落選した絵本が戻ってきました。
絵本の登場人物には、うちのオカメインコの名前を使いました。よかったら、暇つぶしにでも読んでやってください。
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ある日、カバのモモのもとに、かわいらしい小鳥がとんできました。
「おうちがわからないの。どうしよう」
小鳥ははねをバタバタさせ、なみだをポロポロこぼしていました。
「おうちがわからないなら、ここにいるといいよ」
「ほんとに? わたしはルリっていうの。カバさんは?」
「ぼくはモモっていうんだ」
「よかった。じゃぁ、わたし、モモちゃんとしばらくいっしょにいてもいい?」
ルリは、高い声でうたうようにいいました。
「うん」
モモはとってもよろこびました。
モモはいつもひとりでした。ほかのカバたちからはなかまはずれにされていたのです。
モモは、ルリとすぐになかよしになりました。そして、ルリのことがだいすきになりました。

ルリは、モモの体をかいてあげたり、水あびをしてあげました。いつもモモのあたまにのって、モモのお話をききました。夜は、モモのあたまのうえでねむりました。
モモは、ひとりでないことにしあわせをかんじていました。それは、モモにとって一番たいせつなことでした。

ある晴れた日、モモはいいました。
「ぼくたちはとっても気があうね。ぼくは、ルリちゃんといるとたのしいんだ。友だちだよね。これからもずっといっしょにいようね」
ルリは、
「そうね」
といい、モモのあたまのうえをとびながら、きれいな声でうたをうたいました。

毎日、毎日、ルリはモモの話しあいてでした。モモは、こんな日がずっとつづけばいいとおもいました。
しかし、とつぜん、とおい空のどこかでこんな声がルリのみみにとどきました。
「こっちへおいでよ。もっともっとすてきなせかいがあるよ」
ルリは高い空をみあげました。けれども、声のぬしをさがすことはできませんでした。

モモがねむっているよなか、ルリはおもいきってきめました。
「すてきなせかいがあるなら、いってみよう」
ルリはドキドキしながら、たかくたかくとんで、大きくはばたきました。

つぎの日のあさ、モモはルリがいないことに気づき、かなしくなってなみだをながしました。
「どこへいっちゃったんだ」
空をみても、森のほうをみても、ルリのすがたはありませんでした。

とびたったルリは、きぼうでいっぱいでした。ワクワクして、つばさで風をきって、大空をまっすぐとんでいました。
すると、したになにかがみえてきました。ルリは、どんどんと近づいていきました。それは、カバの親子でした。なにかいっているのがきこえてきます。
「モモちゃん、りっぱなカバになれるように、たくさんたべるのよ」
「うん、大きくなったら、みんなのリーダーになるよ」
「そうね、モモちゃんならきっとなれるわ」
カバの親子は、しあわせそうによりそってあるいていました。
「あ、あれはモモちゃんじゃない?」
ルリはそうつぶやきましたが、あまり気にしませんでした。

ルリは、カバの親子をおいこして、すてきなせかいをめざしてとんでいきました。そして、くものあいだから、少しだけしたをながめました。
すると、小さなカバが、いっぴきで川のそばでじっとしています。なかまたちは、川のなかにはいっていました。
ルリはどうしたんだろうとおもい、みみをすませました。
「モモのおかあさんは、ワニにたべられちゃったんだ。あのモモをまもるためにだよ。ほんとうはモモがワニに食べられていたはずなのに。モモのおかあさんは、むれのなかで一番やさしくておだやかだったよ。ワニをおそうことすらしらなかったんだ」
ルリはびっくりしました。
「モモちゃん、そうだったんだ」
小さなカバは、いつまでもうごきませんでした。
よるになると、ルリは木のえだにとまり、空をみつめながらモモのことをおもいました。
「モモちゃんはずっとひとりだったんだね。かってにとんできてしまってごめんね。でも、私もひとりだよ。もうすこししたらかえるからね」
ルリはそうちかいながら空をみあげると、ほしがたくさんふってきました。
「きれい」
ルリはつぶやきました。

モモはひとりで水あびをしていました。
「ぼくのまわりにはだれもいない。おかあさんも、ぼくが小さかったときにしんじゃったんだ。ルリちゃんもどこかへいってしまったよ。ぼくはずっとひとりぼっちなんだ。でも、おかあさんのぶんまで生きなくっちゃ」
そう小さく、力づよくいいました。

朝をむかえたルリは、おちつかなくなりました。
「モモちゃんはわたしのたいせつなお友だち……。でも、どっちにいったらあえるの?」
ルリは右も左もわらかなくなっていました。さびしくなって、心ぼそくなりました。
「モモちゃんはどこにいるの? どこにいったらモモちゃんにあえる?」
ルリは、また空にむかってとびたちました。
「すてきなせかいなんてない。ひとりぼっちはきらい。でも、どっちにいったらいい?」
小さなむねにふあんをいっぱいにかかえて、ルリははばたきました。
とおくに山がみえました。
ルリはなにかをしんじて、力づよく、力づよく、山をめざしてとびたっていきました。
~おわり~