日本郵政の決算報告も5月15日に出ていたので以下の2つの資料から見ていきます。
2022年度の業績
- 経常収益 11兆1,385億円(-1261億円) -1.1%
- 経常利益 6,574億円 (-3,339億円) -33.7%
- 当期純利益 4,310億円 (-706億円) -14.1%
となっていて今回は減収減益となってしまっています。
減収の幅の割に、減益の幅が大きくなっているので利益率も下がっているようです。
以下それぞれもみてみると
- 日本郵便: 収益-5.5%、経常利益-44.6%、当期純利益-33.4%
- ゆうちょ銀行: 収益+4.3%、経常利益-7.1%、当期純利益-8.4%
- かんぽ生命: 収益-1.2%、経常利益-67.0%、当期純利益-38.2%
日本郵便とかんぽ生命の経常利益と当期純利益が30〜70%マイナスということで大きくマイナスに寄与してしまっています。
ただ、全体の収益の75%はゆうちょ銀行からくるので、もう少しゆうちょ銀行が頑張ってくれていれば残り2つの事業のマイナスをカバーできたかも知れません。
が、すべての事業でマイナスになっているので大変厳しい状況に見えます。
セグメントごとの業績
- 日本郵便
	- 郵便・物流:取扱量の減少による減収と人件費の増加→減益
- 郵便局:人件費削減により493億円(前年245億円)
 
- ゆうちょ銀行:
	- 運用収益が前年比よりマイナスになった(こちらは致し方ない)
- 手数料による収益増加は全体から見ると小さい
 
- かんぽ生命
	- コロナの保険金支払増
- 有価証券売却損
 
株主還元・配当金
- 配当金は50円のまま維持
- 配当性向は41%→72%まで上る見込み
2023年度見通し
日本郵政グループ: 経常利益: 6,200億円(前年度比-374億円)、純利益2400億(前年度比-1900億円)
- 日本郵政: 経常利益150億円 (前年度比-644億円)、純利益70億円 (-551億円)
- ゆうちょ銀行: 経常利益4,700億円 (前年度比+144億円)、純利益3350億円 (+90億円)
- かんぽ生命: 経常利益1,400億円 (前年度比+224億円)、純利益720億円 (-256億円)
今後は日本郵政の減益は大きく許容し、その代わりゆうちょ銀行とかんぽ生命に力を入れていく方針のようです。
それでもゆうちょ銀行の純利益増加に比べ、かんぽ生命の純利益は上がらない予想なので全体としての純利益も大きく下がりそうです。
私の方針
私も200株ほど保有していますが、一応長期保有しようかなと思っています。
もちろん減収減益は厳しいですが、この時代に赤字にならずにすべての事業でプラスを出していることがまず前提として大事だと思います。
今後は、郵便は業界的には縮小していく業界であるので、ある程度見切りはつけていると思います。
一方で、ゆうちょ銀行やかんぽ生命といった、資産運用プラットフォームや長寿高齢化社会で必要とされる保険に注力していけば、今後の復活もありうると信じています。





