イギリスで47年続く伝統あるレースOMM(OriginalMountainMalason)オリジナル マウンテン マラソンが日本で初開催、場所は静岡伊豆半島。
決められたルートもエイドもなく、3日分の食料とテントなどの宿泊道具を背負ったまま、与えられた地図だけを頼りにゴールを目指すという『山の総合力』が試されるマウンテンレース。

今後の当店の展開にとっては絶対に参加するべきイベント。週末に4日間もお休みを頂き大変ご迷惑をおかけしました(ご来店頂いたことのない方はご存知ではないかと思いますがこの店は店構えだけは大きいですが私一人でやっている実はちっちゃい店です 笑)。

このレースに向け私はトレーニングバッチリ。地図読みも初めての山ではいつも実戦していたので多分大丈夫。一つ不安要素は、私のパートナーとなるU氏が、ここ数ヶ月仕事上のトラブルでとても忙しく、ほぼトレーニングが出来ていないということ。

でもそこはナビゲーション能力と判断力でカバーすればなんとかなるだろう(と思っていた)。

金曜日に前入りし、鹿児島のIさんと同じところに泊まり、いつもと違ってしっかりと寝た(笑)。朝はIさんの奥様から朝食を作っていただき、ガッツリ食べて準備は万端(Iさん本当にありがとうございました!)。


 

 

僕らは「ストレート」というクラスにエントリー。
土曜日、17時より1分おきに順次ウェーブスタート、1日目がいよいよ始まります。
天気は生憎の雨。
時折激しく降り、トレイルはぐちょぐちょ。
でもこんな雨で何故かテンションは上がっていく。

 


 

スタート直後に地図が渡されます。

そこに細かいルールや制限時間が記載されております。

事前に作戦を立てることはできず、この時点での素早い判断が必要となります。




1番チェックポイントと取った後はA~Fの好きな4つのCPを取り、その後6から13CPまでを制限時間内にチェックしていくというルール。



私達は△のスタートから1番CPを取ったあとA-B-D-Cの順番に4つのCP取ろうと計画。まずショートカットでAとBをすんなりとチェック。次は林道からのDの予定で向かったが凡ミス。Fのほうに向かってしまった(このようなちょっとしたミスですぐに20~30分のロスになる)。結構登ったところで気付いたが、そのままFに行くか、引き返すか?
そのままFに強行すれば登りがキツそうだし時間も、U氏の足を後半残すためにFは諦めDに向かう。これが正解なのかどうか判らないが、こういった判断力が必要。
迷わずDを取り、その後はCは止めてEに変更。Cのほうが地図上では近いが傾斜が結構キツいので林道奥のEのほうが早くて楽だと判断。傾斜の緩い林道でCPも難なくゲット。

そして6番CPへ。
僕らよりも先にスタートしていた面々がまだ沢山残っていたので、ここまでは多分そこそこなとこにいたかも。ルートミスがなければあと30分は短縮できた…う~ん、早くも後悔。



ここから標高1200m付近の7番CPまでのルートは一番長いです。
せっかく早めに6番を通過したけれどこの林道で結構追い抜かれる。
「センパイ、もっと早く!」と急かす私。
やはりトレーニング不足でキツそうなU氏にも頑張って走ってもらう。(正直なところこのような林道移動はもっと早いスピードで行かないと後半の制限時間が厳しかっただろう)

沢のところから僕らは尾根の最短ルートを選択。遅れをとり7番CPもゲット。ここまでの地図読みはほぼ地形で判断できた。そして、ここまでのチェックポイントまでかなり遅くなったが迷うことはなかった。

しかし8番に向かう途中ぐちょぐちょトレイルでU氏が足を滑らせ転倒。膝をやられたよう。かなりスローペース、というかほぼヨチヨチ歩き。
なんとか林道まで降りたがU氏の膝は結構腫れていた。これでは8番CPは制限時間に確実に間に合わない。この先のCPは諦め、制限時間内のゴールを目指しましょう、なんとしても絶対にゴールまで頑張って下さいとお願いした。が、U氏は「無理」だと…

最後まで2人で行動するのがルール。

ここでDNF決定(涙)


