『快楽至上主義』
そう書いておきながら、Ⅰは全然そうならず。
いや、それは慶喜にゃんの尺度で測った話。
秋斉にゃんの尺度だと…(//∀//)
土方サンの『嫌じゃにゃいのか?』と同じ方程式ですよ。
さて、この話。
一体どこへ向かうのか…。
慶喜にゃん第四弾は、『同志発見!?慶喜にゃん』とでもしときまひょか(●´mn`)
では、くれぐれも適当に読み流してくださいまし。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
艶『慶喜さん!』
(そこにいたのは慶喜さんだった。
いつもの優しい笑みを浮かべながらも、どこか剣呑とした空気を纏っている。
猫耳をつけたままの秋斉さんは、またも平然とした様子で慶喜さんに話しかけた。)
秋『どないしたんどすか?』
慶『時間が空いたから、艶子に会いに来たんだよ。お前こそどうしたんだ』
秋『何がどすか』
慶『……それ』
(慶喜さんが指さしたのは当然、秋斉さんの頭にある猫耳だった。
秋斉さんはにこりと綺麗な笑みを浮かべて、猫耳に触れる。)
秋『艶子はんは似合うと言うてくれたんやけど』
慶『………』
(秋斉さんを見る慶喜さんの目は険しい。
二人の間に立ち込める不穏な空気を打ち破るように、私はわざとらしい位明るい声を出した。)
艶『慶喜さん、会いにきてくださったんですね!嬉しいです』
(そう言って慶喜さんの傍らに歩み寄ると、腕を肩に回されて、ぐっと引き寄せられた。)
艶『きゃ…』
慶『艶子の今日のお座敷は?』
秋『ええよ、連れて行き。揚屋にはわてが話を通します』
慶『ああ。……行くよ、艶子』
艶『は、はい…』
(慶喜さんは私の手を引いて、ぐんぐん歩いていく。
去り際、秋斉さんが私の手に何かを持たせた。
ふわふわした感触で、それが何かはすぐにわかった。
私は咄嗟に袂にしまい込み、それからはただ、慶喜さんの背中を追いかけた。)
(揚屋に着いて、その一室へと迷いなく入っていく。。
襖を閉めて、ようやく慶喜さんの足が止まった。
強く握られていた腕は赤く染まり、少し痺れていた。
でも、そんなことよりも私は慶喜さんの様子が気がかりだった。)
艶『慶喜さん…?』
(私に背を向けていた慶喜さんはくるりと振り返り、ぎゅっと私を抱きしめた。)
艶『慶喜…さん?』
(慶喜さんの腕の力が更に強まる。
苦しくなる位に抱き締められて、私は縋るように彼の背中に手を回す。
慶喜さんの胸の内は見えないけれど、何か辛い気持ちが伝わってくる。
抱き締められているのは私なのだけれど、あやすように、私は彼の背中をゆっくりと撫でた。
すると、徐々に腕の力は弱まって、慈しむような優しい力に変わっていく。)
慶『艶子…』
艶子『大丈夫ですか?何か、あったんですか』
慶『………うん。そうだね』
(ぴったりとくっついていた体を離して、慶喜さんは私と目線を合わせてくれる。
その表情が思っていたよりも柔らかくて、私は内心、ほっと胸を撫で下ろした。
どこか恥じるような表情をした慶喜さんは、私に手を伸ばして、そっと髪をかきあげた。)
慶『座ろうか』
(こくりと頷いて、私達はその場に腰を下ろした。
私を見た慶喜さんが何かに気付いて、眉をひそめる。)
慶『ごめんね艶子。痛かっただろう』
(慶喜さんの視線の先には、まだほんのりと赤味の残る、私の手首。
慶喜さんがぎゅっと掴んでいた場所だ。)
艶『いえ、大丈夫です。こんなの、すぐに消えますよ』
(私は袖を伸ばして、手首を覆い隠す。
慶喜さんは、はぁ、と小さく息をついた。)
慶『すまなかった』
艶『本当に大丈夫ですから、そんな顔しないでください』
慶『………』
艶『慶喜さん…?』
慶『…猫耳』
艶『え…』
慶『どうして秋斉があれをつけていたんだい?』
(慶喜さんの表情は、深刻そのものだった。
けれど、その口から出た『猫耳』という単語に、私はどう受け止めて良いのかわからず、ぽかんとしてしまう。)
慶『あれは艶子が作ったものだろう』
艶『そうです』
慶『秋斉にも渡したのか』
艶『違います。渡したんじゃないんです』
慶『じゃあどうして』
艶『それは……』
(私にもわからなかった。
持ち出したことは認めていたけれど、「どうして」の問いには結局答えてもらえなかった。
口籠もる私を慶喜さんはどう解釈したのか、二度目の小さなため息をつく。)
慶『約束して?』
艶『?』
慶『俺以外の男とは、あんなことをしないと』
艶『あんなこと…?』
慶『……猫』
艶『あ…』
艶(慶喜さん、何か勘違いしてるんじゃ…)
慶『例え相手が秋斉でも』
艶『違います!慶喜さん。私…』
(私は慌てて、ここに至る経緯を説明した。
行方不明になっていた猫耳をなぜか秋斉さんが持っていて、撥を忘れて置屋に戻った時に、偶然見てしまっただけなのだと。
話しを聞いた慶喜さんは、ふっと息を吐いて、肩の力をすとんと抜いた。)
慶『なんだ、そうだったのか』
艶『はい。私も、驚いたんです…』
(やれやれといった表情をした慶喜さんを見て、私は袂からそれを取り出した。
そっと彼の頭に被せて、よしよし、と頭を撫でる。)
