Project Gutenbergを利用して読書をいたしました。
Project Gutenbergは著作権切れの文学作品を無料で読むことができるサイトです。
謂わば海外版の青空文庫みたいな感じです。
青空文庫さんほどの頻度ではありませんが、私はProject Gutenbergさんもよく利用させてもらってますので。
読んだものの記録を、青空文庫の時と同じようにブログに残しておくことにしようかと思います。
特に最近はオズシリーズを読むのにハマってるので、そのあらすじなどの記録を書いておこうと思います。
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『OZMA of OZ』
By L. FRANK BAUM
オズブックスの3冊目です。
今回は2冊目の主人公のオズマから代わって、1冊目の主人公のドロシーがまた主人公になります。
***
オーストラリアの親戚の元へ向かうヘンリーおじさんに付き添って、ドロシーはカンザスから船に乗っていました。
ある日嵐がやってきて、ドロシーはデッキに置いてあった鶏小屋と共に突風に飛ばされて、海に投げ込まれてしまいます。
幸いなことに鶏小屋が筏がわりになりドロシーが溺れることはありませんでしたが、そのまま海を漂流することになってしまいます。
鶏小屋には一匹の黄色い雌鳥ビリーナが残されていました。
そのビリーナが人間の言葉を喋り出したことで、ドロシーは自分が文明社会ではなく、オズの国のような御伽の国の領域にいるのだと気付きます。
ドロシーとビリーナはやがて浜辺に打ち上げられます。
ビリーナは砂浜で虫を啄んでいた時、砂の中から古い鍵を見つけ出しました。
ドロシーはランチボックスやディナーペイルの実がなる不思議な木を見つけて、お腹を満たすことができました。
その後、ドロシーとビリーナは恐ろしげなホイーラーという手足の先に車輪が付いている種族に追いかけられ、逃げ延びた丘の上に岩そっくりな扉を見つけだします。
ビリーナが浜辺でひろった鍵を使ってドロシーが扉を開けると、中にはスミスアンドティンカー社製の銅製のオートマタの男の人がいました。
ドロシーがネジを巻いてあげるとオートマタは動き出します。
彼の名前はチクタクといいました。
チクタクの話によると、ドロシー達が今いる場所はイヴの国という御伽の国の一つで、そこはオズの国とは死の砂漠を挟んで隣同士の位置にあるのでした。
イヴの国にはかつて残酷な王様がいて、彼は長い寿命と引き換えに自分の奥さんと子供達を地下の国の王であるノーム王ロックァートに売り渡してしまい、しかしその後そのことを後悔して海に身を投げてしまったそうです。
チクタクの活躍でホイーラー達をやっつけて、ドロシー達一行はイヴの国の王宮に向かいました。
王宮にはラングワイダーという先の王の姪がいましたが、彼女は政治に興味がなく、たくさん持っている可愛い首をとっかえひっかえすげ替えては自分の姿を鏡に写して見惚れてばかりいる女性でした。
ラングワイダーはドロシーの顔を気に入って、彼女の持っている別の首とドロシーの首を交換するようにせまりました。
それを断ったドロシーはお城の塔に幽閉されてしまいます。
チクタクもタイミング悪くネジが切れてしまい、動きが止まってしまいました。
ドロシーが塔からオズの国方面に続く死の砂漠を眺めていると、魔法のカーペットに乗ってオズの国の一団がこちらへ向かってくるのが見えました。
ドロシーがかつて一緒に冒険した臆病ライオン、カカシ、ブリキの木こりもいます。
その他オズの君主オズマ姫や、ソーホース、それから今回初登場の腹ペコタイガーに、兵隊が一人しかいなくて残りは指揮官だらけのユニークなオズの軍隊もやってきました。
オズマ姫達はノーム王に囚われているイヴの国の女王様と子供達を助けるために死の砂漠を渡ってやってきたのでした。
ラングワイダーはオズマ姫達の目的を聞くと、彼女達を歓迎しました。
ラングワイダーは政治なんてやりたくなくて、一日中自分の顔を眺めて暮らしたかったので、心からイヴ国の女王様達に戻ってきて欲しいと願っていたのです。
ドロシーは解放されてオズマ姫一行に加わります。
チクタクとビリーナも一緒です。
深い谷を渡ったり、巨大なハンマーを振り下ろす危険な巨人の足元をくぐり抜けたり、いくつかの冒険の末にオズマ姫一行はノーム王の城にたどり着きます。
ノーム王はオズマに提案します。
イヴの女王とその子供達は魔法でオブジェに変えられてノーム王の城に飾られています、それを見つけ出すことができたら解放しても良いと。
試みは一人ずつ行われ、チャンスは囚われた人達の人数と同じ回数あり、これだと推測したオブジェに手を触れてイヴ!と叫び、もしも推測が正しければ魔法が解けてイヴの王室の人たちは解放されます。
間違えたら、そのままです。
しかも、もしも一人も当たらず全部間違えてしまったら、今度はその挑戦者自身が魔法でオブジェに変えられて、ノーム王の虜になってしまうのです。
