悠久の時間が流れている
キャンドル作家さんのお話を聴いて以来
自分の中で表現したいことって何だろう?って毎日考えています
意識して考えないと、つい目の前の日常に囚われてしまい気が付くと1日が終わってますね
私の原点は『星野道夫』さん
受験ノイローゼーの時に、たまたま寄った書店でたまたま手にした書籍
しかも、凄く分かりやすい位置にあったわけでも何でもない
目を閉じて本の背表紙を指でなぞりながら、何となく決めた書籍でした
とにかく当時はなんでも良かったんです
今感じている停滞感、虚しさ、やってもやっても上がらない成績、本当はどうしたいのかわからない状態の自分に一筋の光、風が欲しかっただけなので
手にしたものはなんでも良かったし、全然期待なんてしていませんでした
その場で読まず、それを買って家のベッドの上で読んでました
毎日、毎日、朝刊を配達するバイクを2階の窓から見下ろし、朝日に安心したら眠る日々だったので昼夜が完全に逆転していたし、精神もギリギリでした
そんな中読んだのが、星野道夫さんの『旅をする木』
今でもはっきりと覚えていますが、涙が止まらなくて
その日見た朝日が酷く眩しくて眠りたくなくて
今すぐこの本の世界に行きたいくて仕方なくなっていましたw
内容はアラスカ原野に暮らす人や動物の話が多いのですが
自然の中で生きる人の営みと、そこに生きる動物の物語や
人間同士の差別、経済発展による自然破壊、道夫さんの友人の話など多岐に渡る内容で
そこには『生きる』ということ、そのものが色鮮やかに書かれていました
道夫さんが何かの出来事についてジャッジすることは一切なく
ただありのままに受け止め、想いを馳せる
そのスタンス、空気感そのものが文章としてそこに在って道夫さんという人物の人柄が感じられ
まるで私も同じ映像を横で見ているような、そこに居るような感覚になり
成績が上がらないことでぎゅっと縮こまってしまった、死にたいとさえ思った思考が
もう1度、深く深呼吸できたような感覚になり泣いていました
人生に正解なんて無いんだよという言葉が聞こえた気がしました
今でも手元にしっかり持っているし、その後道夫さんの奥様に会う機会があって
事務所にも訪ねて行かせて貰ったことがあって、奥様からの言葉も背表紙に書いて頂きました
私が死んだら棺に入れて貰うもの。と決めています
私の原点は、旅をする木であり、そのタイトルそのものの生き方をしてきたと感じています
いつでも、人間の生活とは別に流れているもう1つの時間を意識して生きてきた
元夫と結婚するまで
結婚してからは『稼ぐこと』に意識が意向してしまい
そういえば、結婚生活中はほとんど旅をする木を見なかったな
もう1つの時間を感じる、想いを馳せる、心の余裕が1mmも無かった
元夫の期待に応えなきゃ、母として妻として
自営業だったので、しっかり稼がなきゃ!という想いも強くなっていました
先日キャンドル作家さんとお話して、やっともう1度道夫さんの著書を手にしました
バッと開いたページはアラスカで道夫さんのザトウクジラの撮影に同行した時のご友人の話でした
ご友人は
本当に行ってよかった。何がよかったかって?
それはね、東京で私があわただしく働いている時、その同じ瞬間、もしかするとアラスカの海でクジラが飛び上がっているかもしれない、それを知ったこと
と仰っていました
道夫さんは
ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もう1つの時間が確実にゆったりと流れている。
日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは天と地の差ほど大きい。
と感想を書いていました
私はあんなに読み込んだのに、道夫さんの言葉をすっかり忘れてしまっていました
私はもう二度と忘れないようにしようと心に誓いました
私の原点
道夫さんの本を改めて読んで、『もう1つの時間が流れている』ことを自分自身も、手にしてくれた人も想い出せるような作品作り、表現をしてみたい。と思うようになりました
それを表現できる方法を模索していこうと思います

