気持ちが落ち着いてから
「ごめんね。
ありがとう」
そっと胸から離れたら
あなたの目も少し
赤くなっているように思えた。
気のせい…かな?
『もう大丈夫?』
「うん。
本当にありがとう。
情け無いとこ
見せちゃったね」
『パボ。
情け無くなんかないよ。
笑顔になれるなら
いつだって僕は
ヌナを支えるから』
真っ直ぐな瞳で
あなたは言う。
「ありがとう」
本当に心が優しいね。
あなたと付き合う人は
きっと幸せになれると思うんだ。
その日私の中で
ぐるぐると回っていた気持ちが
確かなものになった。
彼を傷付けたくない。
彼と一緒に居たい。
彼を失いたくない。
積み重ねてきた想い出が
ポツリポツリと蘇ってくる。
あんなに大切に
想い合っていたのに…
私が台無しにしたんだ。
彼の傷を拭えるのは私だけ。
もう今は私のことなんて
好きじゃないかもしれない。
でも最後まで向き合うべきだから
ちゃんとこの気持ちを話そう。
あなたじゃないと
駄目なんだって。
その日、彼に電話をして
気持ちを素直に伝えたら
彼も許してくれた。
あんな事言ったけど
本当は私の気持ちを
試してたんだって。
どのくらい自分のことを
想ってくれているのか。
ごめんね、不安にさせて。
もうよそ見なんて
しないから。
約束するよ。
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