Heritage Softail Classic 1580 TC96B 
FLSTC ヘリテイジ・ソフテイル・クラシック TC96B(2007年インジェクションモデル)


ECM(コンピューター)をツインテックに交換し回転数を800rpmに落としてあります。

Daytona TwinTec TCFIの特徴は、一つは低中回転域での味わいがまるでキャブレターのようなフィーリングでありながら、高回転域まで回るインジェクションの優れた性能と馬力を極限まで引き出すことができること、そしてもう一つは装着後の自己補正学習機能はもちろんデータの微調整などきめ細かな作業も可能であること、といった点があげられます。

またメカニックのあいだでグラフィック機能等ソフト面での使い易さにも定評がありこの製品の強みとなっています。




Daytona Twin Tec TCFI Full EFI Control Systems-Japan Version


現在アメリカから日本ディーラー向けに輸出されるハーレーのノーマル車輌は、排ガスや騒音などの規制が特に厳しい日本の情勢を考慮しかなり力をセーブした構造に変えられていて、本来エンジンに必要なエネルギー量も制限した状態で市販されています。

ガソリンは非常に薄い燃焼設定のため低速時や坂道での走行の際エンジンにトルクが無くなって、スカスカした走りになることがあります。

また常に少ないエネルギーでその大きな車体を動かすこととなり、当然ながらそれにより燃焼温度の上がったエンジンが異常過熱する頻度は高まりますので、夏場などさほど厳しい暑さでもないにも拘らずオーバーヒートを起こしてしまうことすらあります。




ノーマル状態の車輌


これらの弊害として、マシン全体に負担が掛かりその耐久性や快適性に影響を及ぼすだけでなく、各部品の消耗を早めてしまうことにも繋がります。

実際にノーマル車輌を運転する際には、シフトチェンジをした後や低トルク域でのもたつきに悩まされていました。また走行中、股下にあるエンジンとオイルタンクの熱でいつも内ももを火傷していました。

ツインテックを装着することによってこうした厄介な問題を全て解決することができます。もたつきやスカスカした感じは完全に消え、安定した走りと幅広くて力強いトルクバンドに変わりました。エンジンとオイルタンクの熱も格段に下がり全く熱さを感じさせません。

ツインテックは数あるECMのなかでも非常にチューニング機能に優れ、高いパフォーマンスを施したコンピューターなのです。

またエアクリーナーもS&S社製ティアドロップ型に交換し純正よりも吸気効率の高いものとなっています。



Twin Tec TCFI Full EFI Control Systems 800rpm



次にエンジンの回転数をさらに600rpmまで落としてみました。

インジェクション車輌のアイドリング調整は800回転を下回るとどうしてもオイル循環と充電量低下の問題が発生します。この問題をツインテックの日本総代理店であり製品のデータマップの開発も担当している、サンダンス社代表の柴崎氏が取り払ってくれました。

彼は油圧と電圧の対策テストを幾年にも渡って行い、オイルポンプ、オイルフィルター、リチウムバッテリーなどの様々な改良を重ね安定した三拍子アイドリング(600rpm)のセッティングを実現しました。

そういった柴崎氏の努力のお陰で今日、インジェクション車も何の車輛トラブルの心配もすることなくあのキャブ車のようなドコドコ感、脈動感あふれる鼓動を味わうことができるようになったわけです。


そしてマフラーはサンダンス社製ボマーに交換。
大型プロペラ爆撃機『ボマー』を彷彿させる独特で迫力のある排気音から名付けられたこのマフラーは、純正に近いルックスながらそれよりも10馬力以上ある優れた性能をも兼ね備え、サンダンス社製Exhaustのなかでも特に人気の高い製品として知られています。


以上このような優れたパーツへのカスタマイズによってこの鉄馬は、ノーマル時に比べ馬力が約28PS、トルクは約3.2kgf.mも上がりHARLEY本来の姿を取り戻し、最大限の力かつ多様な性能を発揮することができるようになりました。


「インジェクションはキャブレターより面白味がない・・・」と言われる時代は、ここに終焉しました。



Twin Tec TCFI Full EFI Control Systems 600rpm SUNDANCE ‘Bomber’ Dual Exhaust