パートナーのU氏はそのまま病院送り、左膝靭帯損傷に剥離骨折。

歩行すら困難な状態までに。


判断ミスでした。


今回置かれた状況だともっと早い段階で、制限時間に間に合わなくても「とにかくゴールする事」を目標に変えるべきでした。

このレースに参加されている方にはいろんな人がいます。それぞれの仕事や家庭があり、体調が万全でない方や怪我をしている方、病み上がりの方、、、

「自分はショップの人間だから下位やリタイアなどは体裁が悪いから嫌だ」という身勝手で自己中心的な気持ちから(今考えるとどうでもよい事だった)、チーム戦にも関わらず自分のペースに合わせるようパートナーに無理をさせ、タイムを縮める事に欲を出し、この結果・・・

「現在の置かれた状況で最適な行動をする。」

私はその判断を誤りました。
(センパイ本当にごめんなさい。最初はゴール出来ればそれでいいですよなんて言っておきながら・・)

僕はまだまだ体力ビンビンで、ここから激下りだ~とアドレナリン全開のところでの出来事。不完全燃焼で悔しくて悔しくて・・・
(でもセンパイはもっと悔しかっただろうな)。
 

 

 

 

 

 

 

【今回の装備】*すべて実測にて

 

 

 

ザック:MONTANE ULTRA TOUR22 540g

シェルター:integraldesigns silshelter 355g

グランドシート:SOL Heavy Duty Emergency Blanket(70x200にカット) 85g

シュラフ:OMM MountainRaid 1.6 455g

シュラフカバー:SOL エスケープヴィヴィ 244g

ペグ:VARGO Titanium Tent Stake 8本 64g

マット:山と道ミニマリストパッド(45x80にカット) 38gx2 + アストロフォイル45x80 104g

クッカー:FD400+WILDO fold-a-cup+ジップロック

火器:Esbitチタニウムストーブ + 固形燃料、ウインドスクリーン等

*火器と燃料は2人でシェア、合計345g

防寒着:ARC’TERYX Nuclei Hoody 282g MountainEquipment PowderPant 198g

水:H2OMMx2で1ℓ プラティパスに700cc

お酒:300cc、

食料:行動食含め 822g

ヘッドライト:milestone MS-B1 97g(電池含)

その他:エマジェンシーキットや予備電池など

パックウエイト:6.6kg



【ウエアー】

ファーストレイヤー:Arc'teryx Thetis Zip Neck

シェル:OMM AetherJacket

ボトムス:MMA 7pocket Run Pants+OMM カムレイカレースパンツ

下着:アイスブレイカーボクサー

シューズ:ALTRA ローンピーク1.5+ホシノインソール

ソックス:ドライマックス(悪天候用) インジンジウール(替え)

 

 

こんな感じでした。

 

 

 



今回は「えっ、あの人が?」という方がリタイアや失格だったり、制限時間に間に合わなかったり。
1日目の完走が50組くらいしかいなかったり波乱の展開だったよう。

今回は上位で完走された方も80km以上、ルートミスした方では90km以上走ったとか。

50kmクラスのトレイルレースを7~8kg背負って、頭使って、そして野営して、2日連チャンでやるというような過酷なレースw

やはり走力、判断力、ナビゲーションスキルが全てが整っていないと上位に入れるレースではない(当たり前)。

まさに『山の総合力』が必要。

また来年に向け、自分に足りない部分をしっかり強化していきたいと思います。

 

来年からは私のまわりからも沢山チャレンジする方が増えると良いな。

*来年は場所を変えての開催らしいです。


携帯電話は禁止だったのでザックにしまいこんでいましたが写真はOKだったんですよね。まったく写真を撮らないというミスもしてしまった
 

 

 

イベント主催者の方やボランティアの方、関係者の皆様本当にお疲れさまでした。
そして本当にありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後になりますが

 

 

 

 


OMMレースにはこんなメッセージが込められているそうです。



『 Face Your Challenge 』

 

 


限界にチャレンジする事で未だかつて会ったことのない自分自身に出会う
 

 

 

 


では、また来年。