インターネットでみつけました。メモします。



以下は、妊娠中に母体がさらされることで胎児の健康や発達にとってリスクとなるモノに関する記事からの抜粋です。

  • 花粉
    妊娠期間の後期に大量の花粉に暴露されると、生まれてくる子供が喘息になるリスクが増加するという結果になった研究があります。 妊娠25週目以降の妊婦が花粉に大量にさらされると、生まれた子供が生後1年以内に喘息で入院するリスクが有意に増加していたのです。 参考記事: 妊娠中の花粉暴露により新生児の喘息リスクが増加


  • 大気汚染
    米国の研究によると、妊娠中に幹線道路の近くに住んでいると、生まれる子供が肺炎や気管支炎などの呼吸器感染症になるするリスクが増加します。 このリスクは、自宅から幹線道路までの距離が200m未満の場合に顕著に増加します。参考記事: 妊娠中に幹線道路の近くに住んでいると、生まれる子供が肺炎や気管支炎になるリスクが増加する

    大気汚染は自閉症児が生まれるリスクが増加する原因にもなる可能性があります。参考記事: 大気汚染と遺伝子変異の組み合わせで自閉症リスクが増加


  • 喫煙
    カナダの研究によると、妊娠中にタバコを吸うと、生まれてくる子供が思春期に肥満になるリスクが増加します。 喫煙によって胎児の脳に構造的な変化が生じ、脂肪分の多い食べ物を好むようになるのが原因だそうです。参考記事: 妊娠中の喫煙が子供の肥満の原因に

    妊娠中の喫煙により、胎児が生まれてから喘息を発症するリスクが増加するという研究もあります。 スウェーデンで行われたこの研究によると、母親に妊娠中に喫煙された子供では、喘息になるリスクが65%も増加していました。 特に、妊娠初期(~12週目)の喫煙で、胎児に悪影響が見られました。 妊娠中の喫煙によって、胎児の子供、すなわち妊婦の孫でまで喘息のリスクが増加することを示唆する研究もあります。参考記事: 妊娠中の喫煙で胎児が喘息になるリスクが激増 妊娠中に喫煙すると孫にまで悪影響が
  • さらに、英国の研究で、妊娠中の喫煙によって、子供に行動上の問題が生じるリスクが増加するという結果が出ています。 行動上の問題とは、喧嘩をするとか、注意力散漫になるなどです。参考記事: 妊娠中の喫煙で子供の行動に問題が生じるリスクが増加

    また、喫煙はビタミンC を大量に消費しますが、デンマークの研究によると、妊娠中にビタミンCが不足すると、胎児の脳の発達が妨げられる可能性があります。 そして、胎児のときにビタミンC不足により被った脳へのダメージは、生後にビタミンCを補給しても修復されません。参考記事: 妊娠中のビタミンC不足で胎児の脳が発達不良に

    当サイトでは記事にしませんでしたが、つい先日(2013年6月)にも、妊娠中の喫煙により生まれてくる子供の聴力が低下するリスクが増加するという研究が発表されています。

    喫煙者の周囲の人にまで喫煙の被害が及ぶ受動喫煙(二次喫煙)は良く知られていますが、三次喫煙 というのをご存知でしょうか? 三次喫煙とはタバコの煙がバルサンのように室内に拡散して、部屋の壁や家具、部屋に居る人の服などに付着し、室内から煙が無くなった後にも有害性を発揮し続けるというものです。


  • 磁場
    有害物質とは少し違いますが、Nature 誌 に掲載された研究によると、母親の胎内にいるときに磁場にさらされることで、子供が肥満になるリスクが増加します。 参考記事: 磁場にさらされた胎児は、肥満児になるリスクが激増


  • ビスフェノールA
    プラスチック・ボトルや、アルミ缶、食品容器、缶詰の缶、レシートなど、ごくありふれた物に使われているビスフェノールA(BPA)という化学物質も、胎児に悪影響を与えます。

