…自業自得だ。
あやふやな態度
とってしまってたんだ。
相手を不安に
させてしまってたんだ。
「距離…」
『しばらく会わないでおこう。
連絡も取らない』
しばらくってどのくらい?
これってもう
終わりに近付いてるってこと?
『一方的だけど…ごめん』
今更になって
なんでこんなに胸が苦しいの。
「分かった」
反論なんてできなくて
心当たりが無いと言えば
嘘になるから
『うん。
じゃあ…先帰るわ』
振り向かずに行く彼を
ただ呆然と見送った。
今自分の身に
降りかかったことは
現実なのだろうか。
何も考えられない。
ただ胸が苦しくて
心がずっしりと重たい。
息をするのも
少し苦しい程に
心臓がドクン…ドクン…と
低く鳴っている。
何度考えても
いくら悩んでも
答えが見つからなくて
手放すべきなのかと
そんな事さえ思っていたのに
今私の心は
哀しみで溢れている。
やっぱり、私…
『ヌナ?』
顔を上げると
そこにはあなたが居た。
「テミン…」
『どうしたの?』
なぜあなたの顔を見たら
あなたの声を聞いたら
安心するんだろう。
『彼氏さんと帰らないの?』
「テミン…私…」
のどが詰まって
上手く喋れない。
『ちょっとこっち来て』
そう言うと
私を立ち上がらせて
『こっち』
手を引いてズンズンと
校舎の階段を登っていく。
「テ、テミン?
どこ行くの?」
私の質問になんか
お構い無しに
どんどん登って
「ちょっと、そっちは…!」
立ち入り禁止の柵を越えて
屋上の扉を開けた。
「ここの扉って…」
『うん、開くの。
鍵かかってないの』
「知らなかった」
驚く私に向かって微笑むと
少し景色が見える位置まで
私を連れて行く。
夕陽が沈みかけていて
部活で校庭を駆ける人達の
陰が伸びていた。
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