佐原(千葉県香取市)(1996年 国の重要伝統的建造物群保存地区)



小野川

江戸時代から昭和時代初期にかけて最も栄えた商家町。当時の酒蔵や土蔵などの建造物が今もそのまま残っており、ひとたびその一角に足を踏み入れたれば、「てェへんだてェへんだ!」と血相を変へたうっかり八兵衛どもでも飛び出してきそうな、そんな町並みである。



木の下旅館 

1901年創業の、現在佐原で唯一残る伝建宿。




部屋には電話はない。
受付に用があるときは、自分の携帯からこの旅館の番号へ直接通話料を払って電話をかけるべし。
「べらんめぇ!」という人は 外の公衆電話まで走り拾円玉を入れて要件を伝へるべし。「てやんでぇ!」



伊能忠敬旧宅(1930年 国の史跡)

忠敬が伊能家に婿養子に入った17歳から江戸に出る50歳までの、33年余りを過ごした邸宅。



大日本沿海輿地全図(伊能図)他伊能忠敬関係資料(2010年 国宝) 

五十を過ぎてから忠敬は大日本沿海輿地全図(伊能図)をつくるために その後18年の歳月をかけて日本全土を隈無く歩いて廻り 地形を計測した。そして1821年にようやく完成したこの伊能図は そのあまりの正確さ故幕府により国家機密の行政地図として秘匿され、長いあいだ一般に出回ることはなかった。



伊能忠敬銅像(佐原公園)

1828年に起こったシーボルト事件でこの地図が国外に流出し 後のペリー来航のきっかけにも繋がってゆくように、伊能図は日本国の行く末をも左右し得るような重要な機密資料であった。



1842年創業 馬場本店酒造



1825年創業 東薫酒造

酒造りが最も盛んだった江戸中期頃には35軒を数えた酒蔵も 現在は小野川より西に並ぶ馬場本店と東薫を残すのみとなる。



1800年創業 いかだ焼本舗正上

正式でない姉妹都市である、自分の生まれ故郷「小江戸川越」をどことなく彷彿させるから、つい自然と足が向いてしまふのかな。