ビルの廊下を歩いている。
私の前には姉が歩いていて
両開きされている扉の中に入っていった。
私も後に続く。
開け放たれた扉をくぐると、屈強な体つきの黒服の男の人が立っていて、チケット確認を要求される。
何のことだか分からず、先に入った姉を見る
すでにチケット確認を済ませている姉は、その先にあるフロントのような受付で荷物チェックをしている。
手に違和感を感じて視線を落とすと、私の手は、しっかりと一枚のチケットを握りしめている。
そこに書かれている文字を読む。
B'z LIVE-GYM 〇〇〇〇
Bz-☆☆☆☆☆☆ ss席 べべ 様
と書かれていた。
あ…… ss席! 当たったんだ!!
やっぱりな!!という謎の確信と共に、当選したことを素直に喜んだ。
しかしながら、もう一枚、一緒にLIVEを見るはずだった人はそこにおらず、その人の分のチケットが、カバンの中から顔を覗かせていた。
一緒に来れなかったんだ…。
でも何か事情があったのかもな。
残念な気持ちになりつつも、この先に待っているLIVEの楽しみの方に心がはやった。
黒服の男の人に握りしめたチケットを渡す。
チケット確認をした後、私を見て身分証明書の提示を求めてきた。
私は事前に登録しておいた、身分証明書をその男の人に渡した。
すると、私と身分証明書を見比べて、これでは入れないと言い出した。
突然のトラブルに動揺しながら『何故?!』と慌てていると、先に荷物チェックを済ませた姉が『どうしたの?』と駆け寄ってきた。
身分証明書に何か不備があるのか確認するも、何もおかしいところは無い。
すると、黒服の男の人は『これでは顔の確認が取れない』といった。
もう一度身分証明書を覗き込んでも、おかしい所は見当たらず、カードを自分の顔の横に持ってきて『よく見て、ホラ、同じ、同じ顔でしょ? たしかにカードの方が今より若いけれども…』と言って見せた。
しかし『そう言われても確認が取れない以上、入れることはできない』と言われて、どうしたらいいのか分からずに気持ちが焦る。
二人のやり取りを隣で見ていた姉が『あの受付の方にも確認してもらったら?!』と言い、別の窓口を指差した。
黒服の男の人に許可をもらい見守られる中、受付の女性に声をかけた。
その人も一連の流れを見ていたのだろう。
『あの、確認をお願いします』と言うと
『はい』と言ってカードを覗き込んだ。
チラチラと何度か私とカードを交互に見る。
顔を上げた、その人は『すみません…カードのお写真がぼやけてしまっていて、はっきりとした確認を取ることができません…』と、申し訳なさそうに答えた。
「 嘘でしょ……? 」
あまりにも予想していない出来事に体から力が抜けて、肩を落とすように受け取ったカードに目を落とすと、不思議なことに、確かに顔写真にフィルターがかかっているかのように、私の顔はぼんやりとぼやけていた。