オズマ姫はノーム王の挑戦をうけました。
しかしすぐにそれは無謀なことだったとわかります。
ノーム王の城は広くオブジェは無数にあり、その中からヒントもなしでイヴの人々を選び出すのはほぼ不可能だったからです。
オズマ姫たちは次々に失敗してオブジェに変えられていきます。
ドロシーとカカシとチクタク、それからビリーナと臆病ライオンとはらぺこタイガーを除いて皆がオブジェに変えられたところで、時刻は真夜中になっていたので一旦皆寝室に下がって、残りは次の日に行うことになりました。
しかしビリーナは皆に気づかれないうちにノーム王の王座の下に潜り込んで先に眠ってしまっていたので、ドロシー達が寝室に下がってからもその部屋に残って、ノーム王と召使い頭の秘密の会話をこっそり聞いてしまいます。
いわく、イヴの国の人々は紫色のオブジェに、オズの国の人々は緑色のオブジェに変えられている。
そしてチクタクは金色のオブジェにするつもりだと。
次の日の朝、ビリーナが部屋で卵を産むと、ノーム王はひどく怯えます。
卵は地下の国の住民達にとっては猛毒なのです。
ビリーナはノーム王をおどし、卵を片付ける代わりに、人間ではない雌鳥の自分もオブジェ探しのチャレンジに参加させてもらえることになりました。
ドロシーがオブジェ探しに挑戦すると、たまたま彼女はうまく一人のイヴの王子を見つけ出すことができました。
これでドロシーはオブジェに変えられずに済みました。
次にビリーナが挑戦すると、彼女は秘密を知っているので、次々にイヴの人達とオズの人達を救い出します。
しかしただ一人ブリキの木こりだけは、どこにいるのかわかりません。
ノーム王は怒り狂ってドロシー達を捕まえようとしますが、カカシが卵を投げてノーム王を怯ませた隙にビリーナはドロシーに指示してノーム王の魔法のベルトを奪わせ、ノーム王の魔法の力を無くしてしまいました。
オズマ姫は完全な勝利をてにいれましたが、ただ一つ、どうしてもブリキの木こりを見つけ出すことだけができませんでした。
魔法をかけた当の本人のノーム王すら、どうしてかブリキの木こりを見つけ出すことができなかったのです。
皆はイヴの国に戻りました。
帰り道、ドロシーが助けたイヴの国の小さな王子様は、ノーム王の城から持ってきた豚さんの形の笛をポケットから取り出します。
ビリーナは、このおもちゃこそブリキの木こりと気付き、木こりも無事に助けることができました。
イヴの国では一番年長の王子が戴冠を受けて次の王となることがきまり、オズマ姫達は歓迎を受けます。
その後オズの国の一行はドロシーたちも連れてオズにもどり、ドロシーはオズマ姫によってオズの国のプリンセスに、オズの軍隊のただ一人の兵隊さんは出世して指揮官の隊長に任命されます。
それから、ドロシーはノーム王から奪った魔法のベルトをオズマに与えて、その魔法の力でヘンリーおじさんの元に送り返してもらいました。
毎週月曜日にはオズマが魔法の絵を使ってドロシーの様子を眺めて、もしもあらかじめ取り決めておいた合図をドロシーが送ってきたら、またドロシーをオズの国に魔法で連れ戻す…という約束を交わして。
(だからこれからはドロシーは自分の意思でオズの国を訪れることができるようになったのです)
***
オズの三作目、かなり面白いです。
ストーリーとしては単純で、イヴの国に迷い込んだドロシーがオズの国の人達と一緒にノーム王をやっつけてイヴの国の人々を救う、ってだけなんですけど。
イヴの国に辿り着いてからチクタクに出会うまでのドロシーとビリーナの冒険はワクワクするし。
不気味なホイーラー達は怖いし…後で実は弱っちい奴らだと判明しますけど。
ビリーナとチクタクのキャラもいいです。
二人とも魅力的。
チクタクは機械の人間ってだけでなんかワクワクさせられます。
ビリーナはとにかくキャラが良すぎ!
オズシリーズに出てくる動物達の中ではビリーナが私は一番好きかも。
雌鳥なのに雄鶏と闘って怪我だらけになりながら勝っちゃうくらいに気がすごく強くて、頭も良くって、鋭い観察眼があって。
今回の冒険はビリーナのおかげで成功したようなものですもの。
彼女がいなかったら、みんなノーム王の城で置き物になっていつまでもそのまま…ってことになってたでしょう。
今作はタイトルは「オズのオズマ姫」ですが、主人公はドロシーです。
私は一作目のオズの魔法使いがとても好きなので、その主人公だったドロシーが主人公のお話はやっぱり嬉しいです。
オズマ姫よりもドロシー派なのです。
オズも三作目に入って、ノーム王、腹ペコタイガー、チクタク、ビリーナ、兵隊さんのオンビー・アンビーなど、また新しいキャラが増えました。
オズの国のメンバーがだんだん増えていくのも、オズシリーズを読む楽しみです。
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過去記事もどうぞー↓
オズブックスの一冊目二冊目のあらすじと感想でーす。