猫2号君の命日

今日は私の猫2号君の命日であります。

平成26年11月10日肝臓癌のため死去、享年16歳でした。

体重が全盛期には10ｋｇに近いような、大きな黒猫の男の子でしたよ。
でも、性格は至って温厚で、人間にも他の猫達にも慕われた、頼り甲斐のある優しく賢い猫君でした。

彼には得意技がありまして。
眠っている人間を、手先でちょいちょいと突いて、起こすのが上手でした。

突かれても知らんぷりして寝ていると、今度は少し爪を出して、鼻の穴に突っ込んできて…爪先は切っているのでこちらが怪我をすることはありませんが、けっこう痛かったです。

確実に起こしてくれました。

早朝、朝の5時くらいですかねぇ、ご飯を出せと、彼にはよく起こされたものです。

そして、私を起こしている猫2号君の後ろでは、猫1号3号4号が3匹で並んで待っていました。
猫族を代表して、猫2号君が私を起こしに来てくれていたわけです。

ちなみに、それでも私が頑張って無視し続けて起きないでいると。
今度は私の両親を起こしに、みんなでぞろぞろと移動して行ってましたよ。

ちょっと、徒党を組んだ愚連隊みたいな雰囲気がありました。

猫1号と猫2号は黒猫の兄妹だったのですが。
2匹の親猫達は私の友人の飼っていた猫達なので。

私は1号2号の親の代からの知り合いなわけです。
親子二代に渡る、なかなか長い付き合いでした。

…もっと長くても何の問題も無かったんですけど、早くに逝ってしまいましたよ。
いや、早くもないか…猫の平均寿命には達していますから。

1号2号、共に肝臓癌で亡くなってしまいましたが。
2匹とも、肝臓さえ悪くなければ、きっともっと長生きできたと思います。

肝臓の弱ささえ遺伝しなければ、もっと長く一緒にいられたのに…と、私はつい考えてしまうのですが。
でも、その肝臓の爆弾だって彼等の一部。
それも含めての、彼等という個だったのですから。

もしも肝臓が弱くなければ、彼等は彼等とは違った猫でしかありえません。

私が愛したのは、「まさにその」彼等です。
絶対に替えの効かない、彼等です。

少しでも彼等が彼等である要素を否定し、彼等が彼等とは違っていたらと望むことは、私が愛する者達を否定することになってしまいます。

とはいえやっぱり、「肝臓癌め！うちの猫を連れてきやがって！」という怒りは、素朴に湧き上がってきてしまいますね。

しかしながら、私の中のそんなどうでもいいような葛藤は、まさにどうでもいいことで。

今頃猫2号君は、先に逝った1号ちゃんと、後から来た3号ちゃんと、三匹仲良く、極楽浄土にて小さな可愛い仏様になっていることでしょう。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。

…でも、もしかしたら、猫1号2号3号は、私のことが大好きだったから。
今でも私の周りに居残って化け猫になって、必死で私も連れて行こうと頑張ってるのではないかしらん？とも、思ってみたりします。

残念ながら、私の立派な体重を、三匹の猫ちゃん達でどうこうすることは無理ですから。
せいぜい、私にまとわりついて、私が彼等と同じ場所に自然に逝くまで、待っててもらうしかありませんね。