナが反応した。
しており、
た雰囲気から、
少ないというか皆無に等しかった。ただ、
「柏木君、そんなに勉強したの?」
「うん!
「デジタルモンスター?」
勉強以外の事には興味がないであろうレナがデジタルモンスターを
「デジモンを育てるゲームだよ!
「…。よかったね。」
「うん。でも間宮さんはいつもテストが満点だよね?
「すごくない…。全て覚えればいいだけ。それ以上でも、
「それがすごいんじゃん!!」
ミチルが割って入ってくる。レナはそこから立ち去ろうとした。
「結果はまだわからないからね……。柏木君、
「うん、見直したつもりだけど、そこは心配だな……………。」
「頑張ったからいいじゃんか、タツト!
再びタツトが割って入る。
「…………………………結果がすべて。」
そう言い残してレナは行ってしまった。
「………。あんなんだからクラスの女子からも煙たがられるんだな~」
「え?間宮さんって嫌われてるの!?」
「いやあ嫌われてるって訳でもないけどさ、なんかやけにいう事いう事お硬いじゃん?やりにくいっつーかさー。もっと気楽に行こうぜって感じ。だからちょっと距離置かれてんだよ。ま、そんなとこも含めて惚れてしまうやつらもいるみたいだけど!」
「僕は間宮さん、嫌いじゃないけどな・・・。こんな僕にも話しかけてくれるし・・・。」
誰かが誰かを嫌う、そういう話は自分の知らないところだと平然と行われるのだろうか、そういう不安がタツトの中でよぎる。
「また出たよ『こんな僕』!それやめようぜっつってんじゃん!!ってかなに、お前も間宮に惚れてんの!?」
「そ、そんなんじゃないよ!!僕はただ、間宮さんが煙たがられるのが納得いかないだけで!」
タツトは赤面した。しかしこれはミチルの口から自分とは無縁そうな言葉が飛び出してきた事への焦りと照れ隠しからであり、自分のそういう感情は感じた事が無かったし、考えた事も無かった。
「顔が真っ赤だぞ~~~。ま、いいけどさ。タツト、今日掃除当番だろ?俺、サッカーで早く帰んなきゃならないから先帰るな!」
ミチルはほとんど毎日サッカーの練習がある。そのためミチルは一足早く帰る訳だが、タツトはいつでもそれに合わせて一緒に下校している。
「うん、じゃあね・・・」
「じゃ!!」
ミチルが颯爽と教室から飛び出して帰る。多くの女子の目がそれを追う。
ミチルも掃除当番を済まして足早に帰った。意識してみるとレナはいつも一人で下校している事に気付く。
母親と一緒に見たドラマの中の様に、誰かが誰かを好きとか、誰かが誰かを嫌いとか、そういう話は自分の知らないところで行われ始めているのだろうかと思うと、なんとも言えない違和感というか、なにかに取り残されたような感覚がタツトの中にはあった。
漢字テストという重荷が肩からおりたのに、また新しい不安要素がタツトを襲う。
しかしそういうところとは、自分は無縁でも良い気がした。少し怖いのだ。
そんな事を考えていても、いつの間にかタツトの頭の中は漢字テストの勉強でちゃんと見ていなかったヒーロー番組を見直す事でいっぱいになっていた。家の中に入り、手を洗い、うがいし、DVDレコーダーのリモコンを持つと、リビングのテーブルに見慣れない包装された直方体の何かが置かれていることに気がついた。
「それ、頑張ったタツトへのママからのプレゼント。」
「え・・・?」
タツトはおそるおそる包装をあけていく。
その中にあったのは、まぎれも無く、「デジタルモンスター」っだった。
「これ・・・」
「 ママね、最初はタツトを物で釣って悪い事をしたかなと思ったの。でも頑張るタツトを見て、すごく嬉しかった。頑張る事はね、誰かの心に響くんだよ!今回の漢字テストへのタツトの頑張りは、ママの心に響いたの!だから、凄くほしがってたゲームを買ってあげよって思ったの!結果はどうであれ、タツトが心から頑張ったのも一つの結果だし。」
「ありがとう、ママ!ありがとう!!」
タツトは嬉しかった。ずっと頑張って追いかけていた物が手に入ったのだ。早速自室に駆け込み、開封する。
他の玩具で絶縁体を抜けば起動する事を知っていたタツトは、躊躇なく絶縁体を引っこ抜いた。
ピロリロ という風な音とともに画面に移されるドットで描かれた卵の様な物体。グニュグニュと波打つそれは、タツトの鼓動のそれと一致していた。
画面を食い入るようにみていたタツト。これから自分はどんなデジタルモンスター、デジモンと出会い、育成していくのだろう、そんな期待で胸がいっぱいだった。
説明書の存在に気付き、少し読もうとしたが、色々と難しそうな事が書かれていたのであとで読もうと思った。
そして再び画面を見つめた時、ピロリロという様な音とともにドットの卵を突き抜けて何かが出てきた。
これが、タツトとデジモンとの、最初の出会いだった。