    BPA は女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用をするため、人工エストロゲンと言われたりもし、1930年代には女性ホルモンの補充療法に用いられていたほどです。 しかしその後、有害性が明らかになるにつれ、人体への投与はもちろん、日用品への使用も規制されるようになってきました。

    BPA の代わりに BPS という化学物質が使用されるようになっていますが、この BPS は、BPA と性質が似ているだけあって、有害性も似ているようです。参考記事: ビスフェノールSもビスフェノールAと同様に人体に有害

    そんな BPA の胎児への有害性についてですが、カリフォルニア大学バークレー校の研究によると、妊娠中の母親や新生児の BPA の体内量が多いほど、甲状腺ホルモンのチロキシン(T4)の量が減っていました。 甲状腺ホルモンの不足は、認知発達と運動発達の遅れに関与している可能性があります。参考記事: 妊娠中のBPA暴露が乳幼児の発達の遅れの原因に

    また、ワシントン州立大学がサルを用いて行った実験によると、BPA が女性の生殖系をかく乱して、流産や、奇形児が生まれるリスクが増加する可能性があります。BPAに継続的に暴露したサルでは、卵子の分割が適切に行われなかったのです。参考記事: 食品容器によく使われる化学物質BPAで胎児に異常

    さらに、ノース・カロライナ大学が行ったマウス実験により、胎児~思春期の頃に BPA に暴露されると強い不安感に襲われるリスクが増加する可能性が示唆されています。 胎児から思春期にかけて少量のBPAに暴露されるだけで、脳の領域のうちストレスと恐怖に関与する部分に遺伝子的な変化が生じて、強い不安感に襲われるようになるのだそうです。参考記事: ビスフェノールAと不安感と大豆


  • 砂糖の入った清涼飲料水
    ノルウェーで行われた研究で、砂糖の入った炭酸飲料を一日一杯飲んでいる妊婦では、早産のリスクが25%増加し、さらに、人工甘味料の入った炭酸飲料を毎日飲む妊婦でも早産のリスクが11%増えるという結果になっています。 炭酸飲料と早産の関係は特に、肥満の妊婦で顕著に見られました。参考記事: 砂糖の入った清涼飲料水で早産のリスク

    ソース記事では「ソーダ」となっていますが、炭酸飲料に限らず、スポーツドリンクなど砂糖や人工甘味料の入った清涼飲料水全般について同じことが言えると思います。


  • ジャンクフード
    有害物質というのとは少し違いますが、オーストラリアで行われたマウス実験によると、ジャンクフード を妊娠中に食べていると、胎児の脳が大量の脂質と糖質に慣れてしまって、生まれてくる子供が、適量の食事では満足感を得られない体になる恐れがあります。 参考記事: 妊娠中にジャンクフードを食べていると赤ちゃんが過食症に

    妊娠中(特に妊娠7~9ヶ月目)に高脂肪の食事をしていると胎児の脳に異変が起こって肥満体質になってしまうことをマウス実験により示した研究もあります。 参考記事: 妊娠中に高脂肪の食事をしていると、生まれる子供が肥満体質に


  • カフェイン
    流産のリスクに関して言えば、カフェインの摂取量を1日あたり300mg(コーヒー三杯程度)までに制限しておけば大丈夫なようです。 しかし、スェーデンの研究によると、200mg/1日のカフェインでも、生まれてくる子供が低体重となるリスクがあります。

    そして、カフェインが含まれているのがコーヒーや紅茶だけないことにも注意が必要です。 エナジードリンクにも大量のカフェイン(200mg/1缶など)が含まれていることがあり、しかもエナジードリンクの缶に表示されているカフェイン含有量は正確でないことがあります。 参考記事: 妊娠中はエナジードリンクにも注意


