NHK杯出場の日本勢、心境を語る
羽生選手
羽生結弦「悔しくて悔しくてどうしようもなかった」
昨日は本当に悔しくて悔しくて悔しくてどうしようもなかったです。
ちゃんと冷静に考えられていなかったと思うのですが、一夜明けて一番最初に
出てきた頭の中に残っている言葉は『ここまで滑れるのは奇跡的だな』と。
その奇跡を起こしてくださったのは、まぎれもなく自分のチームであり、
周りの方の応援だったりということもあったので、皆さんのおかげだなと
思いました。
(ジャンプについて)
中国杯のときはけがをしたけど、焦っていなかった。
今回と中国杯の違いは焦っていたか、そうでなかったかだけだと思っています。
その焦りが今回はすべてに響いたと思います。
インタビューとかでも全部言葉が速かったし、6分間練習だったりも落ち着こうとは
していたんですけど、『周りを見なきゃ』という自分の潜在意識みたいなものが
あって、集中しきれなかったのではないかと自分では反省しています。
集中できるときって、今やるべきことに集中しているという感じはあるんですけど、
何をすべきかが分かるんですよ。
でも何をすべきか分かっているのにできないというのは今回初めてでした。
無意識にいろいろな方向に目が行っていたように感じます。
自分のすべきことに集中していなかったのかなと。
(6分間練習で『もうぶつかりたくない』という意識が働いた?)
そういう意識はなかったかと言えばあったと思います。特にフリーの、6分間練習で
ぶつかったときの軌道のフリップの前では本当はジャッジサイドを見てすぐに
フォアを向くんですけど、ジャッジサイドを見られなかったです。
ずっとバックの方向を見ていてパンクしてしまったので、若干の迷いというか
びびりがあったんだと思います。(今後は)改善されていくと思います。
(6分間練習を6人で滑っているが改善策はあるか?)
僕としては当たり前のことですし、僕らがルールを決めるものでもないです。
もちろん発言はしていけるのかもしれないですけど、僕からしてみればぶつかって
しまったのは僕らの不注意です。こうやってぶつかってしまったのは僕らが悪いですし、
ルールのせいとかは関係ないです。
ただしっかり注意して集中することが課題だと思います。
(セルフコントロールが未熟だと言っていたが?)とにかくブライアン(オーサーコーチ)
との練習時間が短かった。
本当はトロントに帰って2週間ほどしっかり練習する時間を取りたかったんですけど、
思いがけず日本に帰ってきて5日間ほどの練習しかできませんでした。
それによるちょっとした不安感だったりが、自分の精神的なものをコントロール
できなかったかなと。
普通に練習量を積めば問題ないと思いますし、練習の信じ方次第で少ない練習で
信じることもできると思います。そこは新たな課題かなと。
(ファイナルに向けてのスケジュールは)
とりあえずブライアンのメール待ちですね(笑)。
すぐにスケジュールを送ると言われたのでそれ待ちです。
(今回の悔しさはいつ以来ぶりに味わうもの?)小学生以来ですね(笑)。
ここまでボロ負けしたのは小学生以来なので。
僕、ノービス上がる前の小学生の大会で絶対に勝てない人がいたし、ノービス時代に
リンクがなくなったときに勝てなくなったことがありました。
全然ジャンプを跳べなかったんです。そのときは結局練習時間が足りなくなって
いたのもあると思うんですけど、今はもう子供じゃないので。
そのときはスケート年齢で言えば一桁だったと思いますが、もう二桁で10何年
やっているので、それを信じられるか信じられないかは僕次第です。
あとは練習できなかったとか結果がどうとか関係なく、僕の精神的な持ちよう
だと思います。
(昨季は五輪シーズンで飛躍を遂げた。今季の入り方としてはどう感じているか?)
別にこだわりはないです。試合は試合で、1つ1つ違うし、別に五輪がどうとか
世界選手権がどうとか関係ないんですよ。もう終わったことですし、終わった名誉です。
次はぎりぎり取ったファイナルなので、はっきり言っちゃうと昔より滑走順が
早いわけですから。
たぶん第一滑走ですよね。第一滑走なんてファイナルでやったことがないので、
本当にチャレンジャーですよ。ジュニア時代の自分に戻った感じです。
(肩に力が入っていた?)
それはないですね。ただ単に1人のスケーターとして、GPに臨んだ自分が
ミスを犯したというだけです。
(2週間という期間は長いか短いか?)
考えてみれば僕、今回は5日間でここまでやったので時間はあると思います。
(他の方のお話もあります)
スポーツナビ
より