私の名前は朝倉樹々。都内の高校に通う、ごく普通のJK。
今日はクラスメートの岸本くんとの初デート。
目一杯オシャレして、とっても楽しい一日!
に、なるはずだったのに、あんなことになるなんて…。
きっかけは、岸本くんのなんでもない一言だったの。
「上映時間までまだあるし、ちょっと寄っていかねえ?」
彼が指さした先はゲームセンター。
「オレ、UFOキャッチャー得意なんだぜ」
大股でクレーンゲームのコーナーに向かう彼の後を、ワタシはそうなんだと頷きながら、付いて行った。
けっこう大きなお店で、ゲーム機が何十台も並んでいた。
景品は、定番のぬいぐるみ、フィギア、お菓子。
その他にも、バッグやお洋服、コスメまである。
最近の景品は多種多様だ。
ほとんどの台が一回二百円、五百円玉なら割引で三回できる仕様になっている。
ちなみに、お菓子だったり、ちいさなぬいぐるみなどは、一回百円だ。
「お待たせ」両替から岸本くんが戻ってきた。
「どれが欲しい?」
「え~、岸本くんが取ってくれるんだったら、なんだっていいよ」
上目づかいで口を尖らせて言う。
岸本くんは、まんざらでもない笑顔を浮かべ、照れくさそうに頭をかいた。
いつもは男らしい岸本くんだけど、こういう可愛い一面を見ると、ドキッとしちゃう!
「じゃあ、これなんかどうよ?」
岸本くんが選んだのは、大きなクマのぬいぐるみ。
両替してきた五百円玉を操作盤の上に四枚積み上げ、その中から一枚を投入した。
真剣に操作する彼を見守る。
こんなに大きなぬいぐるみを捕るのは、難しいんじゃないの?
そう思っていたら案の定、五百円玉二枚が、あっという間に吸い込まれていった。
それでもワタシは、
「スゴーイ! 上手! あっ惜しい!」
と盛り上げることは忘れない。
流石にこのサイズを捕るのは無理だと悟ったようだ。
岸本くんは、残った二枚のコインをジャラジャラと手の中で弄びながら、違う台の物色を始めた。
岸本くんが選んだのは、大きなクマのぬいぐるみ。
両替してきた五百円玉を操作盤の上に四枚積み上げ、その中から一枚を投入した。
真剣に操作する彼を見守る。
こんなに大きなぬいぐるみを捕るのは、難しいんじゃないの?
そう思っていたら案の定、五百円玉二枚が、あっという間に吸い込まれていった。
それでもワタシは、
「スゴーイ! 上手! あっ惜しい!」
と盛り上げることは忘れない。
流石にこのサイズを捕るのは無理だと悟ったようだ。
岸本くんは、残った二枚のコインをジャラジャラと手の中で弄びながら、違う台の物色を始めた。