名前は『陽子』
S48.3.25・・・とあるのは、お誕生日なのか買った日なのか。
なぞのこけしは祖父の家にあったもの。
今年のお正月、祖父が他界した。
わたしたちはフランスに帰省中だった。
フランスで日本到着空港からのハイヤーを予約し、
葬儀場に駆けつけたが間に合わなかった。
わたしたちがそこに到着すると同時に、
目の前で祖父や参列者を乗せた車が出発していった時には一瞬途方にくれた。
あんなに元気だったのに。
秋には家族で淡路島にも行ったのに。
12月の末に急に体調が悪くなり病院で末期の肺がんを宣告され、
余命6ヶ月と言われたが入院して4日目に静かに亡くなった。
祖父にとって初孫だったわたしはいちばん長くかわいがってもらえただろう。
わたしの娘のお宮参りにも来てもらえた。
そのときに主人の両親(孫に会うために来日していた)に会って、
とてもよろこんでくれた。
フランス人相手に冗談を言って何度も爆笑がおこっていたっけ。
わたしは今年37歳。
祖父との思い出がたくさんたくさんある。
この歳になるまでおじいちゃんがいてくれていたことに感謝するばかりだ。
祖父の形見にもらってきたこけし。
見ていると自然と涙がにじんでくるが、悲しみの涙ではない。
なにかあたたかいものに触れたときに感じる安心感のような、
感動のようなものが目を潤ませる。
二人目の子どもを見せられなかったことがずっと心残りだったが、
このこけしがやってきてからは 『いつも見てくれている』
そう信じられるようになった。
わたしの育児を見守ってくれているような、そんな心強さも感じられる。
いつもわたしの幸せを願ってくれていたおじいちゃん。
今はその願いをもっと強く、もっと近くに感じられる。
