うえお久光 著、『紫色のクオリア』を読みました。


これは電撃文庫の本、ライトノベルです。

私くらいの年代でライトノベルを読まれる方って、どのくらいいらっしゃるんでしょうか?
ライトノベルのメイン読者層は、お若い方々なんでしょうけれど。



私がライトノベルと呼ばれるものを初めて読んだのは、中学生の頃のことです。

当時、神坂一さんの『スレイヤーズ』シリーズ、水野良さんの『ロードス島戦記』、氷室冴子さんの『なんて素敵にジャパネスク』なんかにハマっていました。
まさに寝食忘れる勢いで、読みふけったものです。
学校の授業中も、机の下でコッソリ、一生懸命読みました。


大人になってからは、ライトノベルからは遠のいていたのですが、三十代になってから、また読み始めました。

ライトノベルがブームになっていましたから、ちょっと読んでみたくなって。
試しに一冊読んでみて、そのままハマってしまいました。

桜庭一樹さんや、乙一さん、小野不由美さんなんかの、ライトノベル出身の一般作家さんの作品もとても面白いですよね。


元々、私はファンタジーやSF、ミステリなんかは大好きですから、そういったジャンルをよく扱うライトノベルとは相性が良いみたいです。



この『紫色のクオリア』、ライトノベルですから、登場人物はなかなか「萌え」な、ポップな性格のキャラクターばかりです。
女の子同士でのちょっとしたイチャコラもあります、百合って言うんですよね、こういうのは。


が、ストーリーはかなり本格的なSFです。


『紫色のクオリア』は、人間がロボットに見えるという、常人とは違う視覚のクオリアを持つ女の子をめぐる物語です。

そして、その特殊なクオリアを持つ女の子を助けるために、彼女の友人=主人公が、量子力学をベースにした、多世界無限ループの中で頑張る…というのが、ちょっと荒っぽくまとめたあらすじです。

SF好きな人には、これだけですぐに内容がピンとくると思います。



この本は、高校生くらいで、物理の好きな人には、ぜひ読んでもらいたいです。
きっと、かなりワクワクするはずです。

大人の方でも、シュレディンガーの猫、波動方程式、コペンハーゲン解釈、多世界解釈…なんて言葉に、ゾクっとする方は、ぜひ。


量子力学の面白いところを、まるまる女の子達の物語に置き換えたような小説ですよ。
















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