蓄音機修復の作業が一段落したところで、やってみたことです。
これは、蓄音機のサウンドボックスの部分を電気化しようとして40年ほど前に作っていたものです。
サウンドボックスは、鉄針または竹針から雲母でできた板に振動を伝える部分です。
蓄音機はサウンドボックスの雲母の小さな振動をホーンで音響的に増幅して、音を大きく豊かにします。
この、振動板を電気的な小型スピーカーに置き換えるという発想は、かつて商品化されていました。
おそらく1980年代の『Stereo Sound』誌に紹介記事が出ていたと思います。当時は、真空管アンプ、古いスピーカー、蓄音機などを現代システムに組み込む趣味が盛んだったようで、この種のアクセサリーがときどき紹介されていました。
〇〇研究所とか、〇〇音響といった名称の、小さな会社のものだったように思います。
このときの記事はコピーを取っていましたがなくしてしまいました。
これは記事を参考にして、真似をして作ったものです。
このCDを聴いてみました。
CDプレーヤー → プリメインアンプ(QUAD Vena II) → 自作の電気化サウンドボックス → 蓄音機のホーン とつなげました。
通常のスピーカーボックスを使わず、蓄音機のホーンを音響管として利用します。
はるか昔の蓄音機メーカーの技術者たちが、電気的増幅がなかった時代に、いかに効率よく小さな振動を大きな音に変えるかを研究し、競い合ったであろうことに思いを馳せつつ聴きました。
なかなかにやわらかくやさしい響きでした。
つぎに、古いLPレコードを聴いてみました。
78回転のSPレコードの録音をLPレコードで復刻したものです。
かつてレコードの三分の二ほどを処分してしまい後悔していますが、これは残ったなかの一枚です。
音量にご注意ください。
ガリ・クルチの「埴生の宿」です。
普通にスピーカーで聴く方が音の響きや音域は豊かですが、これはこれで趣があります。
ガリ・クルチについて、あらえびす(野村胡堂)は、「この人の聲は純粋で清澄な上、不思議な輝きと潤ひがあり(以下略)」、「樂器のやうに均整の取れた表情的な聲は、ガリ・クルチの強味で、その上聲量も相當あり、若い頃はなかなか美しくもあつたらしい。」と評しています。(『名曲決定版』昭和14年刊)