艶『私の猫さんは、慶喜さんだけですよ』
慶『………』
艶『猫さん?』
(慶喜さんは感じ入るようにゆっくりと瞼を閉じた。
私は慶喜さんの頭を撫でながら、そっと唇を寄せる。
柔らかい唇に、触れるだけの口付け。
ドキドキと鼓動を高鳴らせながら、私は慶喜さんの唇を塞ぐ。
慶喜さんに角度を変えられて、微かに吐息が洩れた。
さらさらした髪の感触を指先に感じながら、私は彼の頭を撫で続ける。
唇は離れることなく触れ合ったままで、時折洩れる吐息だけが、静まり返ったお座敷に響いた。)
慶『艶子』
艶『…駄目ですよ』
(吐息の触れ合う距離で、私達は囁き合う。
額をこつんと合わせて、慶喜さんは小さく呟いた。)
慶『にゃん』
艶『慶喜さん?』
慶『にゃん』
艶『可愛い』
(愛しい気持ちが胸いっぱいに広がって、私は頬を緩める。)
慶『にゃん…』
艶『撫でて欲しい?』
慶『にゃん』
艶『それとも……口付け?』
慶『……にゃん』
艶『「にゃん」じゃ、どっちかわからないよ?』
(意地悪く言う私に、慶喜さんは眉を下げる。)
艶『…どっちも?』
(私は慶喜さんの頬に、唇で軽く触れる。
慶喜さんは、切なく余裕の消えた瞳で、小さく『にゃん』と呟いた。)
艶『可愛い…』
(私は再び唇を寄せる。
手を伸ばして、彼の頭に触れた。
次の瞬間、)
艶『ん……っ』
(腕を背中に回されて、力強く抱き締められた。
頭の後ろを支えられながら唇を押しあてて、舌先で口を開かれる。
甘い目眩に、体が痺れていく。
そのままとさりと押し倒されて、息つく隙もない口付けが私を襲う。
頭を撫でようとしていた手が震えて、慶喜さんの頭にあった猫耳を落としてしまった。
床に落ちた猫耳を咄嗟にたぐり寄せると、それに気付いた慶喜さんは僅かに唇を離して、私の手にある猫耳を見やった。)
慶『…艶子はわかってるのかな?』
艶『え…』
慶『それを取ったらもう、猫じゃなくなるんだよ』
(慶喜さんは私の頭に差していた簪をするりと引き抜いた。
留め具を失った髪がふわりと床に広がる。)
慶『今日はおしまい。今度は、艶子が猫になる番ね』
艶『慶喜、さ…』
慶『いいね?』
(慶喜さんはおもむろに、自分の襟元に手をかけて緩めた。
綺麗な鎖骨や逞しい胸元が露になって、私はかあっと顔を赤らめる。
でもそれも、一瞬のこと。
落とされた口付けに、視界は遮られた。)
艶『ん…』
(蕩けるような口付けをしながら、私はじわりと熱を帯びていく。
するりと着物を開かれて、彼の熱い手のひらが肌に触れた。
触れられた所から、その熱がどんどん広がっていく。
真っ直ぐ胸元へと伸びた手は、円を描くようにして優しく肌の上を彷徨った。
塞がれた唇から、声にならない声が洩れる。
それを見計らったように唇を離して、慶喜さんは首筋に顔を埋めた。
彷徨う彼の指先が、徐々に動きを加速する。)
艶『慶、喜さ…』
慶『…足りない?』
艶『そんな、こと』
慶『ない?』
(彼の舌先が滑り降りて、指先で弄んでいたそこを口に含んだ。)
艶『や…!』
(体が小さく跳ね上がる。)
艶『あ、っ…やっ』
(すっぽりと含まれた口の中で、ざらりとしたものが絶えず動き回り、私はびくりと何度も体を震わせる。
味わうようにぐるりと舌に絡めとられたと思えば、窄めた唇に吸い上げられて。
幾度も往復する真っ赤な舌先は、私の意識まで沸騰させた。
仕上げのような軽い口付けの後、反対側も同じように口の中へと含まれてしまう。
さっきまで唇に捉えられていたそこには彼の指先が待ち構えていて、濡れた肌の上をそっと滑らせる。
逃れようと無意識に体を捩らせたけど、彼の手に両腕を抑えられて、身動きが取れない。)
慶『…駄目。逃がさないよ』
(舌先で突かれながら言われた言葉は、もう耳には届かなかった。
更に深まる愛撫は私を翻弄し続けて、猫のことも、猫耳のことも頭から消え去り、彼の色だけに染め上げられていったのだった。)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いやー、危ない危ない。
仁乃さんどこまで書いちゃうんだよとはっとして、うやむやにしました(笑)
極めて迂遠な言い方で…(びびり)
伝わったかな(;^_^A
こっち系、書いていいのか、そして書けるのか疑問なので、探り探り。
半端で堪忍m(__)m
しっかし、Ⅰからこうなるとは、私自身も予想だにしない結果です。
秋斉にゃ…秋斉サンの行動。
腑に落ちないよね(;^_^A
書いてる私はずっと爆笑だったんだけど(笑)
読んで下さった方々の解釈にお任せにしますかね~。
まぁ、慶喜にゃんはまだ続く予定ですので、そちらでしっかり拾えたらと思います(*´∀`*)
今回書きながら、既視感を感じました。
んー…としばし悩んで、ふととんでもない事実に気付く。
慶喜にゃんて完全に『わての子猫』状態じゃんΣ( ̄□ ̄;)
そうだよ、だから『かいらしい』とか言いかけちゃうんだよ。
そうか、だから何だか既視感が…。
ただ、この猫は後ろにチャックがついていて、時に中から狼が出てくる仕様になっておりますゆえ…ご安心を(何にだ)