一見何の関係もないように思われるかもしれませんが、高濃度ビタミンCとG6PD欠損とマラリアについてお話したいと思います。

高濃度ビタミンC点滴を行う前にG6PDという酵素の検査を行うのですが、この酵素が欠けている方には高濃度ビタミンC点滴は行えません。
日本人には0.1%とかほとんどいないとかいわれますがないわけでないので多量のビタミンC点滴を行う際には検査が必要となります。

G6PD欠損症について詳しくはこちら

G6PDは赤血球の膜が弱く、何らかのストレスで溶血してしまいますが、高濃度ビタミンCによっても赤血球が溶けて貧血になってしまうからです。

X染色体の伴性劣性遺伝とされており、遺伝子は女性はXXで男性はXYですから、異常な遺伝子を小文字でxとすると、男性はxYですから、必ず症状がでて、女性は特にxxというどちらの遺伝子にも異常がある時に症状がでるとされています。

じゃあ損なことばかりかというとそうではなくて、一方でマラリアには抵抗力があるとされています。
というのはマラリアは赤血球に寄生するので、弱い赤血球が壊れてしまってマラリアが充分増殖できないんですね。

G6PD欠損症以外にも鎌状赤血球症という病気も赤血球が弱いのですが、アフリカにこれらの病気が多いのはマラリアに強い人が生き残ってきたという歴史も関係しているようです。