これで山に登れますか?

 

シューズについてよく店頭で聞かれる質問です

 

一般的な登山靴とは違いローカットのスニーカーのようなシューズばかりが並んでいるからだと思います

 

この質問については「僕は登っています」としかお答えが難しいところ。。。

 

ですので、この場を借りてご理解いただけるように紹介させていただきます!

 

珍しく少し長文です。。。w

 

最近よく耳にするベアフットシューズ

「歩く マジで人生が変わる習慣」を引用しつつ個人的な意見と合わせて簡単にまとめてみました(仮説といったところもありますので予めご了承下さい)

 

 

 


 

 

まずベアフットシューズの主な特徴

 

・爪先が広く足指がしっかり開くことでバランスを保ち足本来のアーチ機能をサポートできる形状

さらにシューズが自由に曲がったりねじれたりする柔軟性(複雑な足の筋肉や関節が使える)

 

・爪先からかかとまでの高低差がなく靴底が水平なゼロドロップといわれているもの

フラットであることで足首やふくらはぎの自然な機能を引き出し、より自然な歩き方を促進

 

下記5点が大きな特徴ですかね

 

・ゼロドロップ

 

・フットシェイプ

 

・柔軟性

 

・アーチサポートがない

 

・ソールが薄い

 

ではなぜベアフットシューズがいいのか?

 

足裏感覚をしっかり感じる事で足からの情報を脳に伝えることができる

(足はセンサーのような役割も果たし、足裏は地面と唯一接する部分)

 

脳に伝わった情報に基づいて体の動きを予測し、バランスを取ったり転倒を防いだりする(凸凹した地面に足を踏み出す際に脳が足の着地を予測して筋肉の準備を整え、必要な筋肉が事前に調整される)

この脳の予測を「フィードフォワード」というようです

 

これがソールが分厚く硬いシューズだと足裏感覚の情報が脳に対して情報伝達がうまくいかず、結果、地面の状態や身体の動き、バランスを予測するのが難しくなります

 

こういったシューズだとフィードフォワードを発揮しにくいということですね

 

歩いた情報を脳に伝えることでケガをしにくい歩き方を身につける

 

幼児が歩行訓練する際も脳に情報を伝えて転倒しないようになるという無意識に本来使っているものだと思えば分かりやすいかと思います

 

 


 

そしてALTRAのゼロドロップ誕生秘話

 

話は少し逸れますが、面白いので簡単にまとめます

 

ALTRAの創業者のブライアン・ベックステッドとゴールデンハーパーは裸足で走った方が自然な着地をしていることに気付き爪先と踵の高低差が無いゼロドロップシューズを作製

 

ゼロドロップにすることで裸足の自然な状態に近づけることができる

 

踵が高いと前傾姿勢になることで推進力が出るが、その分踵重量が重くなり踵着地を促し、腰や膝への負担が大きくなる

 

そして、踵が高いと本来の姿勢が崩れ背中や膝、股関節を痛める原因にもなる

 

そこに着目してオーブンでソールを溶かし、削り取り、ゼロドロップシューズを試作

 

これがゼロドロップシューズ、ALTRAの誕生です

 

かなり短くまとめましたが、ベアフットシューズの利点が分かると思います

 

僕自身も10年近くベアフットシューズを履き続ける事で膝の痛みなど改善し、そのような悩みはなくなりました

 

一方、慣れない方は今まで受けていたシューズのサポートがなくなることで、ふくらはぎの張りを感じる方も多いようです

 

それは今まで使っていなかった筋肉を使うことでの筋肉痛で、続けていく事で改善されます

 

日常から使うことが大事ですね!

 

 

 

 

そして次にフットシェイプ

 

個人的にはこちらが重要だと考えています(アーチが重要ということです)

 

人間本来の身体機能を使える、足の指が正しく使える爪先の広い形状

 

人間の足で最も重要であるアーチ構造を適切に機能させる

 

※アーチの役割

 

・衝撃の吸収(着地したときの衝撃を吸収・分散)

 

・反発(重心移動をスムーズにし地面の蹴り出しをサポート)

 

・安定(石橋のアーチ構造の原理で大きな重量をしっかり支える)

 

横アーチ、縦アーチ(内側、外側)で役割が違い、アーチ崩れにより機能が不十分になります

 

