昨日

人住みの居宅の
リフォームに行った。

平日やって
お施主さんの若夫婦は
ご出勤。

爺さん婆さん
ちっちゃいお孫さんが
留守番やった。


俺は1人で
仕事仕事。

しかし
留守番の
ジジババは
とても
社交的。

仕事してたら
やたらと
声をかけてくる。

「ケンさん」
「ケンさん」
「ケンさん」


昨日は
他の職人がいなくて
俺、1人。

さらに
俺は
〈  ケン  〉ではない。

横山剣でもないし
高倉健でもないし
トミーズ健でもない。

でも

「ケンさん、どっから(どこの地域)来てんのん?」

「ケンさん、お子さんは何人?」

「ケンさん、この棚
やっぱり、このくらいで
付けてもらわれへんやろか?」

「ケンさん、若う(わこう)見えるけど
孫はおるんかいや?」

「ケンさん、あんた
黒人の何や言う役者はんに
似てまんなぁ」


ケンさん
ケンさん
ケンさん

誰やねん?

老夫婦揃って
ボケてんのか?


しばらくして
理由がわかった。


玄関と一階の掃き出し窓から
出入りしとって

その辺の床は
完全に養生しとる。

土足でもかまへんねんけど

一応
人住みなんで

上靴に履き替える。


キッチンや二階に出入りする時は

更に
念を入れて

その上靴も脱ぐ。


家の人は
俺が履いてる靴が

上靴か土足か分からんもんな。


その上靴がこれ。



なるほど

なるほど
〈  健さん  〉や♪( ´▽`)


脱いだ靴を見て

ジジババさんは

俺の名前やと
思ったんやろな。

そして

他の職人が来た時に

「何で
こんなに
ゲンバーズは
〈  健さん  〉って名前ばっかりなんやろ?」


不思議に思うやろな。

ケケケケケ( ̄▽ ̄)