
僕のオタッキー音楽人生の土台は、中学生時代にほとんど出来上がっていた気がします。
洋楽も邦楽もごっちゃまぜに聴いていたし、ロック、フォーク、ジャズ、カントリー、歌謡曲もまったく気にせず楽しんでました。
まだ家にコンポが無かったので、音楽を手に入れる手段はラジオからの録音(エア・チェック)でした。NHKの「基礎英語」を聴くという名目で買ってもらった小さなラジオの時は、AMラジオの「ヤング・リクエスト(ヤン・リク)」が最も重要な情報源でしたが、録音機能が無いのでノートに歌手の名前と曲名をメモしてました。
でもやがてクラスで短波放送(SW)が一部の間でひそかなブームとなります。同時にFMを聴いているというマセたヤツらも現れ始めます。こうなってきたら僕もラジカセが欲しくなりました。
僕の実家は「造船専門のタイル屋」なので、その頃は高度成長期における空前の造船ブームだったようで、まあまあの小金持ちだったようです。でも親の教育方針で「うちは貧乏、よそはよそ、うちはうち」みたいな感じでしたから、シンプルにラジカセを買って欲しいとは言いにくくて、長年貯めていたお年玉を元手に、足りない分は父親の仕事でセメント運びのバイトをするという条件で交渉しました。
父親は元来音楽が好きで、亡くなる直前には「自分も音楽の道に進みたかった」といってたくらいなので、いざラジカセを買うと決まったら、なんかいろいろカタログを持って帰ってきました。父親は当時めちゃくちゃ売れていたソニーの「ジルバップ」を推してきましたが、でも僕はとにかくFMも聴けて、短波も聴けるのが欲しかったので、豊中の和光電気の兄ちゃんに相談したら、AIWAのSTEREO830 がいいと言われました。

いま思えばソニーのジルバップの方が良かったかもしれんなあと思いますが、あの時はとにかく短波放送フリークの仲間に入りたかったんだと思います。(結局短波はよくわからんで、すぐに聴かなくなりましたけど・・)
あらためてネットに落ちてる写真を見たら、ほんまに懐かし~です。ツマミにMONO-STEREO とあってその上に WIDEってのがあるんです。これにしてみたらすごく音が広がって、冨田勲の「惑星」(なんか異常なステレオ録音で有名でした)とか、ピンク・フロイドの狂気に入ってる「マネー」という曲のイントロのジャリ銭の音とかを喜んで聴いた記憶があります。
あとテープ・セレクタはノーマルとクロームがありました。上にも書きましたがレコードが聴けるコンポは家になかったので、友達の川井くんのお家でいっぱいテープに録音してもらっていました。普通のやつはSONYのLOW-NOISE。川井くんおすすめの音の良いアルバムは、とっておきのSONYのクローム・テープに録音してもらってました。当時はクローム・テープも高かった。



まあでも、このAIWAのラジカセは本当に大好きで、高校に入学した時にお祝いにコンポも買ってもらいましたが、それ以降もカセットを聴くときはコンポではなく、このラジカセで聴いてましたね。
最期も覚えています。
高校3年の時に友達に借りたエレキ・ギターを無理矢理つないで鳴らしたら、スピーカーが飛んで、焦げ臭いにおいとともに天に召されました。
あの音、また聴きたいな~。