今日はチェスをテーマにした本を3冊、ご紹介します。
どれも私が読んだことのあるものです。
小川洋子 著、『猫を抱いて象と泳ぐ』。
文藝春秋のハードカバーです。
今日取り上げる3冊の本の中で、これが私の一番のお勧めです。
チェスにまつわるお話を 、これでもかと大量に詰め込みつつも、文学作品として見事にまとめています。
チェスのルールを知らなくても、チェスを指したことがなくても、この静謐な寓話には誰もが惹き込まれるのではないかと、思いますよ。
主人公は成長することを拒否し、小さな身体のままでチェス人形の中に引きこもった伝説のチェスプレイヤー、リトル・アリョーヒンです。
リトル・アリョーヒンは黒と白の8×8のチェス盤の海で、『猫を抱いて象と泳ぐ』。
そして、まるで詩の様な棋譜を残すのです。
チェス人形の中にひそむ彼は、対局相手に直接対峙することはありませんが。
駒の動きを通じて相手に寄り添い、二人で白と黒の駒の織りなす美しい軌跡を紡ぎます。
本書を読むのにチェスの知識は必要ありません。
むしろ、この一冊を読めば、チェスって一体どういうものなのか、なんとなくわかると思いますし。
チェスにまつわる色んな雑学も知ることができます。
その上、物語としても、とても美しい。
この本を読んだら、影響されちゃってチェスを指してみたくなる人も多いんじゃないかと思いますよ。
そのくらい、引き込まれる物語です。
本当に本当に素敵なお話なので、誰にでも、お勧めしたいです。
みんなに読んでもらいたいなぁー。
ジーン・ウルフ、フリッツ・ライバー 他 著、『モーフィー時計の午前零時』、若島 正 編。
国書刊行会のハードカバーです。
国書刊行会さんって、面白い本をたくさん出してますよね。
かなり私好みの出版社さんです。
この本は、チェスをテーマにした短編のアンソロジーです。
チェス・プロブレム作家若島正の編集です。
小説が主ですが、ノンフィクションと、それからチェスプロブレムも一問載っています。
(ちなみにその一問だけのチェスプロブレムはロード・ダンセイニのものです。ダンセイニ卿は実はチェスの名手でもあったんですよ。)
この本は、どちらかというと、チェスを実際に指す人の方が楽しめるものだと思います。
チェスにテーマを絞ったアンソロジーなんてなかなかありませんので、ファンには貴重な一冊です。
そういえばこの本は、帯に、小川洋子と羽生善治が言葉を寄せていますよ。
そうそう、将棋の羽生善治さんは実はチェスもめちゃくちゃ強いんですよ。流石ですね。
アントニー・マン著、玉木亨 訳、『フランクを始末するには』。
創元推理文庫です。
この本は短編集です。
12の短編が収められていますが、そのうち『エディプス・コンプレックスの変種』『プレストンの戦法』の二編がチェスにまつわるものです。
特に後者の一編は、チェス指しなら、小説の結末を読んで「うむうむ」と心から頷くことと思います。
本書に収められた短編たちは、どれも奇妙な味わいを持つミステリです。
そうですね、他の作家を例とするなら、星新一とかサキとかの味に似ていると思います。
ウィットとアイロニーの効いた、ユーモア溢れる短いお話ばかりです。
中でも、本書中特に変わった一編『買いもの』は、文章ではなく買い物メモを並べていくことで、事件が起こったことを暗示させていて、面白いですよ。
チェスのお話が読みたいという人だけでなく。
普通のお話には飽きちゃった、ひねくれ者でニヒルな笑みの似合う読書家さんたちにお勧めします。
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チェス小説と言えば、有名どころとして、ツヴァイクの『チェス』とナボコフの『ディフェンス』があります。
これ、二作とも私は未読なのです。
読みたいんですけど、お小遣いが足りなくて、まだ買えていません…。
一生かかっても読みきれないほど、読みたい本はたくさんありますから、つい後回しになっちゃってなかなか購入に至らないのです。
死ぬまでには、読むことができればいいなぁ。
☆トミちゃんのダイエット奮闘記☆しつこいことは良い事だ!
今朝の体重は、
x+2.8kg
でした。
横這い中ですね。
でも、いつも履いているデニムがかなりユルユルになってます。
…ベルトを使うのが嫌いなので、ベルト無しで履いているんですけど。
気をつけないと下がりまくって、ハンケツ状態になる様になりましたよ。
てな訳で、気分がよいので、今日はオヤツに生どらを食べました。
生どら、めちゃくちゃ美味しいですね…❤︎
コーヒーにあうんだよなぁ…❤︎
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