  • 除草剤
    アトラジンという除草剤により後鼻孔閉鎖症(鼻腔の奥が塞がった状態で生まれてくる)になるリスクが増加する可能性が指摘されています。

    米国の研究によると、トラジンの使用量が最も多い水準にある地域では、最も低い水準にある地域と比べて、後鼻孔の先天的な閉鎖症または狭窄症(塞がるほどではなく狭くなる)になるリスクが80%も増加していました。

    家庭向けに市販されている農薬(ネコソギエースなど)の中にも、アトラジンが用いられているものがあります。 参考記事: 除草剤アトラジンで新生児に後鼻孔閉鎖症のリスク


  • グリコール・エーテル
    フランスで行われた研究によると、仕事場で頻繁に溶剤に暴露されている妊婦では、生まれてくる子供に口蓋裂や手足の奇形などの先天性異常のあるリスクが増加する可能性があります。

    この研究において、生まれた赤ちゃんに重度の奇形のあった女性の45%は、看護婦、薬剤師、清掃人、理容師、美容師などの職業に就いており、仕事で日常的に溶剤に暴露されていました。 参考記事: グリコール・エーテルで先天性異常のリスク


  • フタル酸ブチルベンジル(BBzP)
    米国コロンビア大学の研究によると、妊婦が高濃度のフタル酸ブチルベンジル(BBzP)に暴露されると、生まれてくる子供が2歳までに湿疹になるリスクが1.5倍になります。 BBzP は、ビニールのフロアリングや人工皮などに含まれており、徐々に空気中に放出されていきます。 この研究で実施された尿検査では、尿から BBzP が検出されなかった女性は1人だけでした。 参考記事: 妊娠中のBBzP暴露により、生まれた子供が湿疹になるリスク


  • アルコール
    妊娠中の過度の飲酒が胎児アルコール症候群(胎児に知能障害や水頭症などが生じる)ことは知られていますが、少量の飲酒が胎児に悪影響があるのかどうかは明確ではありません。

    そして何よりも問題なのが、どの程度の飲酒量であれば妊婦にとって「適量」であるか言えないという点です。 妊娠中のどの時点(週齢)で、どの程度飲酒すると胎児に悪影響があるのかを示すデータが無いうえに、アルコールの処理能力(アルコールを分解する酵素の量)にも個人差があるため、妊婦にとっての「適量」を決定できないのです。

    そういうわけで、妊娠中の飲酒には慎重であるべきですが、どうしても妊娠中に飲酒の必要がある場合には、ビールであれば200~400ml程度(酔いを感じない程度)を1週間または2週間に1回程度までにしておくのが良いそうです。

    ただし、肝臓疾患の妊婦や、アルコールとの相性が悪い薬(抗欝剤など)を服用中の妊婦では、飲酒は禁物です。ソース:

  • 鼻炎薬
    市販の鼻炎薬に用いられているプソイドエフェドリンという物質によって、肢欠損のリスクが3倍になるという研究があります。 肢欠損とは、4本の手足のうちのいずれか、または全部が通常よりも小さくなったり、完全に欠落したりした状態のことです。 参考記事: 妊娠中に鼻炎薬を服用すると奇形児が生まれるリスクが増加

  • アセトアミノフェン
    妊娠中に服用しても安全だとされているアセトアミノフェンですが、妊娠中に長期間にわたって服用すると、生まれる子供に様々な問題が生じるおそれがあります。 アセトアミノフェンはタイレノールやトンプクなどの鎮痛解熱剤のほか、風邪薬の成分としても広く用いられています。 参考記事: 解熱鎮痛剤の成分アセトアミノフェンが胎児に悪影響 妊娠中のアセトアミノフェン服用で子供が ADHD になるリスク

2013年8月には、妊娠中の喫煙や食事内容、妊娠中にさらされる有害な化学物質が胎児へのストレスとなり、そのストレスが、胎児が遺伝子を受け継ぐ際にトラブルの原因になって、生後の病気の原因になるという研究が発表されています。 参考記事: 胎児のときのストレスが生後の慢性病の原因に