※アーチが崩れるとバネがなくなり、スムーズな重心移動ができず、疲れやすくなる

クッションがなくなり、衝撃が吸収できず筋肉や骨に大きな負担がかかることで足首、ふくらはぎ、ひざ、太もも、腰にまで痛みが出る

外反母趾をはじめとした扁平足障害や開帳足などの足の障害はすべてこのアーチ構造の崩れにより生じていると言っても過言ではありません

 

 

シューズの形に足を合わせるのではなく、足に合わせたシューズを選ぶ

 

足指の中で特に重要な親指をしっかりと使えることでシューズの過剰なアーチサポートは必要ないという仮説です

 

他の霊長類とは違い直立二足歩行の人類はアーチ構造によって長距離歩行が可能になりました

 

そこが他の霊長類と違う大きな特徴です

 

アーチ構造無くして長距離歩行は難しいということですね

 

人は本来、長距離歩行を得意としている足の構造となっています

 

 

 

 

そして次に筋肉

 

つま先や指を動かす筋肉は、足部にある内在筋(ないざいきん)と足の上方にあって腱でつながる外在筋(がいざいきん)の2種類があります

・足指を閉じたり開いたり、微妙な動きを出したりする役割の内在筋(ボリュームの少ない筋肉で萎縮しやすい)

裸足で歩くと脳との神経伝達もしやすいのですが、平坦な地面ばかり歩いたりソールの硬いシューズによって内在筋が活躍出来ず、衰えていきます

内在筋の使用頻度が減少すると、脳からの神経伝達が筋肉に伝わりにくく筋肉は、「萎縮」といって小さくなってしまいます

・足首(足関節)や足指の底屈(曲げる)・背屈(反らす)ことが主な役割の外在筋(大きくて鍛えやすい筋肉)

外在筋も内在筋と同じように足部の形状を保つのに重要な筋肉で、とくに足部の縦アーチを維持するのに大切な役割をもっています

 

これらの筋肉を鍛える事でアーチ構造をしっかり機能することができます

 

ストレッチやトレーニング方法など調べると色々出てきますのでご自身に合ったものをお調べいただければと思います

 

 

 

 

 

「足は、人間工学における最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である」 レオナルドダヴィンチ

 

足の骨の数は左右合計で56個

 

全身206個のうちの約4分の1を占めていることになります

 

2足歩行である人類の足がいかに精密で重要なのか分かりますね

 

 

 

 

現在流通している多くのシューズだとかかとが高く(10年程前は高低差が12~14mm、現在は7mm程度)トゥーボックスも狭く、ソールも硬い、足指や筋肉をうまく使えず脳への情報、神経伝達もおこなえてない状況

 

ベアフットシューズを普段から履くことで本来の身体機能を取り戻そうといった流れがようやくきたことを実感してます

 

とは言え急な移行は難しいところで、まずは普段から履き慣れる事をおすすめします

 

ソールの薄いベアフットシューズを登山で使用すると逆に膝などを痛める可能性は高く、ALTRAのようなある程度クッション性のあるシューズが移行しやすいと思います

 

ALTRAとしてはソールのクッション性は重要だと考えており、足のトラブルを抱えている人は多く、身体のバランスや姿勢を整えるにはクッションが必要で効果的だと

 

僕自身もソールの薄いシューズで長時間の歩行や重装備の際に膝に違和感を感じたことがあるので用途により使い分けるようにしています

 

やはり日常、ライフスタイルから段階的に移行していくのが望ましいと思います

 

山だけの短時間では足を作るのは難しいので、是非、日常から取り入れてみてください

 

ベアフットシューズの日常でも使いやすいモデルはまた後日改めてご紹介できればと思います

 

 

 

 

今回、話題のベアフットシューズについてまとめてみましたが、事細かに説明するとかなりのボリュームになるので、重要なところをコンパクトに説明してみました

 

足りないところはあるかもしれませんが、「歩く マジで人生が変わる習慣」を読んでいただければより理解が深まるかと思います

 

こちらの本は歩くということの重要性に触れており大変興味深い内容となっております

 

未読の方はぜひ読んでいただければと思います

 

写真や図などなく分かりにくさもありますが、興味を持ちご自身で調べることで一番理解が深まると思いますので、こうした文章のみにしてみました

 

あくまでもベアフットシューズの説明でそれ以外のシューズを否定している訳ではありません

 

人によってはシューズのサポートが必要な方もいると思います

 

情報過多で調べれば何でも出てきますが、最終的にはご自身の経験と判断で合ったものをお選びいただければと思います

 

 

written ウエヤマ