略して、相方。
このバイオリンとも
かれこれ10年近い付き合いになる。
個人で弾いていてから、
オーケストラの部活に入って、
部活はよくサボったりもしたけど
なんだかんだ一緒にいた時間は長かった。
やらなくてはいけない時はいつも嫌になって
邪険にしていたりしてごめんね。
そして何物にも縛られなくなった今、
引っ張り出しては好き勝手弾いてごめんね。
あの時はそんなに愛せなかったんだよ。
他に誘惑が多すぎたし、
何よりも離れてしまうなんて思わなかったから、
つい目移りして、省みることもなかった。
だけどお前の響きは変わってない。
私がいくつか弾いてみた中で、
これだ、と選んで買った頃と
何の曇りもくすみもない響きを
私が感覚を取り戻したらちゃんと出してくれる。
バイオリンって、泣くのよ。
何言ってるんだって思うかも知れないけど、
このfみたいなのの少し下辺りに
無数の白い斑点のような汚れのような
「涙」が付いてるときがあるのよ。
昔はよくそれがあった。
発表会前なのに練習放棄したり
部活3日連続でサボってたりすると
よく、泣いていた。
不思議だった。
違うんだよ、
お前が嫌いなわけじゃないし
お前が悪いわけじゃないんだよ。
ただ私に愛する余裕もなかったし、
その価値に気付くことも出来なかったんだ。
今は、今までかつてなかったくらいの頻度で
引っ張り出しては弾いている。
最近耳コピした曲を弾いたりしている。
クラシックだけじゃない、
ロックやポップスでもお前は必ず響いてくれる。
嬉しいんだ。
最近泣かないけどどんな心境の変化なのかな。
私がどこにも行かないと判ってくれたのかな。
