10月10日は日本の体育の日でしたね。
運動会は毎年大嫌いで、
前の日から熱を出したりしました。
自分が苦手なことを大勢の前で披露する。
どんなに足が遅いか、証明するような日。
だから日本で教壇に立っていたときも、
できない生徒の気持ちは
痛いほどよくわかっていました。
運動会では母親くらいしか
注目していないと思うけど、
毎回最下位でゴールを切るのは
自分のできないことを思い知らされて
嫌だったなあ。
でも玉入れとか綱引きは大好きだった。
負けても自分のせいじゃないから。
そして、基本負けず嫌いなので、
勝つとすごく嬉しい。
やっぱり、そこはもれなく嬉しくなるのです。
同じ会社の中で、支店の売上成績を見比べて、
うちの店はよくやってるねと
先輩方と話すことがあります。
全国の中でも成績が良いと、それはもう
玉入れや綱引きで勝ったかのような喜びよう。
同じ学校の中で競い合っても楽しいけれど
やっぱり売上の競争でも
チームではそんな楽しさがあります。
やっぱり、玉入れ好きだなあ。
それはさておき。
さて、販売員には
個人でも売上の成績がついて回ります。
うちのジュエリーストアも
全員が毎日数字で計上されます。
目標を目指して売ることについてどう感じるか、
就職面接の時に聞かれました。
それが重荷だったり、嫌な人は
最初から雇いません。
目標を掲げない店に行けばいいから。
私は「面白そうですね、モチベーションが上がると思います。」と答えました。
そしてすかさず、達成できないときはどうなるのか質問しました。
辞めさせられるのかなー、なんて。
対策としては
マネージャーと何度か相談をして
できることを全てやっているか振り返る。
例えば、雑談から入ることなど、
できていないことをプラスすることを繰り返す。
今まで売上目標を達成できずに
折れた人はいないという話だったので
ちゃんとサポートしてくれるかも、と考えて
この会社に就職を決めました。
ありがちなのが、何かお探しですかと
いきなりセールスに入ること。
これは新入社員研修で、
並のセールスはしないようにと言われました。
例えば雑談から入り、お客様ご自身に
心の底から興味を持つ。
どなたかのお誕生日なのですかと、
なぜご来店になったのかを聞いてみる。
W51H
なぜ、誰が、どこで、いつ、何を、どのようにから質問をする。
今ニュージランドは10月の春休みなので
スクールホリデーでお子さんを5人連れて
ご来店したお客様には
How are you getting on with your school holiday?
(大変そうですね、のニュアンスを含んで)
ホリデーをどのようにお過ごしですかと
聞いてみる。
大抵は苦笑いしながら、
なんとかやっています、みたいな答えです。
How is your school holiday?
春休みを楽しんでいらっしゃいますか、とは
また違った言い回しを私は使います。
入社したての時期は
先輩が横に付き添ってくださったり
なぜかまぐれでよく売れたり
8月には同じお客様が帰ってきてくださったり
閑古鳥がなく時には、ウィンドウを磨いたり
入り口を念入りに掃除したりしました。
風水みたい。
英語ではフンシュエと発音します。
こんなことを気にするスタッフは私だけです。
でも入ってくると思うんですよね。
幸福は、春風のように。
ここで改めて
自分はどんな人になりたいか考えてみました。
どんな販売員になりたいのか。
私は何を大切にして仕事をし
生きていきたいのか。
新人研修のときに心に残ったことは、
ただ売るんじゃなくて
「お客様にピッタリのものを探し、提案し、
満足していただく」ということでした。
いろんなHow toはあるかもしれません。
でも、満足していただく。
最初も最後も、お客様が幸せになるのが目標。
お誕生日のギフトで
家族やご友人にぴったりのお品を
見つけたときのお客様の顔は
10月の空のように晴れ晴れとして
贈ったときの喜びに期待に胸を膨らませる感じ。
子供用のイヤリングや、
壊れているかもわからない時計の電池交換など
売上の数字としては
あまり大きくないものがあります。
でも私が欲しいものは数字だけじゃない。
お客様のお話を聞くうちに
(NZではよく子供もピアス穴を開けるので)
7歳のお嬢さんに、人生初のピアスを贈ったり
亡くなったご主人の時計を身につけたくて
ご来店になることがわかりました。
私も夫の祖父の時計をもっていますが
その気持はとても良くわかり、
ジーンとしてしまいました。
メンズの金色の時計でもよくお似合いの
長身の女性のお客様。
ご主人の時計をお返しして
『これでいつも一緒ですね』という気持ちで
見送りました。
さて、では私は何を大切にしていくのか。

扱う品と一緒に、
お客様に持ち帰っていただくものは
ハッピーな気持ち
満足感
もしも贈り物が重複していたら交換できる安心感
そして、このお店なら、この人なら
一緒に考えてくれるという信頼感
石にまつわる言い伝えや歴史
サマータイムの度に変えなければならない
G-shockなどの時刻のセットができなかったときの
サービスなどなど。
今考えるとすべて目に見えないものです。
そういえば、サンテグジュペリが
いちばん大切なものは目に見えないものと
書いていました。

私は品物と一緒に、幸福感を送り出す人。
そして何よりも
お客様やチームのみんなとの
人との絆を大切にしたいです。
ジュエリーのクリーニングや
絡まってしまったネックレスを解く作業、
時計の修理の進み具合の確認やお店の掃除など
売上には直接つながらないことでも丁寧にして
お客様を幸せにしたい。
それが私の幸せだから。
今日もご来店ありがとうございました。